世界に向けて日本の魅力を発信――メディアの力で質の高いインバウンド観光を実現する挑戦
株式会社YamaTrips 代表取締役 Chuan Xia氏
インバウンド需要の拡大が続く中、海外へ向けた情報発信の重要性はますます高まっています。株式会社YamaTripsは、英語によるメディア運営を軸に、映像制作やインフルエンサーマーケティングを通じて、日本各地の魅力を世界へ届ける企業です。環境省や観光庁、農林水産省との事業にも携わりながら、単なる観光PRではなく、マナーや文化、自然への理解を深める情報発信にも力を入れています。今回は、代表取締役のChuanXia氏に、事業の特徴や創業の背景、今後の展望について伺いました。
メディアを軸に、日本の魅力を世界へ届ける
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社はインバウンドマーケティングを中心に事業を展開しています。環境省のオフィシャルパートナーとして、海外から日本を訪れる方に国立公園の魅力や楽しみ方を発信するほか、映像制作やインフルエンサーマーケティングを行っています。
自社メディアを運営しており、英語で情報発信を行っていることが特徴です。現在はSNSを中心に70万人のフォロワーがおり、その発信力を活用して、地方の魅力や日本文化を海外へ届けています。また、旅行業を持つ企業とも提携し、富裕層向けのコンシェルジュサービスや旅行手配にも携わっています。
事業の軸はあくまでメディアです。各地域の魅力を映像で伝えながら、海外からの誘客につながるマーケティング支援を行っています。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
私たちが大切にしているのは、単に多くの観光客を呼ぶことではありません。日本の文化やマナー、自然環境への理解を深めた方に訪れていただくことです。
例えば、国立公園を紹介する際には、景色だけでなく、現地で守るべきマナーや安全対策、登山に必要な装備などもあわせて発信しています。動画を通じて事前に学んでいただくことで、地域や自然を大切にしてくれる観光客につながると考えています。
映像にはエンターテインメント性も取り入れながら、多くの方に見てもらえるコンテンツづくりを意識しています。
コロナ禍をきっかけに始まった挑戦
――事業を始めたきっかけを教えてください。
きっかけはコロナ禍でした。海外へ行けなくなったことで、日本国内を旅行するようになり、各地を巡る中で知識や経験が積み重なっていきました。
その後、海外からの渡航が再開されたタイミングで、日本の魅力を英語で発信し始めたところ、多くのフォロワーに見ていただけるようになりました。そこから事業として拡大し、現在の形につながっています。
以前は企業で海外向け広報やブランディングの仕事にも携わっていましたが、旅行を続ける中で、それ自体が仕事になっていきました。
地方創生とインバウンドの未来を見据えて
――現在取り組まれていることや今後の展望について教えてください。
現在は会社の拠点を三重県へ移転し、地方から日本のインバウンド観光を支えていく体制づくりを進めています。
案件数を増やすことよりも、自社メディアの影響力をさらに高め、一つひとつの案件の価値を大きくしていくことを目指しています。SNSだけでなく、今後は英語によるYouTubeでのインタビューや情報発信も強化していく予定です。
また、映像制作を担うビデオグラファーや編集者の採用も進めており、全国を巡りながら日本の魅力を発信できる体制を整えていきたいと考えています。
地方自治体や企業と連携しながら、地域ごとの魅力や課題を海外へ正しく伝え、日本全体のインバウンド観光を支える存在になっていきたいです。
旅行が仕事であり、仕事が趣味
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日も旅行に出かけることが多いです。ただ、撮影機材やドローンを持って現地へ向かい、そのまま撮影や取材も行うため、趣味と仕事の境界はほとんどありません。
旅行を楽しみながら仕事ができることは魅力ですが、一方で常に発信を続ける必要があり、完全に休める日は少ないのが現状です。SNSへの投稿やコメント対応も日常の一部になっているため、オンとオフの切り替えは今後の課題だと感じています。
それでも、日本各地を巡り、その魅力を世界へ届けることは変わらない目標です。地方から日本を盛り上げ、より多くの海外の方に日本の本当の魅力を知っていただけるよう、これからも情報発信を続けていきたいと考えています。