飲食業界の未来を変える――“幸せに働ける環境”を追求するmmyBaseの挑戦
株式会社mmyBase 代表取締役 髙橋 佑介氏
株式会社mmyBaseは、飲食業界における労働環境の改善と新たなビジネスモデルの構築を目指す企業です。長年飲食業界に携わってきた経験をもとに、店舗運営に加え、通販やテイクアウトなど席数に依存しない売上づくりにも注力しています。近年ではOEM商品開発や業界支援にも取り組み、飲食業界全体の価値向上を目指した事業を展開しています。本記事では、代表取締役の髙橋 佑介氏に現在の取り組みや経営の考え方、今後の展望について伺いました。
飲食業界を変えたい――原点にある強い想い
――現在の事業内容について教えてください。
結論から言うと、飲食業界を良くしたいという想いで事業を行っています。中国料理からキャリアをスタートし、20年近く飲食業界で働いてきました。その中で感じてきたのは、労働環境の厳しさです。
個人事業としてラーメン店を立ち上げた際、売上は非常に好調でしたが、労働環境は決して良いものではありませんでした。小さな店舗ほど、そのような環境で苦しんでいる人が多いと感じています。
だからこそ、売上をしっかり上げながらも労働環境を整え、飲食業界で働く人たちがもっと幸せになれる仕組みを作りたい。その想いから法人化し、株式会社mmyBaseを立ち上げました。
――他社にはない強みや特徴について教えてください。
まず、料理の面では、中国料理出身であることが大きな強みです。東京ドームホテルやミシュランを取得している店舗での経験があり、高級中国料理の技術をベースにしたラーメンを提供しています。
もう一つの大きな特徴は、店舗の席数に依存しない売上構造です。通販やテイクアウトといった「席以外の売上」を強化しており、この点は他店と比べて大きな差別化になっています。
これにより、休みを増やしても売上が成立する仕組みづくりを進めています。飲食業界の働き方を変えるために、スタッフと一緒に取り組んでいる部分です。
理念は「飲食業界に関わるすべてを幸せに」
――理念やビジョンについて教えてください。
理念は「飲食業界に関わるすべてを幸せにすること」です。
ビジョンとしては、自社の通販モールを作りたいと考えています。自社の通販サイトはすでにありますが、そこにとどまらず、小さな飲食店が集まるモールを構築したいと思っています。
飲食業界は横のつながりも縦のつながりも非常に強い業界です。その中で、通販を活用することで、新しい売上の形や働き方を生み出すことができます。
つながりを広げながら、想いのこもった料理を届ける場としての通販モールを実現したいと考えています。
――経営判断の軸となる価値観について教えてください。
まだ確立されたものがあるわけではありませんが、本を読む中で影響を受けています。特に経営に関する書籍から学び、自分なりの軸を作っている段階です。
その中で大切にしているのは「お客様第一」です。お客様がいなければ事業は成り立ちません。また、働いてくれるスタッフの存在も同様に重要です。
スタッフに対しては、もしもう一度就職活動をする機会があったとしても「またこの会社で働きたい」と思ってもらえるような環境を目指しています。自分自身も、同じスタッフをもう一度採用したいと思える関係性を築くことを意識しています。
“見える経営”が生む信頼と主体性
――社内コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
徹底して「見える化」を行っています。役員報酬も含め、会社の数字はすべて公開しています。
インセンティブ制度についても、全員で食事をしながら話し合い、「どの数字を達成したらどう分配するか」を一緒に決めています。売上や利益、会社に残っている資金などもすべて共有しています。
このように情報をオープンにすることで、全員が経営に参加する意識を持てるようにしています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
ポジティブで真面目な人です。飲食業は決して楽な仕事ではありません。その中で前向きに取り組める人、そして誠実に仕事と向き合える人と一緒に働きたいと考えています。
新たな挑戦と業界支援への展開
――今後取り組んでいきたい挑戦について教えてください。
現在、OEMで商品開発を進めています。一つは薬膳スープ、もう一つは店舗の名物である「よだれ鶏」の缶詰です。
薬膳スープは、高血圧といった健康課題に向けた商品として開発しています。塩分を抑えながらも美味しさを追求し、1食置き換えることで健康的な食生活に寄与できるものを目指しています。
もう一つの取り組みは、飲食業界への支援です。自身の経験として、火災による店舗の全焼という出来事がありましたが、その際にクラウドファンディングや助成金を活用し、再建を実現しました。
その過程で得たノウハウやネットワークを活かし、これから新規出店を目指す方や課題を抱える飲食店のサポートを行っていきたいと考えています。
――現在向き合っている課題について教えてください。
人材の問題です。スタッフの育成や、将来的に自分が現場から離れるための体制づくりが課題になっています。
自分自身がラーメンを作り続けるのではなく、他の人に任せていく必要がありますが、技術やこだわりの継承は簡単ではありません。
そのためにも、店舗以外の売上を伸ばし、自分の時間を作ることが重要だと考えています。まずは自分がそのモデルを体現していきたいと思っています。
経営の醍醐味とは何か――社会に価値を届ける喜び
――経営を通じて実現したいことや、大切にしている想いを教えてください。
経営はとても楽しいものだと思っています。生まれ変わっても経営に携わりたいと思うほどです。
自分自身、スタッフや周囲の人に対して「こうしたらもっと良くなるのではないか」と考えることが多く、その積み重ねが社会貢献につながると感じています。
会社を経営するということは、社会から信用を得て活動する立場になるということです。その中で、たとえ小さくても「この会社があってよかった」と思ってもらえる存在になることが大切だと考えています。
まずは一つでも社会の役に立つことを実現する。その結果として、価値が認められれば、売上や利益は後からついてくるものだと思っています。