合同会社ほっとにゃいと 代表 秋吉泉氏
ITコンサルティングの専門知識と、動物保護への揺るぎない情熱。この2つを軸に独自の挑戦を続けているのが合同会社ほっとにゃいとの秋吉氏です。
アジャイル開発のスクラムマスターとしての高い専門性と、ライフワークである動物保護活動を両立させる姿勢は、ビジネスと社会貢献を結びつける新しい企業の形を示しています。
今回は、同社の事業内容や理念、そして秋吉氏の想いについて伺いました。
ITコンサルティングで社会をリードする専門集団
――御社の事業内容について教えてください。
当社はITコンサルティングを主軸に展開しており、特にアジャイル開発の一種であるスクラム開発に強みを持っています。プロフェッショナルスクラムマスター(CSP-SM)の資格を保有しており、大規模かつ社会的意義の高いプロジェクトを推進できる点が大きな強みです。
日本ではまだスクラムマスターという言葉自体の認知度が低い中、上位の専門資格を持つ人材は非常に希少です。その専門性を活かし、クライアントのITプロジェクトを成功へと導いています。さらに、現場の課題を的確に抽出し、改善策を実行に移す実務力も高く評価されています。
動物保護活動が起業の原動力に
――起業に至った経緯をお聞かせください。
元々はSIerでシステムエンジニアとして働いていましたが、案件を自分で選べず、会社都合で動く制約がありました。そんな中で、以前からの夢だった動物保護活動を本格的に実現するには、独立するしかないと考えました。
創業当初は一般的なエンジニアとして案件を受けていましたが、スクラムマスター(当時はCSM)の資格を取得したことで転機を迎えました。そこから売上は倍増し、組織をリードする立場としてより自分に合った働き方ができるようになりました。スクラムマスターへの転身は、単なる収益向上ではなく、自分らしい働き方を実現する大きな一歩でした。
柔軟なパートナーシップで組織を運営
――組織体制についてはいかがでしょうか。
現在は正社員を抱えていません。ビジネスパートナーが1名、さらに動物保護活動のYouTube動画編集を担う協力者が1名、計3名で活動しています。少数精鋭のパートナーシップにより、柔軟に事業を進めています。
決算業務なども自分でこなしていますが、今後は税理士や外部の専門家との連携を強化し、組織としてレバレッジを効かせることを考えています。事業拡大のためには、外部リソースの活用が欠かせないと感じています。
スクラムマスター育成と動物保護施設設立への展望
――今後の展望について教えてください。
今後はスクラムマスターを育成するトレーナーとして活動を広げたいと考えています。日本においてスクラム開発はこれからも伸びていく分野です。セミナーや養成講座を通じて業界全体の底上げに貢献し、新たな事業の柱にしていきたいと思います。
さらに、IT事業の収益を原資に、将来的には動物保護施設を設立することが大きな夢です。現在は寄付やYouTubeからのわずかな収益に留まっていますが、IT事業を成長させることで、保護活動にもっと力を入れられる体制を整えたいと考えています。
経営を支える「やりたいこと」への情熱
――ご自身の価値観やリフレッシュ方法について教えてください。
経営において大切にしているのは「やりたいことをやる」というシンプルな考え方です。サラリーマン時代は会社の都合に縛られていましたが、今は自分の裁量で仕事を選び、時間を使えることに喜びを感じています。
プライベートではガーデニングを楽しんでいます。北海道の庭でバラや花、野菜を育てており、自然に触れる時間が日々の活力につながっています。
――最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。
不安があるなら、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいと思います。サラリーマンにも独立にもリスクはありますが、自分の情熱に正直に挑戦することでしか得られない景色があります。私自身も起業当初は不安でしたが、今はサラリーマン時代よりもはるかに充実しています。やりたいことを形にする勇気さえあれば、必ず自分の未来を切り拓くことができます。その一歩が、やがて社会や周りの人々に新しい価値をもたらし、より豊かな未来へとつながっていくと信じています。