人生の転機を力に変える――Ctrl+Shiftが届ける事務サポートと新たな働き方
Ctrl+Shift 代表 森 美知子氏
請求書作成や給与計算、求人募集など、経営者の事務負担を支えるバックオフィス支援を提供するCtrl+Shift。業務効率化を強みとしながら、経営者の事務業務を支援しています。 会社員として人事労務の仕事に長年携わった森美知子氏は、人生の大きな転機をきっかけに独立を決意しました。本記事では、事業への想いや独立までの経緯、今後の展望について伺いました。
経営者の時間を生み出す事務サポート
――現在の事業内容について教えてください。
私は「社長を稼がせる事務サポート」を提供しています。分かりやすく言えば、営業代行が営業活動を担うように、私は事務業務を代行する仕事です。
具体的には、請求書や見積書の作成、給与計算、求人募集などを請け負っています。経営者の方が日々行っている事務作業や細かな業務を引き受けることで、本来注力すべき仕事に集中していただける環境づくりをお手伝いしています。
私の強みは、単に作業を代行するだけではなく、業務効率化の視点を持っていることです。会社員時代は人事労務の事務職として働いていましたが、所属していた部署では業務改善や効率化が重視されていました。仕事を進める中で、どうすればもっと効率よくできるのかを考える機会が多くありました。
もともと数字やロジカルな考え方が好きで、Excelの関数やデータ処理の仕組みを組み立てることにも面白さを感じていました。業務フローを整理したり、効率的な運用方法を考えたりすることは、今でも楽しみながら取り組んでいる部分です。
事務作業は表に出る仕事ではありませんが、経営を支える大切な土台です。だからこそ、単なる作業者ではなく、経営者のパートナーとして役立てる存在でありたいと思っています。
離婚をきっかけに選んだ独立という道
――独立を決意した経緯を教えてください。
独立したのは約1年前です。それまでは長年、人事労務の事務職として働いていました。大手企業だったこともあり、安定した環境で仕事ができていましたし、自分自身も「このまま働き続けるのだろうな」と思っていました。
そんな私が独立を考えるようになったきっかけは、離婚でした。
当時は幼い子どももいて、平穏な家庭が続いていくものだと思っていました。離婚なんて、想像したこともなかったんです。しかし、思いがけない出来事が重なり、自分の人生をゼロから見つめ直さざるを得なくなりました。
最初はすぐに離婚を決断したわけではありません。子どものこともあり、本当にそれでいいのか悩み続けていました。夫は言葉では「家族のために頑張る」と言ってくれていました。けれど一年そばで過ごす中で、その言葉に本心からの変化を感じることはできなかったんです。夫をもう信じるができない——その気持ちが最後まで変わらなかったとき、もう離婚するしかないと、覚悟が決まりました。
その頃から、「このままではいけない」と思うようになりました。そして、シングルマザーとして生きていくなら、経済的な力が必要だと考えたんです。そこで初めて「起業してみたい」という気持ちが芽生えました。
とはいえ、最初から明確な事業プランがあったわけではありません。起業セミナーに参加したり、コンサルティングを受けたりしながら、自分に何ができるのかを模索していきました。
振り返ると、離婚の準備、起業の準備、保育園探し、引っ越しなど、本当にさまざまなことが同時進行でした。それでも一つずつ行動を重ねた結果、現在の働き方につながっています。
あの時の出来事は決して楽な経験ではありませんでしたが、今となっては人生を前に進める大きな転機だったと感じています。
新しい出会いが広げてくれた世界
――独立後に変化したことはありますか。
大きく変わったのは、人とのつながりです。
会社員時代は、関わる相手のほとんどが社内の方でした。経営者の方と話す機会も少なく、自分自身を紹介したり、仕事について発信したりする経験もありませんでした。
ところが独立後は、さまざまな経営者の方とお話しする機会が増えました。最初は慣れないことばかりでしたが、今ではその時間がとても楽しいと感じています。
営業をしているという感覚よりも、経営者の方から新しい知識や考え方を学ばせていただいている感覚の方が近いかもしれません。
私はもともと知らないことを学ぶのが好きな性格です。新しいスキルを身につけたり、未知の世界に触れたりすることに喜びを感じます。起業そのものも、自分にとっては未知の挑戦でした。
だからこそ、不安よりも「やってみたい」という気持ちの方が強かったように思います。
現在のお仕事は紹介でつながることがほとんどです。ご縁をいただきながら仕事が広がっていることに感謝していますし、人との信頼関係の大切さを実感しています。
独立したことで仕事の幅だけでなく、視野も大きく広がりました。会社員時代には想像できなかった出会いや経験が、今の自分を支えてくれています。
法人化と新たな挑戦への想い
――今後の展望について教えてください。
実は取材当日の午前中に、税理士や司法書士の方と法人化について相談していました。
タイミングについてはまだ検討中ですが、法人化そのものには興味があります。収益面だけでなく、事業としての信頼性やブランディングという意味でも、一つの選択肢として考えています。
また、将来的には一人で抱え込むのではなく、仕事のパートナーを増やしながら体制を整えていきたいという思いもあります。
今はどうしても自分一人で対応できる範囲に限界があります。だからこそ、グループやチームとしてサービスを提供できる形を目指したいと思っています。
一方で、私が本当に伝えたいことは、オンライン秘書のノウハウだけではありません。
離婚や起業を経験し、人生が大きく変わった過程の中で、自分なりに考え、行動し、選択してきました。その経験が、同じように悩んでいる方のヒントになるかもしれないと感じています。
私と同じ状況でなくても、「こんな選択肢もあるんだ」と思ってもらえたらうれしいですね。
同じように悩んでいる方が一歩踏み出すきっかけになれたらと思っています。 だからこそ、自分自身の経験も含めて、誰かの背中を押せる存在になれたらと思っています。
好奇心が支える新しい働き方
――リフレッシュ方法や大切にしていることを教えてください。
今は仕事そのものが趣味と言えるかもしれません。もちろん忙しくて大変なこともありますが、新しいことを学びながら仕事をする時間がとても楽しいんです。
最近は運動不足を感じていたこともあり、5月からバドミントンを始めました。小学生の頃にやっていた経験があり、また挑戦してみようと思ったんです。週に1回、2時間ほど体を動かしていますが、かなりハードですね。それでも思い切り汗をかくと気分転換になりますし、良いリフレッシュになっています。
また、私はかなりの朝型です。夜9時頃に子どもと一緒に寝て、朝5時に起きる生活を続けています。朝の静かな時間に仕事を進め、その後子どもを保育園へ送り、一日の業務をスタートするのが日課です。
この数年は人生の大きな転機でしたが、今こうして前向きに仕事に取り組めているのは、自分で選択し、自分で行動してきたからだと思います。これからも学び続ける姿勢を忘れず、新しい挑戦を楽しみながら、多くの方の支えとなる事業を育てていきたいです。