ブランド価値を育てる伴走者として――S SAUCEが目指す“長く愛されるブランドづくり”

S SAUCE LLC 代表 鎌田 慎也氏

企業の成長において、商品やサービスの魅力をどのように伝え、社会との接点を築いていくかは重要な経営課題の一つです。S SAUCEは、企業のブランド価値を長期的な視点で高めることを目的に、ブランディング支援を行っています。短期的な話題づくりではなく、企業の本質的な価値と向き合いながら伴走する姿勢を大切にしている同社。今回は代表の鎌田慎也氏に、事業への考え方や創業の経緯、今後の展望について伺いました。

ブランド価値を長期的に高めることが事業の本質

――現在の事業内容について教えてください。

当社は企業のブランド価値を高めることに貢献していく会社です。単発的な話題づくりや一時的な注目を集めることではなく、ブランドパートナーとして中長期的にブランド価値を高めていくための戦略を考え、それを表現していくことが役割です。

ブランド価値にはさまざまな捉え方がありますが、身近な例で言えば、価格が上がったとしても選ばれ続ける状態もその一つだと思います。企業が持つ独自の価値や世界観を明確にし、それを社会や顧客に伝えていくことがブランディングの本質だと考えています。

――どのようなお客様とのお付き合いが多いのでしょうか。

当社はプロジェクト単位のお付き合いもありますが、基本的には、年間などある程度の期間を通してブランド構築・ブランド表現を考えられる枠組みでご支援をしています。ブランディングは一度施策を実施して終わるものではなく、経営課題として継続的に考え続ける必要があるためです。

業界を限定しているわけではなく、人材業界、ホテル業界、飲料関連、ファッション業界、スポーツ業界など幅広い企業とお付き合いがあります。企業ごとに異なる課題や価値観に向き合いながら支援を行っています。

経営者を目指したわけではなく、自然な流れで独立へ

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

もともと経営者になりたいと思っていたわけではありません。長年勤めていた会社を卒業しようと考えた際も、当初は転職をするつもりでした。

しかし、退職の話が周囲に伝わる中で「これを手伝ってほしい」「あの仕事もお願いしたい」といった相談が増え、気づけば仕事が集まるようになりました。その流れの中で契約を結び、自分の会社で事業を進める形になっていったのです。

振り返ると、独立や起業を強く意識していたというよりも、自然な流れの中で会社が形になっていった感覚に近いですね。

――独立前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

以前はワイデンアンドケネディトウキョウ でブランドディレクターを務めていました。アメリカ本社勤務の経験を経て、日本・韓国のビジネスをリードしていました。一般的には広告業界に分類されるかもしれませんが、広告枠の売買ではなく、ブランドクリエイティブに携わる仕事です。現在の事業にも、その経験が大きく生きていると思います。

品質を守りながら、緩やかな成長を目指す

――今後の展望についてお聞かせください。

大きな組織を目指して急成長したいという考えはありません。企業規模を拡大していくためには仕組み化やシステム化が必要になりますが、それが進みすぎると提案内容が画一化してしまう可能性があります。

ブランディングは差別化を考える仕事でもあります。どの企業にも同じ提案をするのではなく、一社一社と深く向き合いながら最適な答えを探していく必要があります。そのため、品質を維持しながら緩やかに成長していきたいと考えています。

また、お付き合いする企業についても、単に取引をするだけではなく、お互いに共感や尊重の気持ちを持てる関係でありたいと思っています。

――現在感じている課題はありますか。

クライアント企業を取り巻く環境変化が非常に速くなっていることです。AIをはじめとする新しい技術や、消費者との接点の変化によって、企業のビジネスそのものが変わり続けています。

ブランド価値は表面的なデザインや広告だけの話ではありません。変化する事業環境や顧客行動を踏まえながら、どのようにブランド価値を高めていくかを考える必要があります。これまでと同じ提案だけでは十分ではなく、多面的な視点から新しい価値を提案する力が求められていると感じています。

前向きな姿勢が良いブランドを生み出す

――仕事をするうえで大切にしていることは何でしょうか。

一番大切にしているのは、前向きに仕事をすることです。

クライアントとの関係も、チーム内の関係も、単なる契約関係ではないと思っています。お互いが仕事に前向きに取り組み、納得感を持ちながら協力できる状態が理想です。

ブランディングは一人で完結する仕事ではありません。さまざまな人が関わりながら形になっていくものです。だからこそ、関わる人たちがブランドに愛着を持ち、前向きに取り組める環境が重要だと思っています。その積み重ねが良いアウトプットにつながり、結果として良いブランドソリューションを生み出すのだと考えています。

――最後に、休日の過ごし方を教えてください。

できるだけ東京を離れて過ごすようにしています。海に入ったり、雪山で過ごしたりすることも好きで、自然の中に身を置くことで頭をリフレッシュすることを自分を含め、社員にも推奨しています。

また、心身のコンディションを整えることも大切にしており、オフィスでは週に一度ピラティスを取り入れています。常に新鮮な感覚で物事を考えられる状態を保つことが、仕事にも良い影響を与えていると感じています。

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