トレーラーハウスで地域防災に貢献――災害協定と信頼で広がる新たな可能性

株式会社KAZオートワークス 代表取締役 山岸一雄氏

トレーラーハウスの販売事業を展開する株式会社KAZオートワークス。災害時の活用を見据え、自治体と連携した取り組みを進めている点が大きな特徴です。販売を通じて地域の防災力向上に貢献するという独自の視点のもと、事業を拡大しています。本記事では、創業の経緯から事業の強み、今後の展望まで、代表の山岸一雄氏に話を伺いました。

防災と連携するトレーラーハウス事業の特徴

――現在取り組まれている事業の特徴について教えてください。

トレーラーハウスの販売事業を行っています。

特徴としては、単に販売するだけでなく、自治体と連携した防災の取り組みも進めている点です。トレーラーハウスは災害時にも活用できるため、そういった用途も含めて提案しています。

販売を行いながら、防災という観点での活用も広げていきます。そうした取り組みを行っているのが特徴です。

――他社にはない強みはどのような点でしょうか。

自治体と災害協定を結んでいる点は大きな強みだと思います。徳島県に加えて、市町村とも複数の団体と協定を結んでおり、ここまで具体的に連携しているケースは多くはありません。そういった実績を積み重ねることで、信頼性を高めていきたいと考えています。

また、購入いただいたお客様にも、地域の市町村と災害協定を結んでもらうことで、その地域の備えにもなりますし、お客様自身の取り組みとしての発信にもつながると思っています。

防災備蓄を広げるという考え方

――事業を通じて実現したいことや、どのような思いで取り組まれていますか。

トレーラーハウスの販売を通じて、一般の方や企業が導入することで、地域全体の防災備蓄が増えていくと捉えています。それによって、結果的に県に貢献できるという思いで取り組んでいます。災害はいつ起こるかわからないため、日常の中で備えを増やしていくことが重要です。

事業立ち上げの背景と経営判断の軸

――起業のきっかけについて教えてください。

もともとは2022年頃に、沖縄で同じような事業をしている友人の手伝いをしたのがきっかけです。最初は手伝いという形で関わっていました。

その中で、徳島県と災害協定を結ぶ話があり、友人の会社を通じて進めていたのですが、「県内の事業者の方が望ましい」という意向があったんです。

それなら自分でやろうと思って、会社を立ち上げました。年齢的にも、今やらないと難しいかなという思いがありました。

――経営の中で大切にしている考え方を教えてください。

一番は、お客様からの信頼を得ることです。トレーラーハウスは販売だけで終わってしまう会社も多いのですが、それではお客様にとって不安が残ります。

そのため当社では、設置に必要な接続や工事も含めて、できるだけワンストップで対応するようにしています。お客様に手間をかけないことはもちろんですが、不具合が起きた際にも一貫して対応できる体制にしておきたいという考えからです。

工事が分かれてしまうと、どこに原因があるのか分からなくなることもあります。だからこそ、最初から最後まで責任を持つ。「売って終わり」ではなく、その後まできちんと対応することが、信頼につながると思います。

信頼関係を軸にしたパートナーシップ

――業者とのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。

やはり大切にしているのは、信頼関係です。こちらが依頼した仕事をきちんとやってもらうことはもちろんですが、期日を守ることや、最初に提示いただいた見積もり通りに施工していただくことなど、基本的な約束ごとをしっかり守ることを重視しています。

特別なことではありませんが、そうした一つひとつの積み重ねが信頼につながると思っていますし、その関係性を大切にしていきたいと考えています。

――今後、人材を採用する場合に重視するポイントはありますか。

販売自体は一人でも対応できますが、輸送の場面ではどうしても人手が必要になります。そのため、そういう時に任せられる、頼れる人がいることは重要だと感じています。

一方で、今はコンプライアンスの面でもいろいろと難しい時代なので、人を採用すること自体にも慎重さが必要です。誰でもいいというわけではなく、そのあたりはしっかり見極めていかないといけないと考えています。

自治体とともに広げる今後の展開

――今後の展望や課題について教えてください。

現在、トレーラーハウスを活用した防災ネットワークの構築を目指し、各自治体との災害時応援協定の締結を強力に推進しています。

実績として、昨年3月6日の徳島市を皮切りに、6月6日に藍住町、本年1月27日に板野町と協定を結びました。さらに3月27日には「日本RVトレーラーハウス協会」として徳島県とも締結を果たし、5月には12日に鳴門市、25日に北島町と、着実にその輪が広がっています。直近の6月から7月にかけても、松茂町や小松島市との協定締結を予定しております。

今後の展望としては、徳島県内にとどまらず、兵庫県神崎郡市川町を筆頭に、淡路島、さらには兵庫県全域へと災害時応援協定の動きを拡大していきたいと考えております。

また、具体的な取り組みとして、自己処理型トイレを備えたトレーラーハウスを各市町村へ配置することや、JFA(公益財団法人日本サッカー協会)と連携し、スタジアムでの防災教育へ活用することなどを自治体へ提案しています。防災という確固たる観点から、より多くの場所でトレーラーハウスが「動く防災拠点」として活用される社会をつくっていくことが私たちの目標です。

約束を守るという信念

――経営において譲れない考えは何でしょうか。

ある程度は柔軟に対応することも大切だと思っていますが、やはり約束を守らないことだけは避けなければいけないと考えています。

これまで自動車の営業をしていた経験もあるのですが、信頼できない相手に販売してしまうと、その後にトラブルになることも多く、結果的に大変な思いをすることになります。

だからこそ、相手が誰であっても信頼できる関係性を大切にすること、そして約束をきちんと守ること。この2つは、経営をしていく上で譲れない部分だと思っています。

――休日の過ごし方について教えてください。

スノーボードをすることが多いですね。徳島でも山間部では雪は降るのですが、普段は兵庫県まで行って滑っています。

長く続けている趣味で、試合に出たりもしています。シーズン中はもちろんですが、オフシーズンも体力づくりをしながら、次のシーズンに向けて準備しています。

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