嘘やごまかしのない姿勢で、不動産の価値を届ける――ライズ・ステージが大切にする信頼と挑戦
ライズ・ステージ株式会社 代表取締役 天王寺谷 亮氏
ライズ・ステージ株式会社は、宝塚市の中山寺エリアを拠点に、不動産の仲介業や買取業などを展開する会社です。路面店で地域に根差した営業を行いながら、新築マンション販売の下請けにも取り組んでいます。大手には難しい臨機応変な対応を強みに、一人ひとりの顧客と丁寧に向き合ってきました。本記事では、代表取締役の天王寺谷亮氏に、事業の特徴や経営に対する考え方、組織づくり、今後の展望などについて伺いました。
小さな不動産会社だからこそできる柔軟な対応
――現在取り組まれている事業内容について教えてください。
当社では、不動産業を営んでいます。宝塚市の中山寺で路面店を構え、仲介業と買取業をメインに、新築マンションの販売に関わる下請け業務なども手がけています。地域のなかでお客様と直接向き合いながら、不動産に関するさまざまな相談に対応している会社です。
――他社にはない強みはどのような点にありますか。
私自身が宝塚市の出身であり、地元だからこその密着性を強みとしています。また、小さな会社だからこそ、大手にはできない柔軟な対応ができる点もポイントです。
たとえば不動産の買取では、所有権を当社に移したあとも、すぐに退去していただくのではなく、無償で一定期間そのまま住んでいただき、納得できる住まいに移っていただけるよう配慮したこともありました。また、本来は相場変動の観点から難しいとされる半年後や1年後の買取にも対応するなど、一般的な枠にとらわれないご提案が可能です。そうした臨機応変さも、当社の強みだと感じています。
――会社名に込められた想いを教えてください。
社名である「ライズ・ステージ」には、創業当初から変わらない想いがあります。
「ライズ」は上昇、「ステージ」は今いる段階や立ち位置を意味しており、私たちと出会い、お話しし、関わっていただくことで、少しでも前向きに次の段階へ進められるような存在でありたいと思っています。そしてそれは、不動産の取引に限ったことではありません。必要に応じて事業者の紹介なども含め、何かしらプラスの変化を感じていただけるような会社づくりを徹底していきたいと考えています。
「ライズ・ステージと出会えてよかった」と言っていただけることが、私たちの目指す姿です。
自分の信じる営業を形にするために独立
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともとはマンションデベロッパーに勤めており、自社で開発したマンションを販売する営業に携わっていました。私はその仕事にやりがいを感じていましたし、自分たちが扱う商品にも自信はありました。
ただ、その業界では「自社の物件しか販売できない」という前提があり、お客様にとって別の選択肢のほうが合っていると感じた場合でも、自社商品に導く営業をしなければならないケースもあったんです。そのやり方に対して、自分のなかでどこかしっくりこないものがあり、「自分で事業を立ち上げれば、中古物件も紹介できるし、知り合いの新築マンション業界にもつなげられる。お客様にとって本当に合う選択肢を提示できるようになるのではないか」と考え、今の道に進みました。
――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。
根底にあるのは、「ビジネスは人と人」という考え方です。会社同士の取引であっても、結局は人と人との関係が大切だと思っています。たとえば、新築マンション業界の知り合いから「手伝ってほしい」と声をかけられたときには、もちろん会社の状況は見ますが、できる限り協力したいと考えています。
また、宝塚という自分の地元に対して恩返しをしたいという気持ちもあり、他社が難しいと断った物件でも、できる限り頑張って対応したいと思っています。
実際には、そうした判断が短期的には失敗になることもありますが、感謝の言葉をいただいたり、その後の紹介につながったりすることがあったのも事実です。目先の損得だけでは測れない価値が、そこにはあると感じています。
徹底するのは「嘘やごまかしのない姿勢」
――組織づくりで意識していることはありますか。
私は、細かく指示を出すタイプではありません。今いるメンバーも、先輩や後輩など以前からつながりのある人が多く、言わずとも理解してくれる関係性ができている部分があります。
そのなかで強く伝えているのが、「嘘やごまかしだけはやめよう」ということです。これは、私が最初に入った会社の社長から強く言われた言葉でもあり、当社としても一貫して大切にしている姿勢です。
私自身、以前の職場では、「上司への報告のための報告書」をつくるようなことをしていた時期がありました。その結果、お客様に迷惑をかけてしまった経験もあります。だからこそ、自分の会社ではそうしたことが起こらないようにしたい――都合のよい報告書をつくるのではなく、事実をきちんと共有することを徹底するのが、お客様とだけでなく、社内メンバー同士の信頼構築にもつながると考えています。
挑戦を止めず、不動産業界のイメージを変えていく
――今後取り組んでいきたい挑戦について教えてください。
今は不動産の仲介や買取、リフォームを実施しての再販など、いわゆるショット型のビジネスを中心としており、現状はうまくいっていますが、資金面の状況によっては、同じように勝負し続けるのが難しくなる局面もあるかもしれません。そこで今後は、収益マンションを保有するなどして、安定的な収益基盤も持ちたいと考えています。
社員に給与を支払えないような状況は避けたいですし、堅実な土台があるからこそ、また新たな挑戦もできます。将来的には、自分たちで開発を手がけ、事業主・売主として事業を行っていくことも目標の一つです。段階を追いながら進めていきたいと思っています。
――目標実現のためにはどのようなことを行っていますか。
特別な施策というほどではないかもしれませんが、やはり多くの人に会うことを大事にしています。不動産はBtoCが中心ではあるものの、家を買う人も売る人も、誰にでも関わる可能性があるものです。だからこそ、いろいろな場に顔を出して私という人間を知って、覚えていただき、そのなかから紹介につながるような関係を築いていきたいと思っています。
――業界の今後についてはどのように見ていますか。
AIの進化によって、不動産業界でもより効率化が進んでいくと思います。事実、たとえば査定書づくりでも、AIによる価格算出を活用しながら、自分たちの判断を合わせて提案するようなことができるようになっています。
一方で、営業という仕事は最後まで人と人のものだとも思っています。価格や条件だけでなく、お話ししているなかで心が動いたときに、購買意欲が生まれることもあるでしょう。そこは、AIに置き換えられない部分ではないでしょうか。
また、不動産業界に対してまだ悪いイメージを抱いておられる方も少なくないとも感じています。私自身も、過去には強いクロージングをかける営業も経験してきました。だからこそ、そうしたブラックなイメージを少しでもなくしていける会社にしたい、そして業界全体としても、より健全なものを目指していきたいと考えています。