純粋な想いと寄り添う姿勢で、小規模事業者の未来を支える――フォーナイン株式会社が目指す経営支援
フォーナイン株式会社 代表取締役 橋本 健一氏
小規模事業者が抱える経営課題は、事業そのものだけでなく、法務や労務、補助金、相続など多岐にわたります。フォーナイン株式会社は、そうした課題に対し、一つの窓口として寄り添いながら必要な専門家とつなぐことで、経営者を支援しています。本記事では、代表取締役の橋本健一氏に、事業への想いや経営理念、今後の展望について伺いました。
目次
小規模事業者に寄り添う「経営の窓口」
――現在取り組まれている事業の特徴や、他社にはない強みを教えてください。
当社は、小規模事業者を主な対象として経営支援を行っています。経営を続けていく中では、補助金申請や法務、労務、相続など、さまざまな場面で士業の力が必要になります。しかし、多くの事業者にとっては、どの専門家に相談すればよいのか分からなかったり、それぞれに依頼する負担が大きかったりすることも少なくありません。
そこで当社では、一つの窓口となり、お客様のお悩みを伺ったうえで必要な専門家と連携しながらサポートしています。経営者自身が現場に立ちながら会社を運営している企業は数多くあります。そのような方々が安心して相談できる存在となり、経営全体を支えていくことが当社の強みです。
「999.9」に込めた純粋な想い
――御社の理念やビジョンについて教えてください。
社名の「フォーナイン(999.9)」は、純金の延べ棒に刻まれる「999.9」に由来しています。不純物がない純金のように、純粋な気持ちでお客様と向き合い、完成度の高い仕事を提供したいという想いを込めました。
一つひとつの仕事を丁寧に行い、どこまでも寄り添う姿勢を大切にしています。また、社員だけでなく私自身も、日々の生活を正しく送り、家族を大切にし、社会に貢献できる人間であることが、お客様への誠実な対応につながると考えています。
ホームページに掲載している理念やミッション、ビジョン、コアバリューも、すべて自分自身で言葉を考えました。会社を設立する以前から持ち続けてきた考え方を、そのまま言葉にしたものです。
「教える」ではなく「寄り添う」経営支援
――経営の中で大切にしている考え方を教えてください。
私は「コンサルティング」という言葉よりも、「伴走」や「寄り添う」という言葉のほうが好きです。
お客様に何かを一方的に教えるのではなく、それぞれが持っている考え方を尊重しながら、社会環境の変化に合わせて一緒に軌道修正していく。その中で新たな気づきを得ていただくことが、本来の役割だと思っています。
私は「プライベートコンサルタント」という言葉も使っています。一人であらゆる課題を解決できるわけではありません。そのため、自分自身も新しい知識や経験を積み重ね、対応できる領域を広げていく挑戦を続けています。
独立を決意した理由と経営の信念
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともと人の会社では、自分が思い描く働き方や、お客様との関わり方を実現することが難しいと感じていました。
現在も保険代理店事業に携わっていますが、保険だけではお客様を十分に支えられない場面があります。制度上の制約もあり、本当に寄り添いたい部分まで踏み込めないこともありました。
そこで、お客様と最後まで関わり続けられる会社をつくりたいという想いから、フォーナイン株式会社を設立しました。
また、経営判断においては、「継続できることを行う」という考えを大切にしています。一時的に利益が出る仕事ではなく、長く続けられる仕事を選ぶこと。そして、自分たちで仕事をつくる文化を育てることを信条としています。
営業を外部に依存するのではなく、自分たちが良い仕事を積み重ねることで、お客様から選ばれる会社でありたいと考えています。
協業だからこそ生まれる価値
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
当社は社員を増やす形ではなく、「協業」というスタイルを採用しています。士業を中心とした約10名のアライアンスパートナーと連携し、それぞれの専門性を活かしながらお客様を支えています。
コミュニケーションでは、できるだけ同じ時間を共有すること、自分の考えを率直に伝えることを意識しています。また、社会の変化や会社の方向性についても積極的に共有し、同じ目的意識を持って活動できるよう努めています。
私自身には持っていない専門知識や資格を、パートナーの皆さんが持っています。その専門性を尊重し、お互いの強みを活かせる関係づくりを大切にしています。
社会の変化に対応しながら、新たな支援へ
――今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今後は補助金支援に加え、「BCPコンサル」の分野にも力を入れていきたいと考えています。
災害などの緊急時に備えるBCPは、大企業では整備が進んでいますが、小規模事業者ではまだ十分とは言えません。その仕組みづくりを支援することで、地域企業の経営基盤をより強くしていきたいと考えています。
一方で現在の課題は、仕事量の波が大きいことです。経営支援の仕事は案件が集中する時期もあり、継続的な受注体制づくりが今後の課題となっています。
また、法改正や社会制度の変化が非常に速い時代になっています。私はこれを「コンプライアンスリスク」と捉えており、小規模事業者がそうした変化に対応できるよう支援していくことが、これからの重要な役割だと考えています。
会社に文化を残すことが本当の支援
――経営者として譲れない想いを教えてください。
私が目指しているのは、お客様の会社に「文化」を残すことです。
経営の仕組みやバックオフィス体制が整っていない会社には、それらを一緒につくり上げます。しかし、その文化が社内に根付き、自走できるようになれば、いつまでも当社と契約し続ける必要はありません。
何年も顧問料だけをいただき続けるような関係ではなく、お客様自身が成長し、自立していくことこそが理想だと考えています。
休日はゴルフを楽しむほか、自宅で燻製を作りながら晩酌をすることがリフレッシュになっています。仕事でもプライベートでも、一つひとつを丁寧に積み重ねる姿勢を大切にしながら、これからも地域の事業者に寄り添い続けていきます。