感性に満ちた世界へ。アートを媒介に企業の「想い」を可視化するRAMBIISの挑戦
RAMBIIS株式会社 代表取締役 川本天雅氏
モノが溢れ、機能的な価値だけでは差別化が難しくなった現代。企業や自治体が抱える「目に見えない背景」や「哲学」を、アートという手法で社会に実装しようとする若き起業家がいます。RAMBIIS株式会社の代表取締役、川本天雅氏です。
18歳でのスペイン留学中、コロナ禍によるロックダウンという極限状態を経て確立された彼の哲学は、「生きるとは感情を揺さぶられること」という強いメッセージに集約されています。同社が展開するアートフェア「LAUNICA(ラウニカ)」やBtoB向けのアート導入事業は、単なる装飾としてのアートではなく、企業のアイデンティティを空間や製品に昇華させる独自の試みです。若干24歳、野心と感性を武器に「アートを日常にする」未来を見据える川本氏に、その歩みと展望を伺いました。
18歳でのスペイン留学中、コロナ禍によるロックダウンという極限状態を経て確立された彼の哲学は、「生きるとは感情を揺さぶられること」という強いメッセージに集約されています。同社が展開するアートフェア「LAUNICA(ラウニカ)」やBtoB向けのアート導入事業は、単なる装飾としてのアートではなく、企業のアイデンティティを空間や製品に昇華させる独自の試みです。若干24歳、野心と感性を武器に「アートを日常にする」未来を見据える川本氏に、その歩みと展望を伺いました。
目次
感情を揺さぶる「感性」を日本の日常に。RAMBIISが描くビジョン
――まず、RAMBIIS株式会社が手掛けている事業内容と、掲げている理念についてお聞かせください。
僕たちは主に3つの柱でアート関連事業を展開しています。1つ目はアーティストと購入者を繋ぐオンラインマーケットプレイス(ECサイト)。2つ目が現在主軸となっている「アート導入事業」です。これはBtoB向けのサービスで、企業の背景や想いを、空間インスタレーションや製品コラボレーションという形で可視化し、ブランディングを支援するものです。そして3つ目が、これらを統合した体験の場であるアートフェア「LAUNICA(ラウニカ)」というイベント運営です。
ECサイトで作品を売るだけでは、アートを日常にはできません。企業とコラボして製品にメッセージを込めたり、自治体と組んで街の環境にアートを溶け込ませたりすることで、人々が意識せずにアートに触れる機会を創りたいと考えています。
掲げているコンセプトは「感性に満ちた世界へ」です。もともとはアートを売るだけの媒体からスタートしましたが、僕自身の目標は「アートを人々にとって当たり前の日常にすること」です。企業様との製品コラボや自治体との空間演出を通じ、もっと日本を面白くしたい。論理的な「ロジカル思考」も大切ですが、最終的には「感情ベース」の美徳意識を大切にする。そんな感性を日本中に見つけていけるような発信をしていきたいと考えています。
社名のRAMBIISや、主催する「LAUNICA」というブランドを通じて、その企業や街が持つ「見えない想い」を形にしていくことが、僕たちの使命です。
スペインで確立された「無」と「生」の哲学。経営者としての原点
――川本代表がアートという領域で起業されたきっかけを教えてください。
もともと祖父も父も経営者で、自分も「いつか自分の作ったサービスを世の中の当たり前にしたい」という思いはずっとありました。ただ、現在のアート事業の核となる思想ができたのは、18歳から2年間過ごしたスペインでの経験が大きいです。
留学中にちょうどコロナ禍によるロックダウンが始まり、半年から1年ほど一人で自分と向き合う時間が続きました。そこで哲学を深める中で、一つの結論に至ったんです。死後の世界は「無」である。だからこそ、生きている間にしか感じられない「悲しみ」「喜び」「痛み」といった感情こそが生を象徴する特権なのだと。この「感性」や「感情」にフォーカスした事業をしたいと考え、帰国後にIT事業からアート関連事業へとピボットしました。
実績よりも「思想」で共鳴する。ステークホルダーとの関係性
――組織の運営において、メンバーやパートナーに求めていることは何ですか?
現在は僕を含めて3名のコアメンバーと、外部のプロフェッショナルで構成されています。僕が一番大事にしているのは「同じベクトルを向いていること」です。実力があるのは大前提ですが、価値観が合わないチームは必ず崩壊します。
僕が「右を向け」と言って右を向くような関係ではなく、僕が描く思想に共感し、各々が「自分の事業だ」という熱量を持って試行錯誤してくれる状態が理想です。仲良しグループではなく、同じ未来を目指すプロフェッショナルな集団でありたいですね。
――クライアントやスポンサー企業も、その熱量に共感されているのでしょうか。
そうですね。特にBtoBの導入事業やアートイベントでは、デザイン性やセンス以上に「想い」で繋がっている感覚があります。例えば、ラグジュアリーホテルの方に「ただ宿泊客を迎えるだけでなく、アートを通してホテルの背景を伝え、お客様の感性を刺激しましょう」という提案をすると、非常に前向きな反応をいただけます。
今年の3月に開催した第1回のアートイベントでも、来場されたご夫婦が「こういう体験がしたかった」と言ってくださるのを目の当たりにし、僕たちの進んでいる方向は間違っていないと確信しました。実績がまだ少ないフェーズでは、この「思想の共有」こそが最大の武器になります。
日本から世界へ。10年後の未来図と譲れない価値基準
――今後の展望について、1年後、5年後、10年後というスパンで教えてください。
1年後は、現在のアートフェアの規模と導入実績を倍々に成長させ、事業の枠組みを強固にします。5年後には、「LAUNICA」とコラボすること自体がブランディングの価値になるようなブランドへと育て、自社製品の展開も進めたい。そして10年後には、日本での認知を盤石にした上で、ヨーロッパやアメリカの企業と組んで世界規模で感性を広げるプロジェクトを仕掛けていきたいです。
僕は常に「どっちの自分がかっこいいか」を判断基準にしています。迷ったときに、挑戦しない自分と、不安を抱えながらも突き進む自分。どちらがかっこいいかは明白です。会社をただ大きくすることよりも、僕の存在を通してどれだけ街や国を動かせたか、どれだけ「新しい日常」を創り出せたかということに、自分のアイデンティティを置いています。
音楽で気持ちを整える
――経営以外で情熱を注いていることはありますか?
今一番情熱を注いでいるのは「生きること」そのものです。日々、生きることで精一杯なんですよね。生きていく上でのいろんな感情であるとか、楽しむとか、いろんなところに行って価値を得るとか、体験をするっていうものは「生きること」につながると思うので全てに対して全力を注いでいます。
――最後に、読者の経営者や起業家の方々へメッセージをお願いします。
僕の会社のコンセプトの一つに「絶望と希望を忘れるな」というものがあります。これから起業を考えている方や、現状に悩んでいる方に伝えたいのは、挑戦に「不安」は付きものだということです。
不満を持ちながらその場に留まる人間になるか、不安を抱えながらも前へ進む人間になるか。新しいことを始める以上、先が見えないのは当たり前です。僕も今、大きな不安を抱えながら、全身全霊で進んでいます。皆さんも一緒に、不安を抱えながら、かっこいい未来を信じて生きていきましょう。