数字を意思決定の力に、幅広い財務経験を活かして伴走する経営支援

高久コンサルティング株式会社 代表/公認会計士 髙久 雄丞氏

経営者にとって、財務の数字は企業の現在地を示すだけでなく、次の一手を考えるための重要な材料です。高久コンサルティング株式会社が目指すのは、数字や財務情報を整理して伝えるだけではなく、外部CFOのような立場から経営者に寄り添い、意思決定とその後の実行まで支援すること。前職で16年間にわたり幅広い財務領域を経験してきた髙久氏に、独立の背景や仕事で大切にしていること、これから目指す姿について伺いました。

数字を伝えて終わらない、経営者の意思決定と実行に伴走する

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、経営者の方に数字や財務情報を整理した形でお伝えし、意思決定を支援することを大きな柱としています。具体的には、採算管理や資金繰りの見える化、事業計画の策定など、経営者が日々向き合う数字のテーマを中心に支援しています。M&A対応や資金繰り逼迫時の有事対応も含まれます。イメージとしてはCFOに近いのですが、あくまで外部からCFOのような立場で経営者に寄り添う形です。

――支援する上で、特に大切にしていることは何でしょうか。

私が大切にしているのは「伴走すること」です。一般的な財務コンサルティングは、戦略の立案や資料の提供までを担い、実行は企業側に委ねられることも少なくありません。私は、その企業の状況や経営者の考えを理解した上で一緒に考え、意思決定の後の実装や社内への定着まで、一貫して伴走することを大切にしています。 

当社は設立後間もないため、これまで培ってきた経験を活かして、こうした支援をこれから提供していく企業だと捉えています。私自身がしっかりサポートしたいと思える企業のために、丁寧に仕事をしていきたいです。

16年の経験を1つにつなぎ、自分自身で最後まで向き合える仕事へ

――独立し、経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

何か壮大なビジョンがあったというより、もう少し広がりのあるコンサルティングをしたいと思うようになったことがきっかけです。

前職は大きな組織でしたので、ルールやマニュアル、サービスごとの役割分担もしっかりしていました。それ自体に問題があるわけではありません。

私は16年間のキャリアのなかで、3〜4年ごとにさまざまなサービスラインを経験してきた経緯があります。そのなかで、目の前のお客様に別の財務課題が生じた際にも、自分の経験を使いながら、そのまま支援したいと思うことがありました。

独立すれば、私自身でお客様の状況を理解し、そのまま支援できます。もともと財務分析や戦略を考えることも好きでした。

自社の戦略も私自身で考えてみたいという思いに加え、仕事の時間や家庭とのバランスも含め、私自身でコントロールしたいという気持ちが独立につながっています。

――これまでのキャリアは、現在の強みにどうつながっていますか。

監査、事業会社での管理会計・連結決算、M&A、事業再生と、複数のサービスラインを経験してきたことは、現在の強みの1つだと考えています。 例えば、M&Aと事業再生では、企業が置かれているステージが大きく異なりますが、私はその両方を経験してきました。

そのため、伴走している企業で財務に関する何らかの出来事が起きた際に、まったくわからないということは基本的には少ない認識です。幅広い知識と経験を持つ伴走者として、初動を間違えずに対応できる点は強みだと考えています。

担当を変えない一貫した支援と、背景まで伝えるコミュニケーション

――現在の組織運営について、どのように考えていますか。

現時点では、積極的に社員を増やしていく考えはありません。人を雇う以上、その人の仕事や働く環境にも責任を持ちたいと思っています。

働くからには、楽しく、面白い仕事ができる環境を用意したいです。仕事そのものの魅力も提供したい一方で、今の規模では、そこまで責任を持って約束できる段階ではないと考えています。

ですので、私自身がお客様から状況やニーズを伺い、その私が中心となってサービスを提供します。担当者が途中で変わったり、契約時に話した人とは別の人が実務を担当したりすることは基本的にありません。

将来的に誰かと一緒に取り組むとすれば、部下というより、同じような経験やマインドを持つ方とパートナーのような形で展開する可能性はあると思っています。

――お客様とのコミュニケーションで心がけていることはありますか。

相手に誤解を与えないことを意識しています。そのため、どうしても言葉が多くなる傾向があります。

例えば、メールで「これを送ってください」と用件だけを書くのではなく、なぜ必要なのかという背景まで伝えます。期限についても、一方的に指定するのではなく、「望ましい期限はここですが、難しい場合は相談して決めましょう」といった伝え方を心がけているところです。

同じ言葉でも、相手との関係性や置かれている状況によって受け取り方は変わるものです。だからこそ、前後の文脈をできるだけ補った上でコミュニケーションを取りたいと考えています。

顧客数を追うのではなく、1社1社への付加価値を高める

――今後、事業をどのように展開していきたいと考えていますか。

広くたくさんのお客様を増やしたいとは思っていません。私の目が届く範囲のお客様に対して付加価値を高めることを通じて、その企業の関係者が豊かになることにつなげたいと考えています。

その意味でも、上流から経営に関わるコンサルティング案件を増やしていくことが、私の目指す方向に近いです。

――新たに取り組んでいきたいテーマはありますか。

テクノロジー基盤は整えていきたいと考えています。特にAIは進化が速く、便利なものだと思う一方、当社は機密性の高い情報を扱う立場です。そのため、「便利だからすぐ使う」というより、情報を確認した上で、リスクと活用価値の両方を検証する必要があると考えています。

また、私自身としては、社外役員の領域も関心のあるテーマの1つです。

これまでは業務委託という完全に外部の立場から支援してきましたが、私自身も経営者になったからこそ、役員の1人として一定のリスクを共有しながら、より内部に近い場所で専門性や外部目線を活かす機会を持ちたいと考えています。

家族との時間を大切にしながら、自己研鑽にも時間を使う

――お休みの日は、どのようにリフレッシュされていますか。

家族と一緒に過ごすことが一番のリフレッシュです。息子が野球をしているので、帰ってきたときに「今日はどうだった」と話をするのも楽しみの1つになっています。

私自身も野球をしていましたが、息子も中学生になりました。今は技術を教えるというより、体調管理や体づくり、食事などの面でサポートしています。

娘とはカラオケに行くこともあります。娘が歌う姿を動画に残すのが毎回の楽しみです。

――今後、もっと時間を使っていきたいことはありますか。

自己研鑽の時間を確保したいです。変化の速い時代において、経営者の皆様に価値を提供し続けるためには、自分自身の知識やスキルのアップデートが欠かせないと感じています。ただ、日々の仕事に追われるなかで想定していたほど自己研鑽の時間を確保できていないというのが正直なところです。

仕事の時間や家庭とのバランスも大切にしながら、新しい知識の習得やスキルアップにもきちんと時間を使っていきたいです。

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