「面白い」を起点に、人の夢を支える――3つの事業をつなぐグランパスコンサルティングの経営
グランパスコンサルティング株式会社 代表取締役 大平 祐輔氏
グランパスコンサルティング株式会社は、ITコンサルティング、学習塾、結婚相談所という3つの事業を展開しています。一見すると異なる領域ですが、大平祐輔氏にとって、その根底にある考え方は共通しています。「働く人の夢を実現する会社でありたい」という想いを持ちながら、会社の規模そのものを追うのではなく、一人ひとりの価値観や働き方を尊重する大平氏。独立の背景から組織づくり、経営判断で大切にしている価値観、そして自身が描く夢について伺いました。
3つの事業に共通する「課題を見つけ、解決する」という考え方
――現在の事業内容や、会社の特徴について教えてください。
現在は大きく3つの事業を行っています。1つ目が創業時から続けているITコンサルティング事業です。特にSAPのコンサルティングを専門にしています。
2つ目が学習塾事業で、武田塾をFCで2店舗ほど運営しています。そして3つ目が結婚相談所事業ですね。分野だけを見ると「バラバラですね」とよく言われるのですが、私自身はあまりそう感じていません。
結局、どの事業でも「お客様が抱えている問題は何か」「原因はどこにあるのか」「どうすれば解決できるのか」を提案するお仕事だからです。学習塾であれば生徒の勉強における課題を分析し、解決方法をアドバイスする。結婚相談所でも、結婚に至らない原因を考え、どうすれば前に進めるのかを一緒に考えます。
IT、教育、結婚相談所と切り口は違っても、やっていることはコンサルティングという意味で同じなんです。
――独立し、会社を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。
もともとは大手SIerで、2008年から2020年まで約12年間働いていました。会社員生活の後半になると、少しずつ働き方に窮屈さを感じるようになったんです。
独立したいという夢を以前から持っていたわけではありません。むしろ、自分が勤めていた会社自体は好きでした。ただ、別の会社へ転職するより、自分で会社をつくった方が理想とする働き方を実現できるんじゃないかと思った。それが起業のきっかけですね。
大きな野心があったというより、ある意味では会社員として感じていた生き苦しさから生まれた会社なんです。当時はフリーランスという働き方への注目も高まっていて、その影響も受けました。不安や怖さはほとんどなく、「とりあえずやってみよう」という感覚でしたね。
会社ではなく、働く人を主役にする
――今後、どのような会社にしていきたいと考えていますか。
会社そのものを大きくしたいという気持ちは、あまりありません。それよりも、働いている人が幸せになることの方が大切だと考えています。
会社が主役ではなく、そこで働いている人が主役。その人の夢や理想とする働き方を実現するために、会社がサポートするような関係が理想です。「人が会社に合わせる」というより、「会社が人に合わせる」に近いですね。
もちろん、人数が何千人、何万人となれば、一人ひとりに合わせるのは難しいと思います。ただ、少なくとも自分の目が届く範囲であればできるはずです。
幸せの形も人によって違います。子どもと過ごす時間を大切にしたい人もいれば、たくさん稼ぐことに幸せを感じる人もいる。それぞれの価値観に合った働き方ができればいいと思っています。
――一緒に働きたいと感じるのは、どのような人でしょうか。
「おもろい人」というのは結構大事ですね。当社には、経歴や国籍も含めてさまざまなバックグラウンドを持つ人が関わっています。
働き方についても正社員だけにこだわっていません。正社員から独立してフリーランスになった人に業務を発注することもありますし、業務委託という形で関わってもらうこともあります。
こう働いて欲しいというのはあまりなく、こういう働き方がしたいと提案していただいても構いません。自由度が高い分、自分の仕事に専念できる環境にしたいと思っています。
「楽しいかどうか」が経営判断の出発点
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
まずは「楽しいか」「面白いか」ですね。楽しくないことは、あまりやりたくないんです。
「儲かるかどうか」はその次です。最初から儲かることを起点にすると、自分自身があまり乗ってこない。まず楽しいことがあって、その次に「それが儲かるか」を考えるイメージです。ある程度利益を生めなければ、社員が安心して働くこともできませんし、自由な働き方を実現することもできません。
一日の中で仕事に使う時間はかなり長いですよね。その時間がつまらなければ、人生の大部分まで楽しくなくなってしまう。だからこそ、仕事をしている時間を面白く過ごすかは大事だと思っています。
私自身は3つの事業すべてで現場に入っています。かなり長い時間働いていますが、仕事というより遊んでいるような感覚なんです。楽しいから続けられるんですよね。
――現在感じている経営上の課題はありますか。
もともと社員ゼロから始めた会社ですが、採用はもっと強化していきたいと考えています。
フリーランスや業務委託の方との働き方は自分に合っていると感じる一方で、正社員を含めて人を増やしていきたい気持ちもあります。そのため、採用活動には改めて力を入れています。
ただ、無理に規模を追いたいわけではありません。働く人を大切にするという考えは変えず、その人に合った形で一緒に働ける関係をつくっていきたいですね。
教え子たちと会社をつくることが、これからの夢
――今後、個人的に実現したい夢はありますか。
最近、自分の夢として考えているのが、学習塾で教えていた子どもたちが大学生になり、当社で働き始めて、最終的には社員になってくれることです。
自分の教え子たちだけで会社を回せるようになったら面白いですよね。子どもの頃から知っているので、お互いの気心も分かっています。大学に進んで、インターンなどで関わってもらい、そこから一緒に働くようになる。そんな流れをつくれたら、すごく充実するだろうなと思っています。
私自身、これまでマイナスだと思っていた経験が、後になって仕事につながることがありました。高校で学んだ簿記やITもそうですし、自分が苦しんだ経験も、今では学習塾で子どもたちと話すときに生かせています。振り返ると、いろいろな経験をプラスに変えてこられたと感じますね。
これからも「楽しい」「面白い」という感覚を大切にしながら、一緒に働く人がそれぞれの夢や幸せを実現できる会社でありたいと思っています。