Amazon Kindle出版の先駆けとして海外市場を切り拓く――自らの実践を通じて新たな可能性を広げる

マキコミワークス合同会社 六本木 タツヤ氏

Amazon Kindle出版が日本で広まり始めた頃から電子出版の可能性に着目し、いち早く事業として取り組んできたマキコミワークス合同会社。現在は海外出版を中心に、日本人の著書を世界へ届けるサポートを行っています。新しい分野へ挑戦し、自ら実践して得た経験を事業へ生かしてきた六本木タツヤ氏に、事業の特徴や理念、経営に対する考え方、今後の展望について伺いました。

Kindle出版から海外出版へ――早期参入で築いた独自の強み

――現在取り組まれている事業内容や特徴について教えてください。

現在は「六本木デジタル海外出版塾」を運営し、約10年前からAmazon Kindle出版のサポートを行っています。

当時はAmazon Kindle出版に取り組む人がまだほとんどいませんでした。それでも、新しいものは早く始めるべきだと考え、事業をスタートしました。

取り組むうちに電子出版はビジネスになると感じましたが、同時に多くの人が参入し、競争が激しくなることも予想していました。そこで、日本人の本を英語へ翻訳し海外へ出版するサービスに着目しました。当時、このような取り組みはほとんど例がなく、他社との差別化につながると考えたからです。

――他社にはない強みはどのような点でしょうか。

オンラインを活用し、日本国内だけでなく世界へ向けた出版支援ができることです。まずは自分自身で試そうと考え、英語だけでなく、ドイツ語、フランス語、イタリア語など6か国語で出版に挑戦しました。

その結果、日本を含む13か国で1位を獲得し、6か国語で出版したことがWikipediaに掲載されました。自ら経験したからこそ分かることを、お客様へのサポートに生かせることが当社の強みです。

――社名の由来について教えてください。

Facebookを始めた当時、多くの人から「いいね」やシェアをしていただき、発信が大きく広がりました。自分なりに工夫を重ねた結果、多くの人へ情報が届くようになった経験があります。

多くの人を巻き込むことで、新しい価値や広がりが生まれる。その経験が社名の由来となり、「マキコミワークス」と名付けました。

――御社の理念やビジョンには、どのような思いが込められていますか。

私が大切にしているのは、「時代の先を読むこと」です。

以前から、日本の英語教育には課題があると感じていました。私自身も50歳のときに英検3級を受験しましたが、不合格という結果でした。その経験をきっかけに、試験のための勉強よりも、実際に使える英語を身につけることの重要性を実感するようになりました。

その後はYouTubeで英語を聞いたり、英語の本を読んだりしながら、自分なりに学習方法を模索してきました。ちょうど孫が生まれた時期でもあり、「将来、孫たちに英語の勉強法を教えられるようになりたい」という思いが、学び続ける大きな原動力になっています。

新しい価値を生み出す挑戦が経営の原点

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

私は海外出版の事業を始める前、日本でFacebookが普及し始めた頃に、Facebookの活用方法などのノウハウを提供していました。

それ以前は塾講師として国語を教え、作文指導も担当していました。作文には基本となる型があり、まずは設計どおりに組み立てることが大切だと考えています。この「分かりやすく伝える」という姿勢は、現在の海外出版の仕事にもつながっています。

――経営判断で大切にしていることを教えてください。

私は、これから流行るものに挑戦することを大切にしています。すでに多くの人が取り組んでいることを始めても、新しい価値は生まれにくいと考えているからです。

「これは来る」と感じたものに挑戦し、反応が良くなければ方向転換する。その繰り返しを続けてきました。経営者の仕事は、誰もやっていないことを形にし、0を1にしていくことだと考えています。

一人だからこそ実現できる事業スタイル

――組織づくりについてのお考えを教えてください。

現在は一人で事業を行っています。今後も組織を大きくすることは考えていません。人を増やすと管理に時間がかかるため、自分の感性や発想を生かせる規模を大切にしています。

また、AIが活用できることはAIに任せ、人だからこそできる発想や企画に力を注ぎたいと考えています。

AIを活用した新たな英語教育に挑戦

――今後取り組んでいきたい新しい挑戦について教えてください。

私は現在、二つの取り組みを進めています。一つは「還暦イングリッシュ」です。60歳を過ぎた方を対象に、AIを活用しながら英語で世界とつながる方法を提案しています。英語を一から覚えるのではなく、AIを使いこなすことで海外旅行や外国人とのコミュニケーションを楽しめるようにするという考え方です。

もう一つは、お母さんの人生を英語の本にして子どもへ残す取り組み「ママズヒストリー」です。子どもは自分の母親のことには興味を持ちやすく、身近な物語だからこそ自然と英語にも親しめると考えています。英語学習だけでなく、家族の歴史を次の世代へ伝えることにもつながる取り組みです。

伝える力と誠実さを大切にした仕事への姿勢

――経営の中で大切にしている考え方を教えてください。

私は、英語は「伝わればいい」という考え方です。文法や発音にこだわるよりも、自分の考えを相手に伝えることの方が大切だと思っています。AIが発達した今、翻訳や会話を支える技術は急速に進化しています。そのため、人が本当に磨くべきなのは、伝えたい内容そのものです。

その一方で、日本語を身につけることの重要性も感じています。日本語で物事を理解し、自分の考えを持っていなければ、それを英語で表現することもできません。本を読んだり、人との会話を重ねたりしながら、日本語で考える力を育てることが土台になると考えています。

――仕事をする上で譲れない信念を教えてください

私が最も大切にしているのは、「嘘をつかない」ということです。インターネット上には誇張した広告や過度な表現も多くありますが、そのようなやり方は選びません。

営業そのものは好きですし、ビジネスは勝負のような面白さがあります。しかし、それはルールの中で正々堂々と行うからこそ価値があります。相手をだますのではなく、自分の価値を正しく伝え、その上で選んでもらうことを大切にしています。

学び続けることが何よりの楽しみ

――休日のリフレッシュ方法を教えてください。

私は子どもの頃から本が好きで、今も英語を学ぶことが一番の楽しみです。中2レベルの英語をしっかり身につけたいという目標を持ち、日々学び続けています。

幸い、宅建免許も持っていますので、現在は「英語ができる宅建士」という自己紹介も使い始めています。

海外旅行にもあまり観光目的では行きません。訪れた土地では図書館や書店に足を運び、その地域ではどのような本が読まれ、どのような文化が育まれているのかを見ることが好きです。

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