人と企業の利益が重なる場所をつくる、キャリア支援への挑戦
株式会社キャリアロケッツ 代表取締役 澤山 浩和氏
株式会社キャリアロケッツは、人材紹介・転職支援を中心に、企業向けの人事コンサルティングや採用代行、研修事業を展開する会社です。人事経験者を中心とした専門性の高い体制を整え、人と企業の双方にとって納得できる出会いを目指しています。本記事では、代表の澤山浩和氏に、事業に込めた思いやこれまでのキャリア、組織づくり、今後の展望について伺いました。
人と企業の双方に向き合うキャリア支援
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
人材紹介・転職エージェント事業を中心に、個人向けと企業向けの二つの軸で事業を行っています。個人に対しては転職支援を行い、企業に対しては人事コンサルティングや採用代行、社員向けの研修・セミナーなどを提供しています。
――貴社の強みについて教えてください。
社員は基本的に人事経験者で構成しており、それぞれが専門性を持っています。単に求人を紹介するのではなく、一人ひとりのキャリアに向き合いながら支援できる体制を整えていることが、当社の強みです。
企業側への支援も行っているため、採用する企業の事情や受け入れ体制についても理解した上で、個人を支援できます。人と企業の双方に関わり、それぞれの発展に寄与しながら、適切な出会いに結びつけていくことを意識しています。
――貴社の理念には、どのような思いが込められていますか。
最終的には、社会の発展につなげていきたいと考えています。そのためには、適切な人と適切な企業が結びつく「適材適所」が不可欠です。
ただ、自分の適性や活躍できる場所を、自分自身だけで正確に把握することは簡単ではありません。だからこそ、個人に対して適切なアドバイスを行い、その人に合った場所を一緒に探していく必要があります。
一方で、企業側の受け入れ体制も重要です。個人だけ、企業だけを支援するのではなく、双方への支援を通して、より良い出会いにつなげたいと考えています。
採用できなかった人の可能性に目を向けて
――これまでのキャリアについて教えてください。
学生時代は弁護士になりたいという思いがあり、法学部に進みました。しかし、その道は早い段階で断念しました。それでも法律には携わりたいという思いがあったため、企業法務の仕事に就き、約9年間経験しました。企業法務では、事業上のリスクを確認し、自社をどのように守るか、事業を有利に進めるにはどうするかを考えることが中心でした。人を助けたいという当初のイメージとは異なり、人とコミュニケーションを取りながら仕事を進める機会も多くありませんでした。
その後、自分のキャリアについて話し合う中で人事の道を用意していただき、約6年間、人事に携わりました。法務の途中から人事にも関わっていたため、実際には二つの仕事を並行して経験していた時期もあります。
――現在の事業を始められた経緯について教えてください。
人事として採用の現場に立ち、約1万人の面接を経験したことが独立をする大きなきっかけとなりました。1万人の方と会っても、実際に採用できる人は数%しかいません。不採用になった方の中にも、優秀な人は数多くいました。能力が足りないのではなく、自社に合わなかったり、募集のタイミングが違ったり、その時点の組織構成に合わなかったりすることがあります。1カ月前なら採用していたかもしれないというケースもありました。
そうした経験を重ねる中で、採用する数%の人だけではなく、自社では採用できなかった大多数の人を支援する側に回れないかと考えるようになりました。採用されなかった人も、必ずどこかに活躍できる場所があるはずです。その人たちと企業を結びつけ、双方に貢献したいという思いが、事業を始めた背景にあります。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
個人と企業のそれぞれに必ずメリットがあり、双方が成長できる事業にしたいという考えが根底にあります。自社の利益だけを優先したり、どちらか一方に偏ったりするのではなく、「個人の利益」と「企業の利益」が一致する仕事をしたいと考えています。
心の余裕が、良い支援を生む
――社員さんとのコミュニケーションにおいて意識されていることを教えてください。
社員とは、採用時から人事としての考え方をすり合わせています。医療、商社、保育など、それぞれに得意な業界や専門分野は異なりますが、個人と企業の利益を一致させるという軸は共通しています。
――今後、採用をする上での理想の人材像などはありますか?
仕事を人生のすべてと捉えるのではなく、「人生にある楽しみの一つ」として考えられる人が合うと思います。転職支援を受ける方の中には、次の仕事が決まらないことで焦り、仕事が人生のすべてであるかのような考えに陥ってしまう方もいます。そうした方を支援する社員自身には、気持ちに余裕を持ち、仕事以外にもさまざまな楽しみを持っていてほしいと考えています。
退職だけで終わらせず、その先のキャリアも支える
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
労働市場の出口では、転職者をあおるようなサービスがあります。
1つが「退職代行」。退職を必要以上にあおり、1人3万円くらいとって、そこでもう「さようなら」と。会社を辞めさせた後は何も支援しない。退職へ導いたのであれば、その後のキャリアについてもきちんと支援しなければ、社会の発展にはつながりません。
2つ目が「給付金コンサル」。給付金を受け取れることだけを強調し、本来必要としている人のための制度へ、そうではない人を導こうとするサービスもあります。一時的にお金を得ることだけを目的にしても、その先のキャリアにはつながりません。
そうした事業者に捕まらないよう、私たちはYouTubeやInstagram、noteなどを通じて正しい情報を発信しています。
――貴社の行う、退職代行サービスについても教えてください。
当社では、退職手続きから次のお仕事探しまでを引き受けています。ただ、相談を受けても、理由を聞いた上で退職を勧めないこともあります。特に新卒で入社したばかりの方には、社会では起こり得ることなのか、本配属前に辞める必要があるのかを、きちんと話します。
今すぐ転職につながらなくても、数年間経験を積み、次のキャリアを考えるときに当社を思い出してもらえればよいと考えています。短期的な利益ではなく、長い目でその人のキャリアに関わっていく姿勢を大切にしています。
多彩な趣味が仕事の活力に
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
趣味は幅広く、ハイキングや釣り、サイクリング、旅行などを楽しんでいます。おいしいものを食べることも好きですし、家で過ごすことも好きです。料理もするので、妻と一緒に様々なことを楽しんでいます。
筋力トレーニングも好きで、健康を意識しています。以前はお酒を飲む量が多かったのですが、現在は週1回ほどに減らしました。年齢を重ねる中で体の回復が遅くなり、トレーニングと飲酒の相性が良くないと感じたことが理由の一つです。お酒を飲むと活動する時間も減ってしまいます。それよりも、トレーニングや旅行など、自分自身の体験から楽しさを得たいと考えるようになりました。