日本と世界をつなぐ経験を、地域の未来へ――パートナーシップで描く新たな価値創造 

エンリンクス・パートナーズ合同会社 代表 尾中 泰氏

アメリカでの起業や海外企業の日本進出支援など、長年にわたり国境を越えたビジネスに携わってきたエンリンクス・パートナーズ合同会社の代表・尾中泰氏。現在は、その豊富な経験とネットワークを生かし、日本国内外の企業支援やコーチング、伝統工芸の継承支援など、多角的な事業を展開しています。今回は、事業内容や今後の展望、経営に対する思いについて伺いました。 

海外経験を生かし、多角的な事業を展開

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、大きく3つの事業を展開しています。

1つ目は、企業向けの経営コンサルティングです。主に企業の事業支援やビジネスマッチングを行っています。これまでの実績では、IT関連企業、とりわけソフトウェア分野のお客様が多くを占めてきました。一方、日本へ拠点を移してからは、地方の製造業など、事業承継に取り組む企業へのコンサルティングやマッチングも増えています。

2つ目はコーチングです。エグゼクティブ向けのコーチングだけでなく、大学や商工会議所などから依頼を受け、学生や地域の経営者を対象とした講演や研修も行っています。

3つ目は、日本の伝統工芸の継承支援です。海外生活を通じて、日本の優れた伝統工芸が十分に知られていない現状を実感しました。日本刀をきっかけに活動を始め、現在では日本刀だけでなく、八女茶、高取焼や組子など、さまざまな伝統工芸の匠を海外へ紹介する取り組みを進めています。まだ発展途上の事業ですが、日本の文化を未来へ繋ぐために若い匠を海外へ紹介していきたいという思いで取り組んでいます。

海外で培った経験を、日本の地域企業の力へ

――これまでのご経歴について教えてください。

17年前にアメリカ・シアトルで起業し、約8年間にわたり、日本企業のアメリカ進出やアメリカ企業の日本進出を支援してきました。特にスタートアップ企業の支援に数多く携わり、伴走型で企業の一員として事業開拓を進めてきました。

その後、アメリカのスタートアップ起業から日本法人の立ち上げを任され、採用や組織づくりまで幅広く担当しました。しかし、そのタイミングでコロナ禍となり、一つの区切りを迎えます。

その後は日本を拠点に活動を続け、現在は国内企業やアジア企業とのネットワークを生かした事業へと軸足を移しています。

日本を元気にするため、地方企業の再生に挑む

――今後の展望について教えてください。

アメリカへ戻ることは考えず、日本に根を張って仕事をしていこうと決めました。

アメリカで約20年間生活したり、アジアや欧州を出張してきたりする中で、日本は本当に素晴らしい国である一方、地方には元気を失っている企業も少なくないと感じています。特に事業承継は大きな課題です。ただ事業を引き継ぐだけではなく、新しい価値を取り入れながら企業を再生していく不易流行が重要だと考えています。

これまで培ってきたネットワークやIT業界での経験を生かし、地方企業の海外展開も含め、日本企業の再生に貢献していきたいと思っています。

また、コーチングを通じて、自分がこれまで得てきた経験や知識を次の世代へ伝えていきたいという思いもあります。私はこれを「恩返し」ではなく「恩贈り」と呼んでいます。自分が受けてきた支えを、次の世代へ贈ることが今の役割だと考えています。

会社設立当初から変わらない軸として、「Happy and Happy」という考え方をビジネスモットーとして大切にしながら、関わるすべての人が笑顔になれる仕事を続けていきたいと思っています。

パートナーシップを生かし、より大きな価値を生み出す

――現在、取り組んでいる課題について教えてください。

現在の課題は「スケール化」です。

当社は私一人を中心とした体制ですが、案件ごとに専門家や海外ネットワークを活用し、プロジェクトごとに最適なチームを編成するアメーバ経営をしています。例えば、弁護士や財務、技術、マーケティングの専門家など、それぞれの強みを持つメンバーと協力しながら事業を進めています。

今後さらに大きな価値を提供していくためには、より多くの企業やパートナーとの連携が欠かせません。そのため、日頃からさまざまな企業との対話を続け、案件ごとに協業できる体制づくりを進めています。

会社名にも「パートナーズ」と付けているように、自社だけで完結するのではなく、それぞれの強みを持つパートナーと協力しながら、より大きな成果を生み出していきたいと考えています。

日本文化に触れながら、自分自身を磨き続ける

――休日のリフレッシュ方法を教えてください。

最近はゴルフに夢中になっています。これまであまり興味はありませんでしたが、始めてみると奥深く、休日だけでなく平日の早朝や夜にも練習へ行くほどになりました。

また、学生時代から続けている少林寺拳法の稽古も大切な時間です。 さらに、ドライブに出かけたり、食べ歩きをすることも楽しみの一つです。

海外生活を長く経験したからこそ、日本文化の素晴らしさを改めて実感するようになりました。伝統文化に触れる時間は、自分自身を見つめ直し、新たな気づきを得る貴重な機会になっています。こうした経験と感謝の気持ちは、現在取り組んでいる伝統工芸の継承支援にもつながっていると感じています。

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