食の力で壁を越え、生産者と生活者をつなぐ――トラシェアが挑む「誠実なマーケティング」のかたち

株式会社トラシェア 代表取締役 周澤旭氏

来日直後の言葉の壁を「食」で乗り越えた経験から、食品業界への恩返しを志した周氏。同社は、生産者が正当に報われない流通構造や、主婦・ママ層が評価されにくい現状を打破することを目指しています。

商品開発からマーケティングまで一貫して担い、「高単価でも売れる」成功体験を創出。食品業界に新たな風を吹き込むトラシェアの事業観と展望を伺いました。

「食品に救われた」原体験が、事業の起点になった

――どんな思いで今の事業を始められたのか教えてください。

まず会社名は株式会社トラシェアといいます。会社を始めたきっかけは、私自身が中国人で、幼い頃に転勤の都合で急遽日本に来たことがあり、いじめを受けることが多かったんです。

そのときに救われたのが食でした。食べるという行為は言葉や文化の壁を越えて、「美味しい」という感覚を共有できる。そこで友達ができて、学力が身について、社交力がついて、自信がつき、できることが増えていった。だから食品業界に恩返ししていきたいと思い、会社を立ち上げました。

――事業を立ち上げた背景には、他にも理由があったのでしょうか。

理由は主に2つあります。ひとつは、在宅でも主婦やママさんたちが生活を安定させ、家計を立てられる状態を作っていきたいということです。いわゆる職場復帰のしにくさなど、日本社会には濃厚にあると感じていて、家庭を支える方々が月5万でも10万でも収入を増やせれば、家計を支えられる。そういった社会貢献をしていきたいと思っています。

もうひとつは、食品業界を調べていく中で、生産者に還元されにくい仕組みに疑問を持ちました。なので、弊社は地方に埋もれている本物の商品を掘り出し、マーケティングすることで、全国規模で売上が広がることで、生産者の誠実な努力が報われる仕組みを構築していきたいと思っております。

「ただのBPOではない」商品づくりから入るマーケティング

――現在取り組まれている事業の特徴や、強みはどんなところでしょうか。

最初の頃は人事サービスや、後継者不足をなくすためにワーケーションでローカル体験を作る構想など、いろいろ考えていました。学生時代にはエコツーリズムや農業と観光を掛け合わせる構想もあり、プレゼンピッチで選ばれたこともあります。

ただ結論として、売り上げを作れないと続かない。生産者など、現場が儲からないから業界として魅力的に見られず、どれだけ発信しても後継者不足の根本的解決には繋がらないことを知りました。だからこそ、抜本的解決策として、生産者経由で商品をつくり、付加価値を持たせ、ネットで販売できる状態を作りたいと思いました。弊社独自のノウハウをもとに、勝てるマーケティングファネルを構築し、売上を確立することで、結果として、ブランディングが確立することで、卸値も上げられ利益率を担保できる状態を作っていくこと。それが一番大事にしている考え方です。

うちはただのマーケティング会社でも、ただのアウトソーシング会社でも、ただのBPOでもありません。商品づくりから入っていき、お客様と一緒に大切に育てていきます。その考え方で取り組んでいます。

――社名「トラシェア」には、どんな意味が込められているのでしょうか。

表の意味は「トライしてシェアしましょう」。試食して、本当に美味しいものだけを共有しようという意味です。裏の意味はトライ精神で、常に挑戦しようということ。

今年で26になりますが、若いと言われるのも20代のうちだけだと思っています。体力のある今だからこそできる挑戦があると思っております。株主も僕が100%の会社なので、下請けはやらずに、泥臭く直で一次産業と繋がり、業界にとって、新しい挑戦をしていきたいです。今までない時代の需要にあった商品を一緒に新たにカテゴライズすることで、付加価値を生み、、価格競争から抜け出せる事例をこれからも増やして参ります。。

「認知よりも売上」費用対効果を見える化する

――お仕事される上で、実現したい夢や目標はありますか。

わかりやすい目標で言うと、日本のEC市場で、僕が30歳になるまでに100億貢献したいです。日本で一番誠実なマーケティング会社で、クライアントの売り上げありきで成り立っている会社だという見られ方をしていきます。です。

ネット広告や広告代理店は中抜きがあるんじゃないか、費用対効果が見えにくいという印象もあると思います。そこを是正していきたいです。コストをかけた分の費用対効果を徹底して見える化していきたいんです。だからうちはWEB周りしかやらない。SNS運用でもBtoB施策でも、明確な導線を構築して、売上に直結するサポートを徹底していきます。

定性的には、生産者に還元される仕組みを作り、食品業界全体がネットにチャレンジしやすい環境・エコシステムを作っていきたいです。こだわった地元商品が、高単価でもネットで全国規模に売れていく事例をもっと作っていきたいです。

――中長期的な構想についてはありますか。。

中長期のビジョンはあります。簡単に言うと、最終的に「デジタルファーム」を作ろうと思っています。まずは30歳までに100億を達成し、その後に資金調達して、デジタルファームを作っていく。実現できたらニュースになるぐらいの内容だと思っています。(今はまだ詳細はこの場では言えません。。)

ただ、まずは手堅く実績を作り、食品業界の皆さんが、店頭より高い価格でもネットで継続的に買われていく成功体験を積んでいただきたいです。それを積み上げて100億の経済効果を作ることが、個人としての目標でもあり、会社の目標でもあります。

ターニングポイントは「世界規模のビジネス大会」だった

――これまでのキャリアで、ターニングポイントだった出来事はありますか。

学生時代の話になってしまうのですが、大学1年生の冬がターニングポイントです。明治大学でフランス語の授業を受けていた友達が、ビジネス大会を主催していて誘われました。英語でプレゼンし、優勝したら国連に行ける、そういう大会があると知って、出てみようと思ったんです。それが「ハルトプライズ」という大会で、各大学が参加していて、全世界規模で学生が参加します。

当時はビジネスが何もわからなかったので、教授のご指導をいただきながら、初期費用や数字、フィールドワーク形式で勉強しました。チーム運営も大変で、英語が共通言語の状況でメンバーの背景もさまざまでしたが、努力が認められて大学1年生で明治大学代表になり、リージョナル(第二ラウンド)へ進出できました。ビジネスって面白いなと思えた成功体験でした。

ただ、世界のレベルには及ばず、敗退しました。その悔しさもあり、コロナでやることがなくなった時期にビジネスを勉強しようと決めました。結果として、UCバークレーで起業学 (Entrepreneurship) などを学び、現地のビジネス大会でも優勝できました。自分にとって、シリコンバレー本場にてマーケティングや商品企画など、根本から勉強できたことが今の起業に繋がりました。

AI時代のインフルエンサー業界は「オリジナリティ」が勝負になる

――今後取り組んでいきたい新しい挑戦や展開を教えてください。

今後取り組んでいきたい挑戦は、海外展開です。今年中に1プロダクトをアメリカでリリースすることになっていて、海外展開サポートまで確度高く展開できるように、海外のネットワークも強化しながら販売網を広げていきたいと思っております。もうひとつはプラットフォーム事業です。これはまだ大きい声で言えないのですが、社内で開発を進めています。生産者への還元率を最優先とし、還元率が抜本的に解決する仕組みを構築できるようなプラットフォームを開発・設計しています。

――業界の流れを見ていて、今後変わっていくと感じることはありますか。

インフルエンサー業界はAIが浸透する中で、TTP(徹底的にパクる)みたいな真似の文化は衰退していくと思います。AIが浸透すればするほど、技術的な差別化や機能的な差別化はできなくなっていきます。だからこそ、情緒的側面やエンタメ性、個人の価値観や理念が尊重される時代になっていくと思います。トラシェアは、これからの時代を生き抜いていく上で、「どこよりも思い・理念をブランド化できるサポート体制を整備しつつ、AIに負けない人間味あふれるタレント型インフルエンサーを増やすことで、一過性収益ではなく、将来収益を見越した設計を実現していきたいと思っております。」

PR案件も飽和し、コモディティー化してきています。特別感や希少価値が薄れていく中で、意味や意義、本質を突いた案件、愛用しているから紹介するという有機的な関係性がより重要になると思います。

トラシェアとしては、試して試して本当にいいものだけをシェアするというスタンスを、社名の通り、これからも貫いていきたいです。本物の情報が大事にされる時代だからこそ、残っていくのはブランドであり、信頼できるブランドを作っていく支援をしていきたいです。

向き合っている課題は「再現性だけでは卓越できない世界」

――いま向き合っている課題や、それにどう取り組まれているかを教えてください。

課題はタレントビジネスの側面です。インフルエンサーをタレント化していくとなると、エンタメ性は再現性だけでは賄えない部分があります。マーケティングや数字、広告運用は再現性を追求して勝ちパターンが見えてくる一方、インフルエンサー市場は型だけでは卓越しきれないです。

個性を打ち出しながら、自分の発信スタイルを確立できるかが鍵を握ってくるかと思います。時代が変遷する中で、考える力を養いながら、型を柔軟に切り替えられるかが重要になります。情報の流れが速い時代だからこそ、真偽を嗅ぎ分け、“残り続けるトレンド”を掴む力が必要です。トレンドを追い、どのトレンドが残るのかを精査する能力は、今後さらに弊社としても磨いていく必要があると感じています。

譲れないのは「費用対効果から逃げない」誠実さ

――経営の中で、これだけは譲れないという思いはありますか。

一番大事にしているのは、費用対効果から逃げないことです。広告代理店業界は中抜きや、数字をクリアにできていない部分があると思います。定性的な指標も含めてスコアリングし、SNS運用代行でも店頭売上やEC売上との連動性、相関関係を明確化していきます。

数で勝負する、所属インフルエンサー数やフォロワー数、企業の規模やネームバリューで見せるのではなく、実績と数字で証明する状態を作って参ります。。

地方の中小企業や思いを持った生産者など、関係なく迎え入れ、時間をかけて10年20年30年と販売数を伸ばし、いずれ大手と並ぶ売上実績にまで持っていく。その誠実さと泥臭さを失わずにこれからも精進して参りたいです。

インフルエンサーについても同じです。短期で伸ばして終わりではなく、10年20年と向き合い、寄り添う姿勢を大事にしていきたいです。AIが生活にどんどん浸透してくる中で、これからは人間らしさや信念、社会的意義や道徳性が重視される時代になると思っています。だからこそ、トラシェアもモットーを社内全体に浸透させながら、組織規模が大きくなっても、現場の人やインフルエンサーが大切にされているという感覚を持ち続けながら、視座高く社員意識を持って誠実にクライアント課題に向き合って参ります。

休日は「友達との時間」でリフレッシュ

――お休みの日はどのようにリフレッシュされていますか。

友達の家に行って、ご飯パーティーをしたり、お酒を飲んだ後にほろ酔い気分で、カラオケに行くのもリフレッシュになります。学生時代の関係値はありがたくて、損得感情抜きで当時のまま付き合えるので、楽しいです。最高のリフレッシュになると共に次の日の活力にもなります。

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