100年後の世界を見据えて――株式会社L by Tが挑む本質的な成長支援とアスレジャーブランド創出
株式会社L by T 代表取締役社長 岡田健史氏
株式会社L by Tは、コンサルティング事業とスポーツアパレル事業の二つを柱に展開する企業です。成長企業の課題解決に伴走する一方で、自社ブランド「Engross」を通じて、新たな市場づくりにも取り組んでいます。その背景には、岡田健史氏が長年のキャリアを通じて培ってきた経験と、日本の経済成長に対する強い危機感がありました。本記事では、創業の動機や事業の特徴、今後の展望、そして経営にかける並々ならぬ思いについて語っていただきました。
目次
成長企業の課題に向き合うコンサルティングと、自社ブランドの挑戦
――現在の事業内容について教えてください。
当社は大きく二つの事業を展開しています。一つは主力であるコンサルティング事業です。スタートアップから大手企業まで、成長過程で直面する課題を特定し、解決に向けて伴走する「パートナー」として位置づけています。新規事業開発、マーケティング、営業、組織開発まで、戦略立案から実行、改善までを一気通貫で支援しているのが特徴です。
企業が成長する過程では、戦略が描けない、期待される時間軸で伸びきれていない、事業開発のリソースが足りない、急成長に組織が追いついていないといった課題が次々と生じやすくなります。そうした詰まりやすいボトルネックを的確に捉え、突破するための支援を行っています。現在の主力事業もこのコンサルティング事業です。
もう一つがスポーツアパレル事業です。自社ブランドを展開し、運動時の機能性と日常のファッション性を兼ね備えた、高品質なアクティブウェアを提供しています。運動習慣のあるビジネスパーソンなどに向けて、スポーツとファッションが融合するハイエンドゾーンでブランドを育てています。
――コンサルティング事業では、どのような企業からの相談が多いのでしょうか。
BtoCとBtoBが半々に近い構成です。BtoCではヘルスケア領域、特に女性の健康や美容に関わる商品を扱う企業の支援が多く、BtoBでは、マーケティング領域やHR領域のSaaS企業、さらに広告代理店やSEO、SNSなどを手がけるマーケティング支援会社からの相談を多くいただいています。
前職でデジタルマーケティングに強みを持つ上場企業に長く在籍していた経験があり、その知見を評価いただいて声をかけていただくケースも少なくありません。過去の経験と親和性の高い領域で、実践的な支援をしているのが当社の特徴です。
20年のキャリアを経て選んだ創業の道
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
創業の動機は、大きく二つあります。一つは個人的な動機、もう一つは社会的な意義です。
私は前職のセプテーニグループに20年間在籍し、事業の立ち上げからメガベンチャーへと成長する過程、そして役員として大規模な組織マネジメントまで、あらゆるフェーズを経験させてもらいました。
その中で常に感じていたのは、「お客様にとって本質的な価値とは何か」という問いです。組織が大きくなると、大組織ならではの力学や予算規模を前提としたビジネスが中心になり、純粋な「本質的価値の提供」との間にジレンマを覚える瞬間もありました。
会社の看板や肩書きを外し、個人の力で市場と対峙したとき、自分はどこまで通用するのか。お客様とより深く、血の通った関係性を築きながら価値を届け直したいという渇望が強くなり、独立を決意しました。
もう一つの社会的な動機として、日本の経済成長に対する強い危機感があります。日本が再び国際競争力を高めていくには、世界で勝負できるユニコーン企業を次々と生み出していくことが不可欠です。まずはコンサルティング事業を通じて成長企業を強力に後押しし、日本を再び元気にするための原動力になりたいと考えています。
少数精鋭の組織で、二つの事業を育てていく
――現在の組織体制について教えてください。
現時点では15名程度の少数組織で、各領域のプロフェッショナルである業務委託メンバーを中心に事業を展開しています。今後は一部メンバーの正社員化も検討しており、正社員が数名加わる体制へ移行していく予定です。まだ大きな組織ではありませんが、その分、機動力を持って事業を進めています。
――現在直面している課題はどのようなものでしょうか。
大きな課題は、コンサルティング事業と自社ブランド事業の両方を並行してスケールさせるための「リソース配分」と「組織化」です。現状では、それぞれの事業の判断や推進がどうしても私に集中しがちで、、いわゆる創業者ドリブンの限界を感じています。これを乗り越えるためには、暗黙知を仕組み化し、チームで再現できる「仕組み」へと昇華させる必要があります。
そのために勝ちパターンの「型化」や人材育成への投資はもちろん、社内だけで完結できない領域については外部パートナーとの強固な連携を進めています。
個人のマンパワーに依存するのではなく、組織全体としての力学を効かせることで、両事業の非連続な成長を実現していきたいと考えています。
国内を代表するブランドへ、そして日本の再成長を支える存在へ
――今後の展望についてお聞かせください。
コンサルティング事業では、当社が支援する企業の中から、将来の社会を担う企業や、日本の成長を後押しする企業を数多く生み出していきたいと考えています。ユニコーン企業の創出を支援できる存在になることも、大きな目標の一つです。
スポーツアパレル事業では、国内を代表するブランドへと育てていきたいと考えています。将来的には、アジアを中心とした海外展開や、スポーツイベントへのスポンサードシップ、アスリートのセカンドキャリア支援など、スポーツビジネス全体へ広げていく構想もあります。現在はECを中心に販売していますが、今後はポップアップストアなどリアルな接点も増やし、認知拡大につなげていく方針です。
――最後に、これから起業する方や経営者の方へメッセージをお願いします。
私自身、長く企業経営に携わってきた立場から40代で独立し、改めて挑戦の真っただ中にいます。何歳になってもチャレンジはできると思っていますし、今は以前よりも起業しやすい環境が整っているとも感じています。
一方で、日本はまだスタートアップの数が十分とはいえず、海外と比べても成長の勢いに課題があります。だからこそ、何かをやりたいと思っている方には、まず一歩を踏み出してほしいです。バッターボックスに立たない限り、その先の景色は見えません。私自身も挑戦者の一人として、日本経済の再成長を支える存在になれるよう、これからも歩み続けたいと思っています。