人と人がつながることで、事業はもっと前へ進める。Lumoraが描く「続く仕組み」のかたち
Lumora 代表 堀家 沙恵子 氏
ピアノ教室の運営を軸に、長年、個人事業として現場に立ち続けてきた経験から、新たな事業の立ち上げを進めている堀家氏。そこにあるのは、フリーランスや個人事業主、企業、そして地域をつなぎ、ひとりでは形にしづらい挑戦を支え合いながら前に進めていきたいという思いです。自らも多くの業務を一人で担い、困難や試行錯誤を重ねてきたからこそ見えてきた課題と可能性。今回は、Lumoraの現状とこれから、そして事業に込める価値観について伺いました。
目次
ひとりで抱え込まないために。Lumoraが目指す「つながる場」とは
——現在、Lumoraではどのようなことに取り組まれているのでしょうか。
もともとは個人事業主として20年ほど一人で仕事をしてきた中で、本当にいろいろな場面で困ることがありました。集客や事務的なこと、SNSの活用、日々の事務作業まで、全部を自分ひとりでやることになるので、一人で何役もこなす状態だったんです。
やりたいことがあっても、時間にも限りがありますし、自分の頭の中で整理できることにも限界がありますので、どうしてもできないことが出てきます。
そうした経験の中で、もし人と人が自然につながって、得意なことを持つ人同士が支え合える場があれば、もっと多くのことが形になるのではないかと思うようになりました。そこで今、Lumoraという形で、フリーランスや個人事業主、企業、地域がつながる場所をつくりたいと考えています。
現状はオンラインでの登録制コミュニティの運営も細々と行っている段階ですが、今後はより本格的に、そうしたつながりを支援できるような活動にしていきたいと思っています。
——どのようなビジョンを持って事業を進めていらっしゃるのでしょうか。
私が大事にしているのは、綺麗事で終わらせず、事業がきちんと回っていく形をつくることです。人と人がつながること自体はとても素敵なことですが、それだけで終わってしまうのではなく、実際に仕事として続いていくことが大事だと思っています。
経営者としては、事業が続く形にしていくことに責任があると思うんですね。そのためにも、一人で抱えるのではなく、できることとできないことを分けながら、たくさんの人とつながっていくことが必要だと感じています。
フリーランスの方にはすばらしいアイデアや専門性がありますし、企業には企業の強みがあります。さらに地域ともつながることで、新しい動きが生まれる可能性があります。そうしたものが補い合っていけば、個人にとっても地域にとっても、もっと良い流れができていくのではないかと思っています。
自分が欲しかった場所を、自分でつくる。代表自身の歩みと価値観
——Lumoraを立ち上げようと思われたきっかけを教えてください。
いちばん大きいのは、自分自身がそういう場所を求めていたからです。事業のことで困ったときに相談できる場や、自然につながれる場所がなかなか見つからないと感じていました。それなら自分でつくりたいな、というのが出発点でした。
これまで、イベントの企画もいろいろやってきましたし、マルシェも毎年のように開催してきました。その中でフリーランスの方とつながる機会も多く、皆さんそれぞれに悩みを抱えていらっしゃることも感じてきました。
全部自分でやっているからこその大変さがありますし、どうしたらいいのか分からないという声もよく聞いていました。私自身も長く個人事業を続けてきたので、ささやかな支援ではありますが、経営や運営についてお話しできることもあり、コンサルのような形で関わることもありました。
Lumoraは、最初はピアノ教室の経営に特化したコンサルとして動き始めたんです。ピアノ教室を個人で運営している先生方に対して、私自身の経験をお伝えできると思ったからです。ただ、そこから少しずつ、教室という枠だけではなく、もっと業種を広げていきたいと思うようになりました。今は、その方向に広げている段階です。
——経営判断をするうえで、大切にしていることは何でしょうか。
私は〝直感〟をとても大事にしています。ただ、違和感が少しでもあったら動きません。やってみたいと思ったことに対しては、自分の直感を信じて動いてきました。
何か新しいことを始めようとすると、家族や周りから反対や心配をされることもありました。でも、やろうと思えば何でもできると私は思っているんです。
もちろん、うまくいかなかったことがなかったわけではありません。ただ、それも経験として受け止めて、その先をどう変えていくかは自分次第だと思っています。ずっと良い状態ばかりではありませんでしたし、人生も、事業もいろいろあります。それも自分の人生の一つだと思うので、何かを決めるときは、自分自身の感覚を信じることを大切にしています。
育ってきたチームに支えられて。今見えてきた次の挑戦
——現在の組織運営や、チームとの関係についてはいかがですか。
私自身は今も現場に立ちながら仕事をしていますが、これまで続けてきた教室事業のほうでは、講師陣、事務秘書、みんなでチームで動いている状態です。
以前はどうしても自分が中心になって動くことが多かったのですが、だんだん従業員が育ってきてくれて、私がいない状態でもしっかりやってくれるようになってきました。
これまでLumoraの構想は2年ほど前からありましたが、別事業のほうが忙しく、なかなか動けていませんでした。今、少しずつ周りの方が支えてくださる体制ができてきたことで、ようやく自分の中でも新しいことに向き合える余白が生まれてきました。
——今後、Lumoraとして挑戦していきたいことを教えてください。
まずは企業の方々とつながっていきたいと思っています。関西を中心に考えてはいますが、関西に限らず、こうした取り組みに興味を持ってくださる方とご一緒できたらうれしいです。
そのためにも、まずは自分の思いをきちんと発信していくことが必要だと思っているので、インタビューや掲載の機会を通じて、自分の頭の中にあるものを外に出していきたいと考えています。
場所をつくるというより、まずはオンライン上での発信を通じて、考え方や思いを届けていきたいです。時間はかかると思いますが、動かなければ始まらないと思っていますので、少しずつでも前に進めていきたいですね。
家族との時間が、仕事を前へ進める力になる
——リフレッシュ方法や、仕事以外で大切にしていることはありますか。
旅行ですね。家にいるとどうしても仕事をしてしまうので、休みの日は家にいないようにしています。主人と二人で出かけることが多いです。いちばん理解してくれているのは家族だと思っていますし、家族との時間は本当に大事にしています。その時間が充実すると、仕事もうまくいくんです。
出かけるときは、地図を開いて、行きたい場所を見つけたらそこへ行くということもあります。おいしいものを食べたり、少し非日常的な時間を過ごしたりしながら、リフレッシュしています。
結局はその間もいろいろ考えてはいるのですが、そうやって少しずつ整えている感じですね。ぼーっとすることも大事だと思っていて、携帯を見ないようにしようと思うこともあるのですが、やはり気になって見てしまいます。それでも、意識して仕事から少し離れる時間を持つことは大切にしています。
人との時間も、自分の時間も、どちらも整っているからこそ、仕事は自然と“続く形”になるのだと思っています。