PRの力で“埋もれた価値”を社会へ届ける――フロントステージが描く未来と挑戦
株式会社フロントステージ 代表取締役 千田 絵美氏
企業やサービス、人にはそれぞれの魅力があります。しかし、その価値が十分に伝わらず、必要としている人へ届いていないケースは少なくありません。株式会社フロントステージは、企業の外部広報室として広報・PR活動を支援するPRエージェンシーです。創業から10年を迎える今、同社は「メディアから信頼されるPRエージェンシー」を掲げながら、広報・PRの価値を広く伝える活動にも力を注いでいます。今回は、千田絵美氏に事業への想いや今後の展望について伺いました。
目次
企業の外部広報室として、価値を社会へ届ける
――現在の事業内容について教えてください。
当社は企業の外部広報室として、さまざまな企業や団体の広報・PR活動を支援しているPRエージェンシーです。BtoB企業とBtoC企業の割合はほぼ半々で、業種も非常に幅広くなっています。企業に広報担当者がいない場合は私たちが広報担当として活動し、担当者がいる場合は伴走しながら広報活動を進めています。
――御社ならではの強みはどのような点でしょうか。
私たちは「メディアに寄り添う」という考え方を大切にしています。広報・PRと広告は似ているようで大きく異なります。広告は企業自身が発信するものですが、広報・PRはメディアやインフルエンサーなど第三者を通じて発信されるものです。
広告と比べて、広報・PRは客観的な情報として伝わるため、信頼性が高いという特徴があります。広告と広報・PRはどちらか一方ではなく、両方を組み合わせることが理想だと考えています。
また、PRエージェンシーとして長年培ってきたメディアとの関係性も大きな強みです。企業広報時代から数えると20年分のメディアリレーションがフロントステージにはあります。広報活動は短期間で成果が出るものではなく、メディアとの信頼関係を積み重ねることが重要になります。その土台があるからこそ、クライアントの価値をより効果的に社会へ届けることができると考えています。
PRの力で社会をもっと元気にしたい
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
学生の頃から起業することは考えていました。PRという仕事は一人でもできるため、フリーランスとして活動する方も多い業界です。
ただ、私自身は「広報・PRの力で企業や人、サービスのらしさを引き出し、世の中に届けたい」という想いを持っていました。一人で活動するよりも、会社として組織をつくり、同じ志を持つPRのプロフェッショナルを育てることで、より多くの企業やサービスの魅力を発信できるようになる。そのほうが目指す未来に早く近づけると思い、会社を立ち上げました。
――PRという仕事に強い思いを持たれている理由は何でしょうか。
私はPRという概念そのものがとても好きなんです。PRは単なる情報発信ではなく、企業と社会との関係性を築く活動だと考えています。
日本には素晴らしい企業やサービスがたくさんあります。しかし、自分たちの魅力を発信することが得意ではない企業も少なくありません。もっと多くの人がPRを活用できるようになれば、日本はさらに元気になるはずです。その想いが私の原動力になっています。
企業の代弁者ではなく“翻訳者”でありたい
――今後、特に力を入れていきたいことは何ですか。
最も力を入れているのは、「メディアから信頼されるPRエージェンシー」であることです。
今は情報があふれている時代です。多くの企業がプレスリリースを配信していますが、メディアに届かないまま埋もれてしまうケースも少なくありません。だからこそ、メディア視点で社会に届く広報・PRを実現することが重要だと思っています。
私は広報・PR担当者を企業の代弁者だとは考えていません。企業が言いたいことをそのまま伝える仕事ではなく、社会やメディアが受け取りやすい形へ翻訳する仕事だと思っています。
企業が伝えたいことと、メディアが知りたいことは必ずしも一致しません。その間に立ち、双方にとって価値ある形へ変換することが私たちの役割です。
地方企業の可能性を広げ、日本を元気にする
――現在向き合っている課題や挑戦について教えてください。
これから特に力を入れていきたいのが地方です。私は山口県岩国市の出身ですが、地元の経営者の方々とお話しすると、人材不足や人口減少といった課題を強く感じます。
一方で、地方には魅力的な企業やサービスが数多く存在しています。ただ、広報・PRのやり方が分からず、価値を十分に伝えられていないケースも多いんです。今はクライアントの約9割が東京の企業ですが、今後は地方へも活動領域を広げていきたいと考えています。
これまで当社は営業活動をほとんど行わず、ご紹介を中心に成長してきました。創業以来、多くの方々とのご縁に支えられてきたからこそ、今後は地方企業の支援にも積極的に取り組みたいと思っています。
日本を代表するPRエージェンシーを目指して
――今後のビジョンをお聞かせください。
私たちは、日本で3本の指に入るPRエージェンシーを目指しています。これは創業当初から変わらない目標です。規模の拡大だけではなく、多くの企業やサービス、人の魅力を社会へ届けられる存在になりたいと考えています。
また、私が最も解消したいのは、本当に良い企業や良いサービス、良い人がいるにもかかわらず、その情報が必要な人に届いていない状況です。その価値を一人でも多くの人へ届けることで、日本社会に貢献していきたいと思っています。
地方にはまだまだ知られていない魅力的な企業がたくさんあります。そうした企業と社会との橋渡し役となり、新たな価値が広がっていく未来をつくっていきたいですね。