地域インフラを支える運輸と資材事業――進光運輸が描く次世代への展望
有限会社進光運輸 代表取締役社長 中村徹氏
有限会社進光運輸は、建設資材販売と建設発生土の中間処理を主軸に、運搬事業まで一貫して手がける企業です。地域の建設インフラを下支えする存在として事業を展開する同社は、現在、世代交代のタイミングを迎えています。本記事では、代表取締役社長に就任した中村徹氏に、事業の特徴や経営の考え方、今後の展望について伺いました。
建設現場を支える多角的な事業展開
――現在の事業内容について教えてください。
主な事業は建設資材の販売と建設発生土の中間処理です。資材販売では、工事に使用する路盤材や、学校のグラウンドに使われるマサ土、生コンに混ぜる砂などを取り扱っています。また、工事現場で発生する残土を受け入れ、最終処分場へ運搬したり、リサイクルしたりする中間処理も行っています。
――運搬事業についても教えてください。
大型ダンプトラックを用いて骨材の運搬も行っています。10t車や4t車を使い、生コン業者や骨材業者へ資材を届け、その運賃を得ています。さらに、産業廃棄物のガラなどを処分場へ運ぶ業務も担っています。
――主な顧客層はどのような企業でしょうか。
大手ハウスメーカーを中心に、造園業者や舗装会社など幅広いお客様と取引しています。住宅建設において土を供給する場合もあれば、逆に不要となった土を引き取る場合もあり、現場の状況に応じて柔軟に対応しています。
家業を継ぐ決意と現場での積み重ね
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
大学生の頃、祖父から「長男が継がなければ誰が会社を見るのか」と言われたことがきっかけです。それまでは継ぐつもりはありませんでしたが、その言葉で意識が変わりました。最終的に決意したのは大学3年生の頃で、就職活動を始めるタイミングでした。
――入社までの経緯についてはいかがですか。
当初は他社で経験を積んでから戻るつもりでしたが、祖父から反対されました。まずは現場で必要な資格を取得し、経験を積むべきだという考えでした。経験のないままでは誰もついてこないという思いがあったのだと思います。
――入社後の印象はいかがでしたか。
正直に言うと、最初は楽な道だと考えていましたが、その認識はすぐに変わりました。社長の息子という立場から、努力しても評価されにくく、それが当たり前だと見られる環境でした。その中で結果を出し続けることの難しさを実感しました。入社から約10年、現場と経営の両方を経験し、今年4月から代表取締役を務めています。
若手採用と組織の若返りへの挑戦
――現在の組織と課題について教えてください。
社員は22名で、多くが40代以上です。業界全体でも高齢化が進んでおり、事故や健康面のリスクも考慮すると、若手の採用と育成が急務だと感じています。
――採用戦略についてはどのように考えていますか。
特にドライバーの採用が大きな課題です。従来の求人手法では高齢層の応募が多く、思うような成果が出ませんでした。今後はドライバー専門の求人サイトの活用を検討しています。人数目標を決めるのではなく、社風に合う若手がいれば積極的に採用していきたいと考えています。
――事業拡大に向けた具体的な取り組みはありますか。
現在はダンプトラックの台数が不足しており、一部を外注していますが、利益率が低い状況です。自社車両と人材を増やすことで外注を減らし、利益率の向上を目指します。段階的に車両と人員を増やし、安定した体制を築いていきたいです。
若手社長としての強みと組織づくり
――若手経営者としての強みはどこにありますか。
この業界では30代の社長は少なく、それ自体が差別化になっています。顧客との関係構築においてもプラスに働いていると感じています。また、業界のイメージを変えるため、従業員には笑顔での対応を徹底しています。
――社員との関係性について教えてください。
社員の多くは父の代からの付き合いで、私にとっては年上ばかりです。普段はフラットな関係で接していますが、対外的な場面ではしっかりとした対応を心がけています。状況に応じたコミュニケーションの切り替えが大切だと考えています。
将来の展望と新規事業への構想
――今後の展望についてお聞かせください。
まずは既存事業の拡大を優先し、体制を強化することが重要です。そのうえで余力ができれば、新規事業にも取り組みたいと考えています。具体的には、自動車関連事業などを検討しています。保有している土地を有効活用できる点もあり、可能性を感じています。
――プライベートでのリフレッシュ方法はありますか。
趣味はゴルフで、休日には楽しんでいます。また、家族と過ごす時間も大切にしており、子どもとの時間が良いリフレッシュになっています。
――最後に、経営者へのメッセージをお願いします。
経営は決して楽なものではなく、孤独な立場でもあります。365日仕事と向き合う覚悟が求められますし、自分の判断が従業員の生活に直結する責任があります。決して甘い世界ではありませんが、その分やりがいも大きいと感じています。