EXCITINGする方へ進む――パーティーから「興奮」を生み出す挑戦
株式会社EXCITING 代表取締役 江夏(こうか) 伊織氏
あらゆる場所を非日常の空間に変える「出張パーティープロデュース」を中心に 、マグロ解体ショーやキッチンカー、ノベルティ、撮影・映像など、パーティーに関わる幅広いサービスを手掛ける株式会社EXCITING。中でもマグロ解体ショーは、単に魚をさばいて提供するのではなく、「マグロを主役にして会場全体で熱狂するエンターテインメント」 として見せることを大切にしています。コロナ禍という厳しい環境の中で独立を決断し、自分らしいパーティーの形を追求してきた背景や、事業に込める思い、これから目指す未来について伺いました。
マグロ解体ショーをエンタメに変える
――現在の事業内容や、大切にしている考えについて教えてください。
あらゆる場所を非日常のパーティー空間に変えるプロデュース事業を行っています。 キッチンカーや映像制作、パフォーマーの手配など幅広いサービスを展開していますが、その中でも私たちが圧倒的な熱量を注いでいるのが「マグロ解体ショー」です。
マグロ解体ショーを行う業者は他にもありますが、私たちが目指しているのは「マグロを主役にして、会場全体を巻き込むライブ・エンターテインメント」です。 料理として美味しいのは大前提。その上で、見た瞬間に心が躍り、思わず歓声が上がるような“熱狂する体験”を届けることを意識しています。
当社の理念は、“「ありがとう」と「感動」と「興奮」の量産企業”。パーティーを通じて人生を味わい尽くし、人と人とのリアルな繋がりを感じていただきたいんです。
そして、私たちが行動する上で最も大事にしているのが「より興奮する方へ進む」という指針です。AかBか迷ったとき、単に「儲かるか、うまくいくか」ではなく、「どちらがよりワクワクするか」で決断する。まずは自分たちが心の底から面白いと思えなければ、お客様を興奮させることなんてできません。この感覚は、提案づくりにおいても、私自身の人生においても絶対に譲れない軸ですね。
逆境を好機に変えた独立
――独立された背景と、これまでの歩みについて教えてください。
この業界には2009年から携わり、現在は独立して6期目になります。起業したのは2021年、まさにコロナ禍の真っ只中でした。
ご存知の通り、当時は「人が集まること」自体が難しく、イベント業界は壊滅的な打撃を受けました。同業者が次々と業界を離れていく。そんな絶望的な状況の中で、私はあえて「今こそ独立するタイミングだ」と決断したんです。
なぜなら、厳しい状況だからこそ最大のチャンスだと思えたからです。業界全体が一度リセットされ、誰もが「ゼロからのスタート」になる。それならば、歴史ある企業も新規参入の私たちも、まったく同じスタートラインに立てるんじゃないかと。誰かに決められた枠の中ではなく、自分の判断で「自分らしい最高のパーティー」をゼロから創り上げたほうが絶対に面白いですよね。
前職の環境に不満があったわけではなく、むしろ毎日楽しく働いていました。だから、コロナがなければ独立していなかったかもしれません。しかし、すべてが一度ゼロになった世界で、これから業界が復活していく過程を想像したとき、「自分の可能性にフルベットする(全振りする)人生」のほうが、圧倒的にエキサイティングだと思ったんです。
――会社名についての思いを教えてください
人が集まる場には、いつの時代も心をワクワクさせる力があります。その「集まる楽しさ」を極限まで高め、参加した人の記憶に一生残るようなプロデュースをしたい。人々に「興奮(EXCITING)」を届けるプロフェッショナルであり続けるという誓いを込めて、この社名を掲げています。
――これまでに一番苦労したと感じるエピソードを教えてください。
立ち上げ直後のコロナ禍です。仕事の見通しが全く立たず、Uber Eatsの配達などで繋ぐ日々もありました。経営者として試練の連続でしたが、現場で汗を流しながらも「人が集まる場所の楽しさ」をどう作っていくか、思考を止めなかったことが今に繋がっています。
軌道に乗った現在は、ビジネスの現場においても「リアルな対面コミュニケーション」の重要性が再認識されていると感じます。AIやデジタル技術が進化すればするほど、人と人が直接触れ合うパーティーという場の価値は高まっていく。苦しい時期を乗り越えたからこそ、私たちはこの「リアルの場」が持つ価値を確信しています。
一緒にワクワクできる仲間を
――コミュニケーションで大切にしていることはありますか?
「その人にとっての『楽しい』の軸がどこにあるのか」を見極めることです。大勢で歓声を上げるのが好きな人もいれば、静かにその場の雰囲気を味わうのが好きな人もいます。エンターテインメントを届ける側として、全員に同じノリを強要するのではなく、一人ひとりの価値観に寄り添い、何に心が動くのかを感じ取ることを大切にしています。
――今後採用を行う上で、重要視していることは何ですか?
一言で言えば「自分自身の人生を楽しんでいる人」です。自分の軸を持ち、前向きに毎日を面白がれる人と一緒に仕事をしたいですね。私の中では、単に「従業員を雇う」という感覚はありません。目指しているのは「一緒にエキサイティングできる仲間を増やすこと」です。
それは社内のスタッフに限らず、マグロ解体ショーを盛り上げるパフォーマー、マジシャン、ジャグリングのアーティスト、さらには伝統工芸の職人や書道家まで、ジャンルは一切問いません。それぞれの分野で「人を楽しませること」に命を懸けているプロフェッショナルたちと手を組み、これまでにない新しいエンターテインメントを仕掛けていきたいと思っています。
想像を超えるエンタメを
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
「マグロ解体ショー」や「職人」に対する既存の概念を、いい意味でぶち壊していきたいですね。「職人気質の人が黙々とさばくのかな?」と思っていたら、全く違うエンターテイナーが現れて会場を一気に熱狂させる。そんな「想像を超えるサプライズ」を届けていきます。SNSなどでの発信力も強めつつ、異業種とのコラボレーションにも果敢に挑んでいきたいです。
単に会社の規模だけを大きくするのではなく、私たちのパフォーマンスとエンターテインメントを通じて、周りを巻き込みながら大きな経済効果やポジティブなエネルギーを生み出していく。そんな唯一無二の存在を目指しています。
――経営の中で、これだけは譲れないという思いはありますか?
自分自身の「楽しい!」「面白い!」という直感です。もちろん経営者として様々な意見やデータに耳を傾けますが、最後の最後、道を選択するときに一番信頼するのは「自分がどちらに胸を躍らせているか」です。
「よりエキサイティングする方へ進む」
この揺るぎない軸がある限り、私たちはこれからも既存の枠組みを飛び越え、世界にまだない感動と興奮を創り続けていきます。