人と企業をつなぎ、日本とベトナムの未来を創る――政治・芸能・国際交流で培った経験を新たな価値へ
株式会社LXエンターテインメント 代表取締役 境 恒春氏
芸能活動や政治家としての経験、そしてベトナムとの国際交流。それぞれのキャリアで培った人脈や経験を強みに、日本企業とベトナム企業を結び、新たな価値を創出する株式会社LXエンターテインメント代表取締役・境恒春氏。本記事では、これまでの歩みや事業に懸ける想い、日本とベトナムをつなぐ挑戦について伺いました。
目次
国境を越えたビジネスを支え、日本とベトナムを結ぶ
――事業内容について教えてください。
2025年9月に株式会社LXエンターテインメントを設立しました。社名から「エンターテインメント事業が中心なのですか」と聞かれることも多いのですが、現在の主力は企業向けのコンサルティングです。
現在は4社の顧問を務め、ベトナムIT企業の日本進出支援や日本企業とのビジネスマッチング、東北大学発ベンチャーの事業支援を行っています。政治活動や国際交流で築いたネットワークを活かし、人と企業をつないでいます。
――現在、特に力を入れている取り組みについて教えてください。
最も力を入れているのは、日本とベトナムを結ぶビジネスマッチングです。ベトナム政府関係者とのつながりから、中南部のザライ省が掲げるAIシティ構想への協力も依頼されています。日本企業の誘致や現地との橋渡し役を担いながら、地域の産業振興にも携わっています。
また、ベトナムでは少子高齢化が急速に進んでおり、日本の介護IT企業と現地企業を結ぶことで、介護分野のDXを進めるプロジェクトも動き始めました。今後も両国にとって価値のある事業を生み出し、日本とベトナムをつなぐ架け橋となる企業を目指していきたいですね。
芸能、国際交流、政治――すべての経験が現在の挑戦につながった
――これまでのキャリアについてお聞かせください。
私は宮城県気仙沼市の出身です。18歳で上京して芸能プロダクションに所属し、その後、21歳でベトナムのオーディションに合格しました。現地では歌手・アイドルとして活動し、全国ツアーやCDリリースなど、芸能の世界で経験を積みました。
転機になったのは、ベトナムで障がい者支援活動に携わったことです。それをきっかけに芸能活動を離れ、NPO法人「日本ベトナム障がい者支援センター」を設立し、現在も活動を続けています。
その後は、「ベトナムだけでなく地元・宮城にも貢献したい」という想いから政治の道へ進みました。東日本大震災では演説中に被災し、その経験が地域の復興に携わる決意をより強くするきっかけになりました。宮城県議会議員を3期12年間務め、現在も政治活動を続けながら、国政への挑戦を続けています。
――起業されたきっかけを教えてください。
政治活動を続ける中で、自分自身の生活は自ら支えなければならない立場になったことも、起業を決意した理由の1つです。ただ、それ以上に強かったのは、これまで国内外で築いてきた人脈や経験を社会のために活かしたいという想いでした。
会社を通じて日本企業の海外展開やベトナム企業の日本進出を支援し、人と企業をつなぐことで新たな価値を生み出し、社会に貢献していきたいですね。
一人だからこそ築ける、信頼を軸にした伴走型の支援
――現在の組織体制と、お客様との関係づくりで大切にしていることを教えてください。
現在は私一人で会社を経営しているため、お引き受けする案件は責任を持って対応できる範囲に限定しています。顧問契約では、一度きりではなく継続的に伴走しながら成果につなげることを何より大切にしています。だからこそ、お客様とも長く信頼関係を築いていきたいです。
――事業を進める中で感じている課題はありますか。
最も大きな課題は、日本企業とベトナム企業の間にある言語や文化の壁です。通訳を介しても、IT分野の専門用語や細かなニュアンスまで正確に伝えることは簡単ではなく、商談が最後までまとまらないケースもあります。
それでも、介護IT分野では実証に向けたプロジェクトが進んでおり、一歩ずつ前進しています。こうした課題を1つひとつ乗り越えながら、両国にとって価値のある仕組みを築いていきたいですね。
ベトナムと日本を結ぶ新たな挑戦――3年後の売上10倍を見据えて
――今後、特に力を入れていきたい取り組みについて教えてください。
まずは現在のコンサルティング事業を着実に成長させながら、当初から構想していたベトナムでのエンターテインメント事業にも、もう一度挑戦したいですね。
日本企業とベトナム企業のマッチングをさらに広げていきたいです。そのためにも、AIシティ構想への協力や企業誘致を通じて、日本企業の海外展開を後押ししていきたいです。
3年後には売上10倍を目標に掲げていますが、顧問先を増やすこと自体が目的ではありません。1つひとつのプロジェクトを成功へ導き、継続的な成果を生み出せる仕組みをつくることで、社会に価値を還元できる会社へ成長していきたいです。
――現在感じている課題は何でしょうか。
1つは、ベトナムでエンターテインメント事業を展開するための資金です。現地で本格的に事業を進めるには相応の投資が必要ですし、私自身がベトナムに滞在しながら取り組める体制も欠かせません。
もう1つは組織づくりです。現在は一人で事業を運営しているため、顧問先が増えれば対応できる範囲にも限界があります。今後は必要に応じて外部の専門家や業務委託も活用しながら体制を整え、1つひとつのプロジェクトを着実に成功へ導き、会社の成長につなげていきたいです。
「世のため、人のため」を貫く経営理念と、挑戦を支える発想力
――会社経営や政治活動を通して、大切にしている理念を教えてください。
何より大切にしているのは、「世のため、人のためになることをする」という考え方です。これは政治家としても経営者としても変わることのない信念ですね。
企業が成長し、新しい雇用や技術が生まれ、その先で多くの人が幸せになる。そうした社会の実現につながる仕事をしていきたいと思っています。ベトナム政府からAIシティ構想への協力を依頼いただいていることも、社会に貢献できる取り組みの1つだと受け止めています。
――経営者として譲れないポリシーは何でしょうか。
私の中で絶対に譲れないのは、「自分だけが利益を得る仕事はしない」ということです。利益を出すことは大切ですが、誰かの犠牲の上に成り立つ仕事や、自分だけが得をするような事業はしたくありません。
常に相手と社会の双方に価値のある仕事を意識しています。その積み重ねが信頼につながり、長くお付き合いいただける企業や人とのご縁にも結び付いていると感じています。これからも初心を忘れず、「世のため、人のため」という信念を軸に歩み続けていきたいですね。
発想を生み出す時間は「脳をリラックスさせること」
――どのようにリフレッシュされていますか。
休日も仕事をすることが多いですが、毎日湯船に浸かり、時間があれば散歩をしています。頭をリラックスさせることで新しいアイデアが生まれ、仕事にも良い影響を与えていると感じています。
心に少し余白を持つことを大切にしながら、これからも日本とベトナムをつなぐ挑戦を続けていきたいです。