布団ケア×睡眠改善で「眠りの価値」を再生する――寝具の知見から広げる睡眠支援の可能性

株式会社リベロ花嫁 代表取締役社長 山口 美真氏

株式会社リベロ花嫁は、長年培われてきた布団ケアの技術を受け継ぎ、睡眠と寝具を一体で捉えたサービスを展開しています。代表の山口氏は、豊富な寝具の知識と顧客対応の経験を生かし、睡眠の根本的な改善を支援する新たな事業に挑戦しています。本記事では、創業の背景や事業の強み、今後の展望について伺いました。

布団ケアの経験を生かし、睡眠改善の事業へ

――設立の経緯を教えてください。

当社は、2025年6月30日に設立しました。私はそれまで花嫁わた株式会社に19年間勤め、役員も務めています。Webサイトも立ち上げ当初から長く運営してきたため、独立した現在もWeb関連の業務には関わっています。

前の会社では布団のリフォームや打ち直しに携わってきました。その経験を土台にしながら、もっと睡眠そのものに踏み込んだ事業をしたいと考えたことが、現在の会社につながっています。

――現在の事業内容を教えてください。

私が目指しているのは、質と量の両面から睡眠を整えることです。一人ひとりの状態を診断し、その方に合った改善方法を提案したうえで、継続的な管理まで支援していきたいと考えています。

私は睡眠改善インストラクターの資格を持っており、そこに長年培ってきた布団の知識を組み合わせているのが特徴です。何か商品を販売することが目的ではありません。その方が本当に何に困っているのかを見極め、根本的な部分から改善方法を考えることを大切にしています。

――「リベロ花嫁」の社名の由来を教えてください。

「リベロ」は、英語とイタリア語を組み合わせてつくった名前です。英語の「Re」には「再び」という意味があり、「bello」はイタリア語で「美しい」という意味があります。そこから、「再び美しく蘇る」という思いを込めています。

「花嫁」は、前職の花嫁わたから受け継いだ言葉です。昔は綿布団を嫁入り道具として持っていく文化があり、「花嫁」と聞いたときに、ウェディングだけではなく布団を思い出してほしいという気持ちもあります。

布団を再び美しく蘇らせるだけでなく、きちんとケアして使うことで睡眠を整え、その人自身が本来の状態を取り戻す手助けをしたい。そうした意味も社名に込めています。

30万枚以上の布団と向き合って培った独自の強み

――サービスの特徴を教えてください。

私は19年間で30万枚以上の布団の中身を見てきました。また、約10万人のお客様と直接お話ししてきた経験があります。

布団は買うときにはこだわっても、その後のケアについてはあまり意識されません。しかし、毎晩使うものだからこそ、清潔な状態を保ち、その人に合った状態になっているかを見ていくことが重要だと考えています。

――ホテルや個人のお客様には、どのような支援を行っていますか?

法人ではホテルからの相談が多く、個人では生協の組合員の方やWeb経由のお客様が中心です。睡眠診断については、経営者の方からご相談をいただくことが多くなっています。

ホテルでは、使った布団を廃棄して新しいものへ買い替えるだけではなく、定期的にケアしながら使う方法を提案しています。実際に赤坂のANAインターコンチネンタルホテルへ営業し、約400枚の布団をケアする機会もいただきました。

――他社にはない強みはどのような点にあると考えていますか?

睡眠と寝具の診断、さらに布団ケアまで一緒に考えているところは、まだほとんどないと感じています。

私は国内メーカーのさまざまな布団を見てきました。1年、5年、10年、30年と使ったときに中身がどう変化するのかも数多く確認しています。その積み重ねがあるため、布団を開ける前でも7割ほどは状態を判断できます。

そこへ睡眠の知識を掛け合わせられることが、私ならではの部分だと思っています。

まだ知られていない「睡眠と寝具の関係」を伝える

――現在の睡眠市場やお客様のニーズについて、どのように感じていますか?

睡眠への関心は少しずつ高まっています。ただ、「疲れているから睡眠には興味がある」とおっしゃる方は多くても、本気で根本から見直そうとする方はまだ少ないと感じます。

睡眠グッズも数多くありますが、私は商品ありきで考えたくありません。その方の悩みがどこから来ているのかを見つけ、自分の生活や身体と向き合うところから始めることが大切だと考えています。

――事業拡大に向けた課題は何でしょうか?

「睡眠と寝具診断、布団ケアを一緒に考える」というサービス自体が、まだ十分に知られていません。競合がほとんどいないことは強みである一方、自分たちで認知を広げていかなければならない難しさもあります。

今は、皆さんがまだ気づいていないことを、どうすれば分かりやすく伝えられるのか。それが一番の課題です。

――新たなお客様との接点は、どのようにつくっていますか?

現在は、経営者が集まるコミュニティでの活動が主な接点になっています。単なる交流会ではなく、毎週メンバーが集まって会議を行う場です。

そこで国内の経営者だけでなく、海外の方ともつながりを持ちながら、睡眠について知っていただく機会をつくっています。

テクノロジーを活用し、少人数でも広げられる事業へ

――今後の事業拡大に向けて、どのような体制を考えていますか?

現在は私一人で会社を運営し、必要な部分は業務委託で協力していただいています。

将来的には従業員も必要になると思いますが、人をたくさん増やさなければ事業を広げられない形にはしたくありません。

アプリなどのテクノロジーも活用し、少人数でも多くの方を支援できる仕組みをつくりたいと考えています。

――睡眠診断や改善をより多くの人へ届けるために、どのような仕組みを構想していますか?

専門家が一人ずつ対応するだけでは、どうしても限界があります。そこで、最初の診断から改善方法の提案、その後の定期的な管理までを行えるアプリを構想しています。

対象として考えているのは経営者と従業員です。専門的な知識を仕組みの中へ落とし込み、継続的に睡眠を管理できる形を目指しています。

睡眠から健康と暮らしを支える新たな仕組みづくり

――現在の事業を通じて、将来的に実現したいことを教えてください。

睡眠というと、「寝る」「休む」というイメージが強いと思います。しかし私は、それだけではないと考えています。自分の身体を知り、自分自身で管理しながら、本来の状態へ回復していくために睡眠を役立ててほしいのです。

将来的には病院や建築関連の方々とも一緒に事業を広げたいと考えています。建築分野では、家族それぞれの朝型・夜型といった特徴や必要な睡眠時間を診断し、「眠れる家づくり」につなげる取り組みも進めています。

――現在進めている開発や、今後挑戦したいことについて教えてください。

現在は、ケアしやすい布団の開発と、睡眠診断・改善のためのアプリ開発を進めています。実際に動かせる形へ持っていくため、投資も含めたスキームをつくっているところです。

ホテルについても、まだ布団ケアが十分に届いていない場所は多くあります。病院なども含めて対象を広げながら、睡眠と寝具を一緒に考える仕組みをより多くの場所へ届けていきたいです。

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