データの可能性をAIで解き放つ――IoTの未来を切り拓く挑戦

株式会社テクサー 代表取締役CEO 朱 強 氏

IoT技術を軸に、センサーやネットワーク、データプラットフォームを手がける株式会社テクサー。近年はAIを活用した「エージェンティックIoT」を提唱し、データ活用の新たな可能性を切り拓いています。その根底にあるのは、「集めたデータを本当の価値へ変えたい」という想いです。本記事では、事業へのこだわりや創業の経緯、組織づくり、今後の展望について伺いました。 

データを集めるだけでは終わらせない――IoTとAIで新たな価値を創造する

――株式会社テクサーでは、どのような価値を提供されているのでしょうか。 

私たちは2016年の設立以来、IoTを軸に事業を展開してきました。センサーで収集したデータを分析し、ビルや展示会などさまざまな現場の課題解決につなげています。LPWA通信規格「ZETA」の日本総代理店としてソリューションを提供するほか、展示会DXサービス「IMeet」やスマートビルディング向けの遠隔監視システムも展開しています。

近年は生成AIを活用した「エージェンティックIoT」を提唱し、データを可視化するだけでなく、AIが分析や判断まで担う仕組みづくりに取り組んでいます。データを「集める」だけで終わらせず、「価値」として生かすこと。それが私たちの挑戦です。

 ――数あるIoT企業の中で、御社ならではの強みはどこにあるのでしょうか。 

私たちの強みは、センサーやネットワークからデータプラットフォーム、アプリケーション、AIまでを一貫して提供できることです。IoT業界では役割ごとに企業が分かれることが一般的ですが、私たちは約10年かけて技術領域を広げ、トータルソリューションを実現できる体制を築いてきました。

また、IoT分野でいち早く生成AIを活用し、「エージェンティックIoT」を提唱していることも特徴です。

データを集めるだけでは意味がありません。AIが分析や判断を担うことで初めて企業の資産となり、眠っていたデータを価値へ変えられることが、私たちならではの強みです。

技術への情熱を原動力に――IoTの可能性を信じて歩み続けた創業の原点

――起業を決意されたきっかけを教えてください。 

私はもともと半導体業界で、開発や技術サポートに携わっていました。アメリカ企業で技術と向き合う中で、その可能性に大きな魅力を感じていたんです。そんな中、中国で約1年間過ごした際、多くのベンチャー企業が次々と誕生する姿を目の当たりにし、「自分も新しいことに挑戦したい」という想いが強くなりました。

私はもともとハードウェアに強みがあり、 その延長線上にあったのがIoTです。「この技術なら社会に新しい価値を生み出せる」と確信し、株式会社テクサーを立ち上げました。

正直に言うと、私は経営よりも技術が好きなタイプです。会社を大きくすることより、新しい技術を生み出すことに夢中になってきました。「やりすぎ」と言われるほど対応領域を広げてきましたが、技術で勝負したいという想いは変わりません。

今も「この技術をどうすればもっと多くの人へ届けられるか」を考え続け、新しい技術で社会を少しでも前へ進めることが、私たちの役割だと思っています。 

――事業を続ける中で、変わらず大切にしている想いはありますか。 

IoTは長年、「データを集める技術」として発展してきました。しかし、データは集めるだけでは価値になりません。可視化した情報を人が判断するだけでは限界があり、多くの企業がデータを十分に活用できていないのが現状です。

私は、その課題を解決するのがAIだと考えています。AIが分析や判断を担うことで、眠っていたデータは初めて価値を持ちます。だからこそ「エージェンティックIoT」という新しい考え方を提唱し、IoTの次の時代を切り拓こうとしています。

技術は、人や社会の役に立って初めて価値があります。その想いだけは、創業当時から今も変わりません。 

AI時代だからこそ、求めるのは「チャレンジしたい」という意欲

――AI時代の人材育成について、どのように考えていますか。 

私たちの会社には、日本人をはじめさまざまなメンバーが在籍しており、展示会DXやビルディング事業など、それぞれが中心となって活躍しています。会社として大切にしているのは、経験や知識よりも「新しいことに挑戦したい」という気持ちです。

実際に、入社して間もない学生がAIを活用しながらアプリを開発し、新しいサービスを形にしています。その姿を見ていると、経験よりも「挑戦したい」という気持ちの方が大切だと改めて感じます。 

文系だから、プログラミング経験がないからと諦める時代ではありません。大切なのは、新しいことを学び、自分の可能性を広げたいという姿勢です。

――これからの時代、活躍できる人材とはどのような方だと思いますか。 

一緒に働きたいのは、新しいことが好きで、自分から挑戦できる人です。「こんなことをやってみたい」「将来こうなりたい」という目標や野心を持っている方であれば、きっと当社の環境を楽しめると思います。

一方で、安定だけを求める方には決して向いている会社ではありません。私たちは常に新しい技術へ挑戦し、これまでにない価値を生み出そうとしている会社です。だからこそ、自分自身も成長したいという想いを持つ方には、大きく活躍できる環境があります。

AIをどう使いこなし、新しい価値を生み出せるか。その挑戦を楽しめる仲間と、これからの時代を切り拓いていきたいですね。

データを「資産」に変え、IoTの未来を切り拓く

――現在、最も力を入れている取り組みについて教えてください。 

私たちが目指すのは、IoTで集めたデータをAIが分析・判断し、価値へ変えていく世界です。現在は「エージェンティックIoT」を軸に、展示会DXやスマートビルディングなどでAIエージェントの活用を進めています。展示会では、来場者と出展者をAIが事前にマッチングし、最適な出会いを生み出す仕組みを実現しています。

さらに、AIエージェントが人に代わって情報を整理し、営業活動まで支える世界も現実になろうとしています。 「データはあるけれど活用できない」という課題を解決し、データを本当の資産へ変えることが私たちの使命です。

IoTとAIを融合させ、新たな価値を社会へ届けていきたいと考えています。

――最後に、株式会社テクサーが目指す未来をお聞かせください。 

今後の課題は、個別開発だけでなく、多くのお客様に継続して利用していただけるプラットフォームを構築することです。展示会DXでは、「展示会365日」という考え方のもと、年間を通じてリード獲得やマーケティングに活用できる仕組みづくりを目指しています。

また、「エージェンティックIoT」をより多くの業界へ広げ、誰もがAIを活用したソリューションを生み出せる環境を整えていきたいと考えています。

データは「集める時代」から「価値へ変える時代」へ。

その変化をAIの力で支え、新たな社会インフラを築いていくことが、私たちの挑戦です。 

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