長崎から世界へ、バスケットボールで子どもたちが挑戦できる育成環境をつくる

株式会社GLOBAL-B 代表 中川 和之氏

株式会社GLOBAL-Bは、長崎市を拠点とする育成型バスケットボールクラブ「DIVER CATS NAGASAKI」を運営しています。掲げる理念は「挑戦・感謝・成長」です。競技力だけでなく人間力も育み、長崎から全国、そして世界で活躍する人材の育成を目指しています。子どもたちが世界へ挑戦できる環境づくりに取り組む中川氏に、これまでのキャリアや譲れない価値観、今後実現していきたいことなどについて伺いました。

「挑戦・感謝・成長」を軸に、長崎から世界を目指す

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、DIVER CATS NAGASAKIというバスケットボールクラブを運営しています。クラブチームはU-12とU-15の男子カテゴリーがあり、週1回のスクールは男女を問わず、基本的に全カテゴリーが対象です。

スクールでは、技術を学ぶことを中心としています。一方、クラブチームは日々練習を重ね、その成果を大会や公式戦で発揮していく場になります。大きく分けると、これら2つが現在の事業です。

また、年間10回以上の県外遠征を行い、全国トップレベルのチームとも交流しています。Jr.ウインターカップ長崎県予選では2年連続ベスト4、長崎県U14ウインタークラブゲームズでもベスト4に入りました。全国トップレベルチームとの交流大会「DIVER CATS CLASSIC」も開催しています。

――DIVER CATS NAGASAKIが大切にしている理念を教えてください。

「挑戦・感謝・成長」を理念に掲げています。「DIVER」という名前にも、「究極のチャレンジャー」という意味を込めました。

私たちが目指しているのは、単にバスケットボールがうまくなることではありません。子どもたちが挑戦できる環境をつくり、その経験を通して人としても成長していくことを大切にしています。

「何のためにコーチをするのか」「なぜDIVER CATSなのか」という部分は、選手だけでなく、保護者やコーチにも繰り返し伝えるようにしています。

安定した環境を離れ、自分が信じる挑戦を選ぶ

――これまでのキャリアについて教えてください。

選手としては、学生日本代表のキャプテン、日本代表の副キャプテンを経験し、プロ選手として国内外でプレーした経歴があります。その後は、大学やWリーグ、国体などトップカテゴリーで指導に携わってきました。

IPU・環太平洋大学女子バスケットボール部では2018年から2024年まで監督を務め、着任2年目からインカレ出場へ導きました。2023年度には皇后杯ベスト16に入り、岡山県成年国体女子監督としては「かごしま国体」でベスト8を経験しています。

現在はDIVER CATS NAGASAKIの総監督として、これまで選手、指導者として経験してきたことを、長崎の子どもたちの育成に生かしています。

――現在の挑戦を始める上で、どのような決断がありましたか。

大学では教職員として働いていました。安定した職業で、給料も良かったです。それでも、自分が本当にやりたいことをやろうと考えました。

無職のような状態になっても構わないから挑戦したい、という気持ちがあったんです。不安と一緒に生きるよりも、理想とともに生きるほうを選びたいと思いました。

――仕事をする上で、譲れない価値観はありますか。

最も大切にしているのは、理念に共感し、一緒に志を持って挑戦してもらえるかどうかです。スポンサーもスタッフも、その点は変わりません。お金を出していただけるという理由だけで、一緒に仕事をすることはないと考えています。

実際に、考え方が合わないと感じてスポンサーのお話をお断りしたこともあります。スタッフについても、言葉だけで行動が伴わないのであれば、たとえボランティアであっても一緒には活動しません。

一番にあるのは子どもたちです。私の背中には子どもたちがいる、という感覚があります。その意識は常に持つようにしています。

上下関係ではなく、それぞれの役割で支える組織へ

――組織内のコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。

誰が上で誰が下という関係ではなく、全員が平等であることが基本です。もちろん、私は総監督ですし、これまでの経験に対するリスペクトは持ってもらっています。

ただ、組織としては、それぞれが自分の役割を果たさなければ成り立ちません。そのため、縦の関係を強くするのではなく、ざっくばらんに話せるコミュニケーションを意識しています。

一方で、コーチングは私が専門としてきた分野です。コーチングに関する考え方は、周囲のコーチにもきちんと共有するようにしています。

――一緒に活動したいのは、どのような人ですか。

子どもの成長という視点から逆算して考えられる人です。勝つため、人を増やすため、収入を上げるためなど、組織を運営する上ではさまざまな視点があります。

しかし、最初に考えなければならないのは、「何のために私たちはコーチをしているのか」という問いです。DIVER CATSでは、子どもたちの成長を中心に据えています。そこを共有できる人と一緒に取り組みたいと考えています。

専用アリーナを拠点に、世界と日常的につながる環境をつくる

――今後、実現していきたいことを教えてください。

最終的には、DIVER CATS専用のアリーナをつくりたいと考えています。体育館だけではなく宿泊施設も備え、世界との交流拠点にする構想です。

日本は島国なので、ヨーロッパのように国境を越えて簡単に試合や交流ができる環境ではありません。だからこそ、自前の体育館と宿泊施設があれば、韓国、フィリピン、台湾、アメリカなどからチームを呼ぶことができます。

小中学生のうちから、子どもたちが大きなお金をかけずに世界と交流できる機会をつくりたいです。バスケットボールを教えるだけでは限界があります。挑戦できる環境そのものを提供することが、大人の仕事だと考えています。

――なぜ、その挑戦を長崎から始めるのでしょうか。

東京や大阪ではなく、長崎から発信することに意味があると思っています。鎖国が続いた時代にも、長崎は世界とつながっていた場所です。

私は引退したときに、「バスケットボール界の坂本龍馬になりたい」と話しました。変革者になりたいという思いがあり、龍馬が最初にカンパニーをつくった長崎で、私も挑戦を始めています。

長崎から全国へ、そして世界へつながる環境をつくり、そのための挑戦をこれからも続けていきたいと考えています。

猫と晩酌で気持ちを切り替え、次の挑戦へ

――忙しい日々のなかで、どのようにリフレッシュしていますか。

猫を抱っこしながらお酒を飲むことです。そこでバスケットボールを見たり、映画を見たりして過ごしています。私にとっては、これに勝るものはありません。

仕事では大きな夢や理想を追いかけていますが、休むときはそうした時間を大切にしています。しっかり気持ちを切り替えながら、これからも長崎の子どもたちが夢に挑戦できる環境をつくっていきたいです。

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