価格以上の価値と喜びを届ける――株式会社ササフネが築く、自由な経営と現場主義
株式会社ササフネ 代表取締役 亀山 政典氏
株式会社ササフネは、海鮮丼のテイクアウトを中心に事業を展開しています。特徴は、注文を受けてから商品をつくり、その場で提供するスタイルと、加盟店の経営に大きな自由度を持たせたフランチャイズの仕組みです。売上に応じたロイヤリティーではなく、月額固定の料金のみとすることで、オーナー自身が主体となって経営できる環境を整えています。本記事では、亀山政典氏に事業の特徴や経営に対する考え方、加盟店との関係、今後の展望について伺いました。
目次
注文を受けてからつくる、鮮度へのこだわり
――現在取り組まれている事業内容について教えてください。
当社は、テイクアウト海鮮丼「丼丸」を中心としたビジネスを展開しています。リーズナブルな価格で商品を提供することに特化しているのが特徴です。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
コンビニなど、さまざまな業態で寿司を中心としたテイクアウト商品がありますが、作り置きしている店舗も多いと思います。
当社の場合は、オーダーを受けてから商品をつくります。その場でできたものを提供するので、より鮮度の良い商品を、食べやすい状態でお渡しできることが強みだと考えています。
また、フランチャイズにおいても、一般的な仕組みとは異なり、本部による縛りを設けていません。オーナー自身が主体となって経営できる環境をつくっています。
「喜びの共有」を大切に、オーナーの自由な経営を支える
――フランチャイズの仕組みについて教えてください。
一般的なフランチャイズでは、売上に対して一定の割合を本部に支払う形が多いと思います。当社ではロイヤリティーを売上連動にせず、月額3万3,000円の固定料金としています。それ以外のロイヤリティーはありません。
――会社の理念には、どのような思いが込められていますか。
一番大きな価値観として、「喜びの共有」を大切にしています。100人のオーナーがいれば100通りの経営があり、1,000人いれば1,000通りの経営がある。
それぞれのやり方を尊重しながら、お客様や業者、そしてオーナーさんを取り巻く環境全体で利益を上げていくことが大切だと考えています。
「価格以上の価値」を提供することが経営の軸
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
価値というものは、我々が決めるものではなく、お客様や消費者が決めるものだと思っています。我々が販売する価格に対して、お客様がそれ以上の価値や驚きを感じてくれるのであれば、それが支持につながります。
だからこそ、「価格以上のものを提供する」ことを大切にしています。自分たちの利益だけを求めて価格に見合わない商品を提供していては、お客様は離れてしまいます。
10年、20年先まで続けられるビジネスにするためにも、そこは守っていかなければならないと考えています。
情報を共有し、仲間とともに成長する
――社内や加盟店とのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
当社には直営店舗と業務委託店舗があり、独立開業を目指して丼丸に加盟したオーナーも多くいます。お互いに経営を通してお客様に喜んでもらうという理念を持っているので、日頃から情報交換をしています。
また、「丼丸通信」という情報発信を月1回行い、フランチャイズを含めて全体に情報を共有しています。各店舗のオーナーが一堂に集まる機会がなくても、情報発信を通じて理解を深め、共有していくのが当社のやり方です。
目指すのは、国内外へのさらなる展開
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
「丼丸」は、フランチャイズを含めて18年ほど取り組んできました。一時は400店舗以上あったものの、途中で断念するオーナーもいました。一方で、これから新たに参加するオーナーも増えてほしいと思っています。
今後は、成功しているモデルをどんどん発信し、「喜びを共有できるオーナーさん」を増やしていきたいです。
また、海外への出店を考えているオーナーもいて、実際に営業や立ち上げに取り組んでいる方もいます。「丼丸」というブランドを確立していくためにも、信用と実績を積み重ね、国内外でさらに展開していきたいと考えています。
現場に答えがある――経営者として店舗に立ち続ける
――経営の中で、これだけは譲れないという思いはありますか。
やはり、価格以上の価値を提供することです。500円の商品であっても、お客様にとっては大切な500円です。その価格以上の価値を感じてもらい、喜んでもらえる商品を提供しなければなりません。
お客様が喜ばないような商品を提供することだけは避けてほしい。その部分は厳しくても皆さんと共有し、お互いに成長していきたいと思っています。
私自身も週5日は店舗に入り、現場に立っています。週1日は店舗管理の時間を取っていますが、商売は現場力が大切です。お客様の考えや動き、反応、仕入れ先の状況、商品の値上がりなど、すべての答えは現場にあります。現場から離れてはいけないと思っています。
実際に店舗に立っているからこそ、オーナーさんが悩んでいるときにも、同じ目線で「こうしたらいいのではないか」とアドバイスできます。それは私自身の強みでもあると感じています。
釣りとツーリングで切り替え、新たな視点を得る
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
釣りとツーリングが好きです。特にツーリングでは、1日で500kmほど走ることもあり、名古屋まで行って温泉に入って帰ってくることもあります。仕事とプライベートのオンとオフは、比較的早く切り替えるほうだと思います。
ツーリングをしていると、仕事について考える時間にもなります。走っているとさまざまな店が目に入りますし、立ち寄って「ここはおいしい」「ここは価格に対してこうだ」といったことを見ることもあります。それが勉強になるんです。
プライベートでも海鮮丼の店にはよく行きます。どのくらいの価格で、どのような商品を提供しているのかを見ますし、良いところは取り入れ、悪いところは反面教師にする。休日を楽しみながらも、さまざまな店から学び、自分たちの店をより良くしていくためのヒントを得ています。これからも周囲から学ぶ姿勢を大切にしながら、お客様に喜んでいただける店づくりを続けていきたいですね。