人とのつながりを力に、こだわりの焼豚を届ける――「笑助」が大切にする味と笑顔
合同会社笑助 代表 Emiri
合同会社笑助は、焼豚づくりに特化し、素材選びから仕込み、炭火での焼き上げまで一つひとつ丁寧に向き合うお店です。もともとは「もっとおいしい焼豚をつくりたい」という思いから独学で研究を重ね、何年もかけて現在の味にたどり着きました。家族との助け合いや、お客様との人と人とのつながりを大切にしながら、地域に愛される店へと歩みを進めています。
目次
「笑助」に込めた、家族とお客様への思い
――「笑助」という店名には、どのような思いが込められているのでしょうか。
「笑う」「助ける」という言葉の通り、笑顔で助け合うという意味を込めています。家族で経営していることもあり、妹がハンドメイド雑貨、私が焼豚を担当しています。ジャンルは違いますが、お互いに助け合いながらうまくやっていきたいという思いがあります。
それと同時に、お客様の食卓にも笑顔があふれてほしいと思っています。何か困ったことがあったときに、自分たちにできることがあればお手伝いしたい。そんな思いも「笑助」という名前に込めています。
――焼豚の道に進まれたきっかけを教えてください。
単純に焼豚を作るのが好きで「もっとおいしいものができないかな」と思って研究を始めたのがきっかけです。
最初は感覚だけで試していましたが、きちんとやりたいと思うようになり、窯や炭を何種類も試しました。材料や切り方も含めて、誰かに教えてもらうのではなく、一から自分で研究してきました。
何年もかけて試行錯誤を重ね、ようやく「これだ」と思えるところまでたどり着きました。
そして、本当においしいと思えるものができたなら、たくさんの方に食べていただき、「おいしい」と喜んでもらいたい。
そんな想いから、お店を始めました。
部位ごとの個性を見極める、焼豚へのこだわり
――焼豚づくりでは、どのようなところにこだわっていますか。
国産の豚肉を使い、部位ごとに焼き方を変えています。肉は一つひとつ大きさや状態が違うので、漬け込む時間や火の入れ方も、その日の状態を見ながら調整しています。
炭火で吊るして焼く際も、部位によって火の通り方が違うため、吊るす場所や高さを変えることがあります。バラ、カタロース、モモ、それぞれに難しさがありますし、脂の多い部位は、口の中でとろけるような状態を目指して何度も研究しました。部位ごとに最もおいしい状態を追求しました。
――特に人気の部位はありますか。
どれが一番売れているということはありません。それぞれにファンがいて、バラが好きな方はバラを、モモが好きな方はモモを選んでくださいます。3種類とも好きな方は、3種類すべて買ってくださいます。
一つだけを売るのではなく、それぞれの部位を同じようにこだわってつくっているので、それぞれに支持してくださるお客様がいることをありがたく感じています。
SNSだけではない、人と人とのつながり
――お客様との関係について、どのように感じていますか。
本当に人と人とのつながりで、ここまで来られたと思っています。お客様の多くが常連の方で、紹介を通じて新しいお客様が来てくださることも多いです。
最初は自分でビラを配ることもしましたが、今は紹介でつながっていくことが大きいです。
年齢層の高いお客様が多くご来店くださる笑助では、皆様が人と人とのつながりをとても大切にされていることを感じます。
ご友人やご家族と一緒にお店へ連れてきてくださったり、そのつながりがまた新しいご縁へと広がっていったり。
そんな皆様のあたたかいつながりに触れるたびに、本当に嬉しく、ありがたい気持ちになります。
お客様の目線で考えることを投資に
――お店を続ける中で、大切にしていることはありますか。
テイクアウトなので、お客様との接客時間はどうしても短くなります。だからこそ、できる限り扉を開けたり、お見送りの際にきちんとお礼を伝えたりすることを大切にしています。
店の入り口には段差があるため、足の悪い方には手を添えて階段を下りるところまでお手伝いしています。また、階段を上ることが難しい方のために、外には呼び出しベルを置き、呼んでいただければすぐに対応できるようにしています。
ほかのお客様を少しお待たせしてしまうことがあっても、自分たちにできることはできる限りしたいと思っています。
お客様一人ひとりに向き合うために時間をかけることも、私たちにとって大切なことです。これからもお客様の目線で考え、「自分たちに何ができるのか」を常に考えていきたいと思っています。
――現在、向き合っている課題や今後やってみたいことはありますか。
年齢層の高いお客様が多いからこそ、買いに来ること自体が難しい方もいらっしゃいます。暑い時期に自転車で来ることが難しかったり、足が悪くて外出できなかったり、家族に連れてきてもらわないと来店できなかったりする方もいます。
そういう方には、個人的に届けに行くこともあります。今後は、そうした方たちに対して、自分にできることがもう少しあるのではないかと考えています。
焼豚を通して、おいしい時間と笑顔が増えるように
――今後、どのような店にしていきたいですか。
焼きの工程については、今も基本的に自分が担当しています。
肉の状態を見ながら、「もう少し焼こう」「ここで止めよう」と、その時々で感覚的に調整する部分もあるため、そこはこれからも自分でやっていきたいという気持ちがあります。
毎日のように焼いていても、毎回焼くたびに「今日もおいしくなってほしい」という気持ちが自然と出てきます。その気持ちは、きっと焼豚にも伝わると信じています。
そして、こうして毎日焼豚を作ることができるのは、お客様が笑助を選び、買いに来てくださるからこそです。作らせていただけること自体に、いつも感謝しています。
これからも、お客様に来ていただける限り、一人でも多くの方に喜んでいただける焼豚を作り続けたいと思っています。
ご自宅で食べて笑顔になっていただくことはもちろん、大切な方への贈り物として、贈った方にも、受け取った方にも笑顔になっていただけるような焼豚を届けていきたいです。