スピードと北海道愛で未来を拓く――美容の可能性を広げる一貫体制

株式会社CBS 代表取締役 小山 直文氏

株式会社CBSは、化粧品や美容機器の企画・開発、製造、販売、OEMに取り組んでいます。設計から生産、販促支援までを可能な限り自社で担い、スピードと柔軟な対応力を磨いてきました。30年以上にわたり築いた取引先との信頼関係を生かし、小ロットの相談にも応えています。本記事では代表の小山直文氏に、事業の強み、健康と美容の道へ進んだ背景、組織づくり、今後の研究開発について伺いました。

小さな巨人が、美容を動かす

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

化粧品や美容機器の企画・開発、製造、販売、OEMを行っています。美容機器の金型そのものは専門メーカーへ外注していますが、その手前にある3Dプリンターを使った設計や図面の作成は自社で担っています。

一番の強みはスピードです。大きな会社では各部署に分かれていますが、当社には必要な機能が社内にあります。大手では1~2年かかるような案件を、半年から8か月ほどで進めることもあります。

――小規模な事業者にも対応できるのでしょうか。

弊社は30年以上の事業を通じて、部品メーカーや原料メーカーなど、多くの取引先と信頼関係を築いてきましたので、他社ではすぐに仕入れられないものを確保できる場合もあり、少量生産を希望するお客様にも、極端に価格を上げずに提案できます。

商品をつくるだけでなく、ホームページの制作支援、パンフレット制作、写真撮影も自社の制作部門が担います。必要に応じて外部へ依頼しますが、基本的には自社で完結させます。やりたいことを自社で実現できる、小さくても大きな力を持つ会社でありたいと考えています。

健康への願いを、美容の力に

――経営者になられた経緯を教えてください。

幼い頃、母方の親族には事業を営む人が多くいました。田舎へ帰ると、住んでいる家や身につけているものが自分の家庭とは違い、それが強く印象に残っていました。父は上場企業に勤める会社員でしたが、私はいつか自分も経営者になりたい、お金を持てるようになりたいという思いを持つようになりました。

――現在の事業へ進んだ背景には、どのような経験があったのでしょうか。

母が39歳で白血病を患い、私は大学進学を断念して、高校卒業後に働き始めました。治療を受ける母に何もしてあげられないという無力感から、誰かの役に立つことや、健康に関わる仕事をしたいと考えるようになりました。

最初は浄水器の販売など、健康産業に携わりました。その後、健康と美容は表裏一体だと考え、美容業界へ進みました。当時のエステは一部の人が利用するものという印象でしたが、将来はより身近になると感じていました。

私自身もエステの現場に立ち、お客様を担当していました。美容を通して自信を持った方が、表情や立ち居振る舞いまで変わっていく。その姿を間近で見ることが楽しく、次第に美容の仕事へ深くのめり込んでいきました。

笑顔がつなぐ、強いチーム

――採用や人材育成で大切にしていることを教えてください。

一緒に働きたいと思うのは、元気があり、笑顔のある人です。幼い頃から「笑顔は最大の力であり、太陽のようなものだ」と言われて育ちました。母もいつも笑顔で、地域の行事では自然と周囲に人が集まっていました。

私の経験では、笑顔のある人には素直な人が多く、吸収や行動が早いと感じています。失敗を終わりと考えず、成功へ向かう通過点として受け止められる人も多いです。

――笑顔が組織に与える影響を感じた出来事はありますか。

グループ内には、入社から約6年で取締役になった社員がいます。その人は、仕事の能力だけでなく、笑顔によって周囲を動かしてきました。失敗したときには周りが支え、チームワークが生まれ、部門全体が活き活きとしていきました。

仕事にはつらい時期もあります。だからこそ、その時に笑顔を意識できる人は強いと思います。笑顔のある人ほど周囲と協力し、自分からも人を支え、結果的に仕事を前へ進めています。

逆境を越え、次の成長へ

――現在、事業ではどのような課題に直面していますか。

製造量を約4倍に増やすための工場を整え、100年続く企業の基礎をつくろうとしてきました。しかし現在は、プラスチック原料や化粧品容器、ラベル、包装箱、フィルムなどが手に入りにくく、価格や納期も見通しにくい状況です。注文をいただいても、資材がそろわず生産できないことがあります。

今は将来の数字を語るよりも、まずこの状況を耐え抜くことが重要です。厳しい時期に残った会社が、その後に大きく伸びる例を見てきました。今は耐えながら、次に成功するための準備を進めています。

――具体的には、どのような取り組みを進めていますか。

各地に少しずつ残る在庫を集め、必要とする企業へつなぐビジネスマッチングに取り組んでいます。また、同業他社を競争相手と考えるだけでなく、互いに不足する原料や資材を補い合う関係づくりも進めています。

TikTokやYouTubeなどのSNSでは、台本を用意せず、自分の考えや北海道の魅力を率直に発信しています。発信を見た相手が人柄を知ることで、面談や協業の話につながりやすくなりました。広告収入が目的ではなく、人とつながり、事業を前へ進めるための発信です。

北海道の恵みを、世界の価値へ

――今後、どのような研究開発に力を入れていきますか。

商品を十分に生産できない時期でも、研究開発は進められます。現在は開発部門の力を、北海道の原料を生かした新しい化粧品づくりへ大きく振り向けています。

北海道で養殖されたチョウザメのキャビアを活用した化粧品分野では特許を取得し、地元の生産者と連携しながら、北海道の商品や文化を発信するプロモーションにも取り組んでいます。さらに、牛乳を使った原料についても特許申請を見据え、新しい設備の導入と研究を進めています。

――北海道への思いを教えてください。

私は北海道の出身ではありませんが、好きになりすぎて移住し、本社も北海道へ移しました。仕事で海外へ行くと、日本という言葉以上に「北海道」に反応してもらえることがあります。アジアでも欧米でも知られており、大きな可能性を感じています。

牛乳などの素材は、加工することで新しい価値を持つ商品へ変えられます。加工の過程で生まれる副産物も、廃棄物にするのではなく資源として有効活用できれば、生産者にも環境にも良い循環をつくれます。北海道にある素材を特許や商品へつなげ、世界へ届けていく。その挑戦をこれからも続けていきたいです。

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