「洗濯のない日々」を世界へ――AIと発想力で新たなランドリー体験を創る挑戦

mile株式会社 代表取締役 山崎 美香氏

2025年4月に設立されたmile株式会社は、インバウンド旅行者に向けた洗濯代行サービスを展開しています。AI技術を活用し、多言語対応やWebアプリ、配送サービスとの連携など、旅行者がストレスなく利用できる仕組みづくりに取り組んでいます。代表取締役の山崎美香氏は、過去の事業での成功と挫折、そして大きな病気を乗り越え、新たな挑戦をスタートしました。本記事では、事業への想いや経営哲学、今後の展望について伺いました。

「洗濯のない日々」を目指す、新しいランドリーサービス

――現在の事業内容や特徴、強みについて教えてください。

私たちの強みは、インバウンド旅行者に特化した洗濯代行サービスを提供していることです。これまで日本には、海外から訪れる旅行者が使いやすいサービスはほとんどありませんでした。以前から洗濯代行事業に携わってきましたが、海外のお客様からお問い合わせをいただいても、言語の壁や時間的な制約から十分に対応できないことが多くありました。

そこで今回は、多言語対応を実現し、ダウンロード不要で利用できるWebアプリを開発しました。さらに、AI画像カメラを活用し、洗濯物の写真を撮るだけで重さや料金の目安を算出できる仕組みを導入しています。また、Uberさんとの連携により、集荷から配送までスムーズに利用できるサービスを構築しました。

現在はクリーニングサービスの展開も準備しています。写真を撮るだけで衣類を判別し、料金を算出できる仕組みを取り入れ、お客様にとってより使いやすいサービスを目指しています。

――会社の理念やビジョンについて教えてください。

私たちのミッションは、「洗濯のある日々を、洗濯のない日々に変えること」です。そして、「世界中の人々を洗濯から解放する」というビジョンを掲げています。

料理や掃除にはそれぞれの家庭のこだわりがありますが、洗濯は誰がやってもきれいになれば大きな違いはありません。それにもかかわらず、多くの時間が費やされています。洗濯を外部に任せることで、その時間を家族との時間や趣味など、より豊かな時間に使っていただきたいと考えています。

失敗も経験も糧に、新たな挑戦へ

――経営者になられた経緯を教えてください。

私は2025年4月に現在の会社を設立しました。それ以前にも会社を経営していましたが、事業売却や会社・個人の破産を経験しました。その背景にはコロナ禍の影響もありましたが、何より体調を大きく崩し、思うように動けなくなったことが大きな要因でした。

会社を閉じた後は、日本とマレーシアを行き来しながら体調を整えていました。そして元気を取り戻した頃、創業者の中山から「もう一度挑戦しませんか」と声をかけてもらったことが、再び起業するきっかけになりました。以前やりたくても実現できなかったことに、改めて挑戦しようと決意したのです。私は就職をした経験がなく、20代から事業に携わってきました。アパレル事業やカフェ経営を経験し、その後アメリカで出会った「ウォッシュ&ホールドサービス」に感銘を受け、日本で洗濯代行事業をスタートしました。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

経営で大切にしているのは、「人が本当に必要としているものをつくること」です。「こんなサービスがあったら助かる」「あったらうれしい」と思ってもらえるものを形にしたいと考えています。そして、自分自身がワクワクできることにもこだわっています。自分が楽しめなければ、長く続けることはできませんし、お客様にも楽しさを届けられないと思っています。

本音で話せるチームづくりを目指して

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在は私一人と業務委託メンバーで事業を進めています。AIを積極的に活用していることもあり、多くの業務を効率化できています。

仕事を進めるうえで大切にしているのは、役職に関係なく本音で話せる環境をつくることです。遠慮して意見を言えない組織ではなく、部活動のような雰囲気で、みんなが一体感を持って楽しくプロジェクトを進められることを目指しています。業務委託のメンバーも社内の仲間のように関わってもらい、わくわく感をもって誰でも自由に意見を出せる環境づくりを心掛けています。

――一緒に働きたいと思うのはどのような人ですか。

何事にも興味を持ち、自分の考えを言葉にできる人です。アイデアを口にすることで、新しいことが生まれますし、そこから仲間同士の信頼関係も育っていくと思っています。

世界中の旅をもっと身軽に

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

目指しているのは、世界中どこへ行っても、このサービスがあれば安心して洗濯ができる環境をつくることです。旅行者が大きな荷物を持たずに旅ができるような仕組みも実現したいと考えています。

現在は東京都の女性起業家向けプログラムにも採択され、海外展開に向けた挑戦を続けています。英語は得意ではありませんが、AIも活用しながら挑戦しています。

一方で、現在の課題は資金調達です。事業を成長させ、仲間を増やし、より多くの方にサービスを知っていただくためにも、さまざまなアクセラレータープログラムや投資家との対話を重ねています。限られた予算の中でも、海外向けコミュニティへの情報発信やSNSなど、自分たちでできることを一つずつ積み重ねています。

家族との時間が何よりのリフレッシュ

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

趣味と呼べるものはありません。それほど仕事が好きなのですが、休日は16歳になる双子の娘たちと過ごす時間を大切にしています。友達のように話をする時間が、何よりのリフレッシュになっています。仕事への挑戦を続けながらも、家族との時間をこれからも大切にしていきたいと考えています。

――経営の中で譲れない思いはございますか。

誰もやっていないことに挑戦することは昔から好きですし、人に嫌われる仕事をしないこと人の役に立つことこれは絶対に譲れないですね。

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