生きる力を育む教育とは何か――「選ばれる人生から選ぶ人生」へ導く挑戦

一般社団法人星のかけら 代表理事 山下 未穂氏

現代社会において、子どもから大人まで「どう生きるか」という問いに向き合う機会は決して多くありません。情報があふれ、選択肢が増えた一方で、自らの意思で人生を選び取る力が弱まっているとも言われています。そうした中、「選ばれる人生から選ぶ人生へ」というテーマのもと、独自の教育事業を展開しているのが一般社団法人星のかけらです。本記事では、代表の山下未穂氏に、事業の背景や特徴、そして今後の展望について伺いました。

生きる力を育てる独自の教育事業

――現在の事業内容について教えてください。

私たちは「選ばれる人生から選ぶ人生へ」というテーマで活動しています。私自身が10歳の頃から考え続けてきた「生きるとは何か」「死とは何か」という問いと、警察官としての経験から得た知見をもとに、心を守る力だけでなく、実際に生き抜くための判断力や危険回避の力などを伝えています。

戦争や災害といった現実がある中で、本当に必要なのは「生き抜く力」です。それは感情面だけでなく、瞬時の判断や状況把握といったスキルも含まれます。そうした要素を掛け合わせた教育を行っています。

もともとはボランティアとして活動しており、警察官を退職後、ライフプランナーとして働く傍ら継続してきました。それを形にしたのが現在の事業です。

――事業の成り立ちについて教えてください。

子ども向けの活動がきっかけでした。実は「生きる力合宿」という取り組みは3代にわたって続いており、子どもたちを預かり、たくましく育てて送り出す活動をしてきました。そこに未来を描くワークなどを組み合わせ、教育として体系化していきました。

その後、「大人向けの講座はないのか」という声をきっかけに、大人向けプログラムが生まれました。大人自身が自分の人生を語れない状態では、子どもと向き合うことも難しいと感じたからです。さらに企業からの要望を受け、現在は企業研修としても展開しています。

営利ではなく「届けること」を優先する理由

――一般社団法人という形を選ばれた理由を教えてください。

当初は株式会社という選択肢もありましたが、活動を進める中で「多くの人が関わる形」が自然とできていきました。お金を目的とするよりも、「やりたい」という想いで集まる人たちと共に広げていく方が、この活動には合っていると感じたんです。

特に子ども向けのコンテンツについては、商材として縛らず、誰でも使える形にしています。仮に受講者がそこから収益を得たとしても、こちらには一切入らない仕組みです。それは「一人でも多くの命を救いたい」という想いが根底にあるからです。

経済的な事情に関係なく、必要な人に届く形を考えた結果、営利型にはしないという選択に至りました。その代わり、大人向けの講座や企業研修によって法人運営を支えています。

誰もが「生き方」を語れる社会へ

――提供しているプログラムの特徴を教えてください。

前半では自己理解やセルフコントロールなど、内面を整える内容を扱っています。後半では、情報を見極める力や判断力、決断力といった実践的なスキルを学びます。

現代は情報が多すぎて選べない時代です。その中で何を信じ、どう決断するかが重要になります。また、表面的なキャリア教育ではなく、「自分はどう生きたいのか」という本質的な問いに向き合うことを大切にしています。

――子どもたちの反応はいかがですか。

子どもたちは想像以上に深く考えています。「なぜ生きるのか」という問いにも、自分なりの答えを持っています。大人が思っている以上に、子どもは成熟していると感じます。

参加するのは特別な子どもだけではなく、ほとんどがいわゆる「普通の子どもたち」です。ただ、進路に悩んだり、夢を語れなかったりと、それぞれに葛藤を抱えています。その根本にあるのは、「生き方」を考える機会の不足だと思います。

柔軟性を重視した組織と今後の展望

――今後の展望について教えてください。

私は10歳の頃から人生設計を描いていて、40歳から60歳までは「生きることを伝える」と決めてきました。現在の活動もその一環です。

今後も特定の形にこだわらず、関わる人の「助けてほしい」という声に応えられる組織でありたいと考えています。研修もすべて個別対応で、その人たちに必要な内容を提供しています。

また、代表である私に依存しない組織を目指しています。誰もが理念を語れ、誰が代表かわからないくらいフラットな状態が理想です。「星のかけら」という名前の通り、一人ひとりが欠けているからこそ、より強く、そして美しく輝ける存在であり、集まることでいつか誰かを感動させる星空を創れると信じ、そんな組織を目指しています。

認知拡大と経営の課題

――現在の課題について教えてください。

大きな課題は認知の拡大です。これまで口コミや紹介を中心に広がってきましたが、SNSなどを活用した発信は十分にできていません。

コンテンツ自体は整っているものの、それを必要な人に届ける手段が不足しています。また、講師の育成も重要な課題です。私一人では対応できる範囲に限界があるため、同じ理念を持った人材を増やしていく必要があります。

これから挑戦を始める経営者へ

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

起業するのであれば、社会課題を解決したいという強い想いが必要だと思います。そうでなければ、あえて起業する必要はないかもしれません。

企業は誰かに愛され、応援されて初めて続いていくものです。そのためには、経営者自身の想いやストーリーが重要になります。どんな時代でも、人が共感するのは「人」です。

また、経営者は孤独になりがちですが、軸がぶれないことが何より大切です。利益だけを追うのではなく、自分の理念や在り方を見失わないこと。そのために必要であれば、私たちが整えるサポートもできます。

競争ではなく、共に支え合いながら社会を良くしていく。そんな企業同士の関係が増えていくことを願っています。

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