「縁の下の力持ち」として安心を支える――シーティーエス株式会社が大切にする、お客様と社員がともに満足できる経営
シーティーエス株式会社 代表取締役 森田 英之氏
シーティーエス株式会社は、ITに関するサポートサービスを専門とし、中小企業の情報システム部門のアウトソーシングや、システム開発会社向けのコールセンター、オンサイト保守などを手掛けています。同社が大切にしているのは、「IT分野における縁の下の力持ち」として、お客様に安心と満足を提供することです。今回は代表取締役の森田英之氏に、事業の特徴や経営者になった背景、社員との関係、今後の会社づくりについて伺いました。
目次
お客様に寄り添い、必要なものを必要な分だけ提案する
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、ITサポートサービスを専門としています。主に、情報システム部門や専任担当者がいない中小企業向けに、パソコンやサーバー、ネットワーク、セキュリティなどのIT資産管理を代行しています。
また、システム開発を手掛けるSIer向けにシステム導入後の問い合わせ対応や、現地でトラブル対応を行うオンサイト保守も提供しています。
――御社ならではの強みはどのような点でしょうか。
当社は、システム開発や機器販売を主軸としていないため、販売ありきではなく、お客様に本当に必要なものを提案できます。必要なスペックをお伝えし、機器自体はお客様に購入していただくこともあります。お客様の状況に寄り添った支援ができることが、当社の強みです。
「安心と満足」を届ける、IT分野の縁の下の力持ち
――企業理念には、どのような思いが込められていますか。
当社では、精一杯の努力と真心を持って、お客様に安心と満足を提供することを大切にしています。優れたシステムや物を販売することそのものではなく、お客様が日々安心してパソコンやシステムを使い、仕事ができる環境を支えることが私たちの役割です。
企業理念として掲げているのが、「IT分野における縁の下の力持ち」です。私たち自身が前に立つのではなく、後ろからお客様を支えていく。情報社会の中で安心と満足を提供し、お客様の仕事をバックアップしていきたいと考えています。
リーマン・ショックを機に、経験を生かして起業へ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
起業前に勤めていた会社が、2008年のリーマン・ショックをきっかけに事業を縮小したことが大きな転機でした。当時、私は保守・サポートサービスの責任者をしており、それまで培ってきた経験を生かしてお客様の役に立ちたいと考え、2009年に起業しました。
もともと30歳頃から将来は経営者になりたいと考え、経営に関する本を読んだり、セミナーに参加したりしながら準備を続けていました。両親が小売業を営んでいたこともあり、自分のやりたいことを形にして仕事をしたいという思いが以前からあったのだと思います。
数字を追うより、お客様と社員の満足を積み重ねる
――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。
会社は長く継続していくことが大切だと考えています。そのために会社を大きくしたり、売上や従業員数を増やしたりする方法もありますが、私は規模を大きくすること自体を目標にはしていません。
社員が「この会社で働き続けてよかった」と思える会社であり、お客様にも満足していただけること。そして会社が長く続けられるよう、安定して利益を出していくこと。そのバランスを大切にしてきました。
数字を先に追うのではなく、社員が満足して笑顔で働き、お客様にも満足していただく。その結果として紹介が生まれたり、長くお付き合いいただけたりして、数字がついてくるのが理想です。
――経営の中で「これだけは譲れない」という考えはありますか。
お金のためだけに仕事を選ばないことです。利益になるからという理由で、社員が嫌がるような仕事を無理に受けることはしません。
お客様とサービスを提供する側は、上と下ではなく、対等な関係であるべきだと思っています。お客様に喜んで「ありがとう」と言っていただければ、働く社員も嬉しい。そうした関係が長く続くことで、会社にも利益が残る。いわゆる「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方よしの考え方に近いですね。
肩書きではなく「さん付け」で話せる組織へ
――社内コミュニケーションで意識していることを教えてください。
現在は私を含めて5名の少人数の会社です。そのため、社員が代表や上司に対しても言いたいことを言いやすい環境を大切にしています。
上から「これをやっておいて」と一方的に指示するのではなく、「こうしたい」「こういうふうに思う」と社員自身が気軽に提案できる関係を心掛けています。普段からこちらから声をかけることも意識しています。
また、社内では「社長」「部長」といった肩書きで呼ぶことを禁止していて、私自身も「森田さん」と呼んでもらっています。役職に関係なく話しやすい環境にしたいという思いがあります。
今ある価値を、必要とするお客様に届けていく
――今後の展望について教えてください。
現時点では、新しい事業を始めることよりも、今提供しているサービスを必要としてくださる新しいお客様に、どう知っていただくかが重要だと考えています。
これまではホームページからのお問い合わせや、お客様・知人からの紹介によって新しいご縁をいただくことが多くありました。今後は検索環境がAIによって変化していく中で、当社が持つ情報や強みをAIにも認識してもらい、当社のような会社を探している方に見つけてもらえるような取り組みを進めたいと考えています。
また、今年59歳になる中で、65歳頃までには誰かに会社を引き継げる状態にしたいという思いもあります。長く働いている社員がいる一方、次の世代をどう迎え、会社をつないでいくのかは今後の課題です。
山に登り、自然の中でリフレッシュ
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
今、一番の趣味は登山です。月に3回ほど山へ行くこともあり、2015年からは毎年富士山に登っています。今年で12回目です。
富士山だけでなく、東北や四国、鳥取県など、日本百名山と呼ばれる山々にも足を運んでいます。山小屋に泊まり、星空を眺めることもリフレッシュになっています。
過去には静岡県にある田子の浦の海岸から富士山頂まで、約42キロ、標高差3776メートルを、2泊3日で歩いたこともあります。社員と富士山に登ったこともありますし、退職して7、8年になる元社員と、今度一緒に北アルプスへ登る予定もあります。
会社でも、社員とはフレンドリーというより「ファミリー的」な関係を築いてきました。これからも、お客様の安心と満足、社員の満足、そして会社が安定して続いていくことを大切にしながら、長く継続できる会社をつくっていきたいと思っています。