「本当に合う寝具」を届けたい――試して選べる店づくりを貫くスリープライフみわの挑戦

スリープライフみわ 店長 三輪 誠氏

祖父の代から約65年にわたり、寝具を中心とした事業を続けてきたスリープライフみわ。現在は、メーカーを問わず約30種類のマットレスを1週間無料で試せる貸し出しサービスを展開するほか、立位測定器や体圧測定器を活用したオーダーメイドの枕やマットレスにも対応しています。 高価な商品を勧めるのではなく、一人ひとりに本当に合うものを届けることを大切にする三輪誠店長に、事業の特徴やこれまでの転機、今後の展望について伺いました。

自宅で試して、自分に合う寝具を選んでもらう

――現在の事業の特徴や、他店にはない強みについて教えてください。

現在、特に特徴的なのが、メーカーを問わず約30種類のマットレスを1週間無料で貸し出していることです。基本的には一度ご来店いただき、商品を確認していただいたうえで貸し出しています。

一般的なトライアルでは、一度商品を購入して、合わなければ返品する仕組みもありますが、当店では購入前に実際の生活環境で試していただけます。多くの方が3〜4種類ほど試され、最終的には90%以上の方が何らかの商品を選んでくださっています。

私自身、腰痛を経験しており、合わないマットレスで寝ることのつらさを知っています。お客様には同じ思いをしてほしくないという気持ちから始めました。当初は10種類ほどでしたが、評判が良く、少しずつ増やしていった結果、現在は約30種類になっています。

――寝具選びは、どのような流れで行っているのでしょうか。

オーダーメイドをご希望の方には、立位測定器や体圧測定器を使って身体を測定し、その場で寝心地を試していただきます。

貸し出しをご希望でも、ご自身に合うものが分からない場合には計測を行い、結果を一つの目安にしながら候補を3種類ほど選びます。まず店頭で寝ていただき、その後1種類ずつ、ご自宅で試していただく流れです。一方で、最初からメーカーや商品を指定されている場合には、ご希望に沿って貸し出します。

当店ではネット販売を行っていません。対面でお話を伺いながら、その方に合うものを一緒に考えることを大切にしています。

価格競争から「価値を届ける店」への転換

――現在のお店を継がれた経緯を教えてください。

店は祖父が始め、その後、寝具メーカーに勤めていた父が継ぎました。私はもともとアパレルメーカーに勤めていましたが、以前から家業を継ごうと思っていたため、戻ってきました。父から「継いでほしい」と言われたことは一度もなく、自分自身がやりたくて選んだ道です。

現在は弟も一緒に仕事をしています。私は主に寝具を担当し、弟はカーテンや住宅リフォームを中心に担当する形で、部門を分けながら事業を行っています。

――これまでの大きな転機は何だったのでしょうか。

父の代では「良いものを安く売る」という考えのもと、できるだけ安く仕入れ、近隣のお客様に安く提供する商売を続けていました。ただ、時代が変わり、量販店なども増えるなかで、同じやり方では売上が低迷するようになりました。

大きな転機になったのが、約8年前に西川から提案された計測器の導入です。初期投資も必要でしたが、オーダーメイドの枕やマットレスを提供する方向へ思い切って切り替えました。

導入後は新規のお客様が増え、それまで中高年の方が中心だった客層も変化しました。現在では20代から40代ほどのお客様も多く、若い方がオーダーメイドの商品やマットレスの貸し出しを目的に来店されています。価格競争ではなく、提供する価値で選んでいただけるようになったことで、利益面でも改善しました。

「高いもの」ではなく「その人に合うもの」を

――経営や接客で最も大切にしている考え方を教えてください。

何よりも、お客様を中心に考えることです。高いマットレスだから、その方に合うとは限りません。実際に貸し出してみると、比較的手頃な商品がお客様に一番合っているケースもあります。その場合、その商品こそ、その方にとって一番良いマットレスだと思っています。

高いものを売り切ることではなく、「これを買って良かった」と思っていただけることが大切です。その考えは今後も変えたくありません。

――購入後の関係については、どのように考えていますか。

売って終わりにはしたくないと考えています。枕やマットレスについては、除菌・消臭・乾燥などのサービスを10年間無料で行うなど、アフターフォローにも力を入れています。

良いものをできるだけ長く使っていただきたいですし、一度購入していただいた方にも長くお客様でいていただきたい。そうした関係をつくることを大切にしています。

次の店舗へ進むために、人を育てる

――今後、挑戦していきたいことを教えてください。

将来的には、もう1店舗出したいという思いがあります。ただ、現在は私と弟の2人を中心に運営しているため、対応できる人数には限界があります。寝具の相談は一人のお客様に1時間半から2時間ほどかかることもあり、基本的には予約制で対応しています。

新しい店舗を出すためには、まず人を採用し、育てる必要があります。以前、弟が別店舗を運営していた時期もありましたが、家賃や人件費などの負担もあり、閉店した経験があります。そのため、出店については慎重に考えています。

――後継者については、どのように考えていますか。

私自身、父から家業を継ぐように言われたことがありません。そのため、息子たちにもこちらから「継いでほしい」と言うつもりはありません。自営業には大変な面もあり、決して簡単に勧められる仕事ではないと思っています。

ただ、もし本人たちが「やりたい」と言えば、そのときは考えたいですね。まずはお客様に喜んでいただき、「買って良かった」と思ってもらえる店であり続けること。その軸を変えずに、これからの店の形や次の世代について考えていきたいと思っています。

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