彩り餃子で「人に良い」食を届ける――JcTクリエーションズが描く「つながり」と次の挑戦
株式会社JcTクリエーションズ 代表取締役 江 小涛氏
餃子を主軸とした飲食事業を展開している株式会社JcTクリエーションズ。代表の江小涛氏が掲げるのは、「食は「人に良し」と書く」という考え方。食を通じて人と人をつなぎ、さらには世界ともつながっていく――そんなコンセプトのもと、色鮮やかな独自の餃子ブランドを育ててきました。大学3年生での起業から約20年。地域に根差した「リピート重視」の経営観、今後のフランチャイズ構想や工場設立、さらに外国人の起業支援・人材育成への展望まで、現在地と未来像を伺いました。
目次
「食は人に良し」――餃子を通じて人と世界をつなぐ
――御社の事業内容を、代表のお言葉で教えてください。
一言で言えば、今は飲食を中心とした事業です。食というのは「人に良し」と書きます。食を大切にした事業を通じて、人と人をつないでいく、世界をつながっていくというコンセプトです。
――提供している「食」の中心は餃子でしょうか。
はい。餃子の「餃=食+交」は、食を通じて交流することで、コミュニケーションツールを示唆しています。したがって餃子を通じて人の絆づくりしたいと思います。
――特徴的なのが「7種の七福餃子」ですよね。
そうですね。日本探してもないぐらい、と言っても過言ではないかなと思います。
黒は竹炭です。宇都宮の観光スポットになっている「若竹の杜」とコラボした餃子です。赤いのはイタリアン餃子です。トマトとパプリカのピューレを混ぜた色を皮に練り込んだ、トマトチーズ餃子。緑はほうれん草の緑部分をピューレにして皮に練り込んで作っています。黄色いのは黄金餃子です。皮にウコン(ターメリック)を練り込み、餡には地元の養鶏場のエッグファーム高橋さんの卵を使用しています。
→地域の物語を包む餃子
健康にいいものを作っていかなければ、食とは言えないと思ってます。先ほども言ったように、「人に良し」と書いて食なのです。
→健食同源の一皿
――店舗数は現在どれくらいでしょうか。
現在2店舗あります。
留学生として宇都宮へ。寂しさが背中を押した「大学3年生の起業」
――経営の道に進まれたきっかけや背景を教えてください。
私はもともと中国出身で、宇都宮に縁があって来ました。旧満州の出身です。宇都宮の餃子が伝わってきたのは、うちの地元であったということだったんですね。そこにご縁があって餃子を始めたところです。
でも、実は餃子じゃなくて、居酒屋が先でした。私は留学で日本に来て、土地勘のない宇都宮に暮らして、ちょっと寂しい想いをしていました。だから大学3年生のときに「自分のお店をやってみたい」と思ったんです。お店をやれば友達ができる、それが大きなきっかけで、大学3年生で起業させていただきました。
――学生起業だったのですね。
そうですね。何も知らずに、勇気だけで起業しました。お店は「サムライ寿限無」という名前で、開店して20年になるところです。
――20年を振り返って、ターニングポイントだった出来事はありますか。
ビジネスって、土地や地方によって違うと思うんですね。私が一番大切にしてるのは、人とのつながりです。栃木県、宇都宮という土地柄、人と人のつながりなんですよね。
新規のお客様の獲得でもなく、1日で100人が来るのでもなく、1人のお客さんを100回呼ぶ。それがポイントになっています。それしかないかなと思っています。
13名の体制で運営。課題は「同じ方向を向いて歩める人材」
――現在の組織体制は何名で運営されていますか。
自分を含めて13人ですね。社員が2人で、パートさんが10人ぐらいです。
――3年後の売上目標と、そこに向けた課題を教えてください。
3年後は、今の130%を目指しています。課題は人材ですね。人はいるんですよ。でも人材は違って、「同じような方向を向いて一緒に歩める人材」が必要なですよね。
パートやアルバイト、社員の中から1人はできるかもしれないけど、事業展開した場合は今のままじゃ足りないなと思ってます。あとは資金面ですね。
――採用について、現状どんな取り組みをされていますか。
採用に関しては、ほとんど自分の身内の周りにお願いしています。ただ、今望んでる仕事に応えていただける人が出てくるかどうかは、何とも言えないですね。採用広告は今後も出す予定はいまのところありません。
口コミとSNSで集客。「唯一無二」の業態として広がる反響
――集客の状況はいかがでしょうか。
広告はあまり使ってないです。ほとんど口コミですね。地元では唯一無二の餃子なので。
去年、万博があって、そこにも選ばれました。栃木県がブースを借りていて、短期間でしたが、3日間、約100店舗の中で、唯一選んでいただいた餃子です。反響も結構あって、集客面では自力で何とかしようとしてます。SNSなどを活かして取り組んでいます。
――店舗ごとのお客様の特徴はありますか。
観光客が多いです。サムライ寿限無は地元のお客さんが多いですね。夜やってるので、お酒が飲めるところです。本店の方はメディア露出も多いおかげか、お客様が多いです。地元の方も3割ぐらいは来ていただいています。
2028年に向けてーー外国人の起業支援と人材育成、餃子事業はFCへ
――今後取り組んでいきたい展望や挑戦を教えてください。
新しい挑戦としては、今の事業をスタートアップというか、支援していきたいと思ってます。自分が立ち上げてきたブランドを、第二次外国人で起業したい、あるいは起業家になりたいという方を応援していきたい。いわゆる、自分の後輩ですね。国は限定せず、中国以外の国でもいいです。
それと、日本で外国人の人材育成をしたいと思っています。今、その勉強してる最中です。大したことはできないかもしれませんが、周りの人にそういう能力を持ってる方が結構多いので。
――その取り組みはいつ頃から始める予定でしょうか。
2028年からできたらなと思ってます。
――餃子事業自体は、どう展開していきたいですか。
加盟店方式で展開していきたいです。フランチャイズみたいな形ですね。今体制を整えているところですが、最低でも3年はかかります。なので、すぐ始めるわけではないです。
――加盟店展開にあたって、工場の構想もあるのですよね。
はい、工場の構想も考えています。環境や設備を整えないと、加盟店ができたときに対応できないので。
――既存工場に製造委託するOEMは検討されていますか。
工場に依頼して作ってもらう考えは、今のところ私の中にはないです。工場から作って持ち合わせて、というところですね。ただ、資金が必要なので、今はそこが課題です。
――会社として、最終的にどんな姿を目指しますか。
難しい質問ですね。夢として規模から言うと、30人ぐらいの規模の中小企業で、皆さんが家族のような会社にしたいです。暖かさがあって、何かあったときでも一丸となって頑張っていけるような会社。それが私が望む会社の姿です。
事業としては、飲食、特に餃子の事業は残していきたいです。むしろ、100年続く事業として続けていきたい、という強い思いがあります。餃子を通じて多くの人とつながっていく役割を果たしたいですね。
食を通じて「無限のことぶき」と絆を届けたい
――最後に、これから起業する方や中小企業経営者の方へメッセージをお願いします。
食を通じてことぶきを、無限なことぶきを届けていきたいです。それが「寿限無」というブランドを立ち上げている理由です。
食を通じて人と人がつながっていく。食を通じて絆を深めていきたいーーそれが私の強い思いです。