外国人材と企業、地域をつなぐ――クラフター協同組合が目指す共に成長できる関係
クラフター協同組合 代表理事 志村 秀実氏
クラフター協同組合は、外国人材と受入企業の間に立ち、人材の選定から日本語教育、来日後の生活・就労支援までを行っています。大切にしているのは、双方が理解し合い、共に成長できる環境をつくること。地域に根差し、顔の見える距離で支援を続ける同組合の代表理事・志村秀実氏に、設立の背景や事業への思い、今後の展望を伺いました。
外国人材と企業、双方に寄り添う支援を
――クラフター協同組合を設立された背景を教えてください。
当組合は、外国人材の支援や管理を目的として2025年1月29日に設立しました。私自身、これまで中小企業への経営支援や、外国人材と企業をつなぐ仕事に携わってきました。その経験を通じて、双方により丁寧に寄り添う支援を実現したいと考えるようになりました。
本来、外国人材の受け入れは、企業にとっても本人にとってもプラスになるものだと考えています。そのためには、間に立つ私たちが双方の考えを理解し、必要な支援をしながら、より良い関係をつくっていくことが大切です。同じ志を持つ方々の賛同やサポートを得て、自分たちで組織を立ち上げました。
――具体的には、どのような支援を行っているのでしょうか。
海外から人材を受け入れる場合には、人材の選定から関わります。採用が決まってから日本語の勉強を始める方も多いため、半年から1年ほどかけて基礎的な日本語を学んでもらい、来日後も生活や仕事をサポートしています。
対象となるのは、技能実習や特定技能などの在留資格を持つ方々です。主に製造業、建設業、介護分野で働く、フィリピンやインドネシアをはじめとする東南アジア出身の方々を支援しています。今後は、育成就労制度にも対応していく予定です。
目指しているのは、本人が自立し、自分で考えながら働けるようになることです。必要な支援を行いながら、主体的に行動できるように後押しすることを意識しています。
言葉だけではなく「文化」まで通訳する
――事業を行ううえでの強みは、どのようなところにありますか。
顔が見える距離で支援することです。新潟県を中心に、関越自動車道沿いの群馬県や埼玉県など、何かあれば現場へ向かえる距離感を大切にしています。
人に関わる仕事だからこそ、実際に顔を合わせることには大きな意味があると考えています。普段から現場を訪れることで、電話やオンラインだけでは分からない表情や雰囲気の変化に気づき、問題が大きくなる前に対応できます。その積み重ねが信頼につながり、地域密着で取り組む私たちの強みになっています。
――外国人材を受け入れる企業には、今後どのようなことが求められると考えていますか。
これからは、企業側も外国人材から「選ばれる会社」になる必要があります。日本で働くことだけが選択肢ではなくなっていますし、地方では賃金面でも都市部との差があります。
だからこそ、「どうすればここで働きたいと思ってもらえるのか」を企業と一緒に考えることが大切です。日本を選んで来てくれる方には幸せになってもらいたいですし、受け入れる企業にも成長してもらいたい。その双方を支えていきたいと思っています。
私たちの役割は、単に言葉を訳すだけではありません。国が違えば、文化や宗教、考え方も異なります。言葉の背景にある文化まで含めて“通訳”し、双方の理解を深めていくことが重要だと考えています。
地域に根差し、将来のキャリアまで、一緒に考える
――一緒に働きたいと感じるのは、どのような方でしょうか。
自分なりの目標やビジョンを持っている方です。さまざまな苦労を経験してきた方ほど、「これからこうなりたい」という思いを持っていることが多いように感じます。
取引先の方も外国人材も、将来を見据えながら一緒に歩んでいけるとうれしく思います。今後、事業の広がりに応じて、現場を支えてくれる人材も必要になると考えています。その際には、語学力に加え、企業と外国人材の双方に公平な姿勢で向き合える方に加わってもらいたいです。
――今後、組織として目指していきたい姿を教えてください。
私たちは、地域の企業が連携し、共に成長するための事業協同組合です。規模の拡大そのものよりも、地域で必要とされる存在になることを大切にしています。
この仕事は、制度に沿った手続きを進めるだけではなく、人を育て、企業と外国人材、そして地域をつないでいく仕事です。
来日したときの受け入れだけでなく、その先のキャリアまで一緒に考えていきたいと思っています。そうした支援を続けながら、企業や外国人材と共に、私たち自身も成長していければと思っています。
家族との時間が、今のリフレッシュに
――休日はどのように過ごされていますか。
もともとアウトドアが好きで、夏は沢登り、冬はバックカントリースキーなどをしていました。ただ、法人を立ち上げてからは、なかなかそうした時間を取れなくなりました。
今は1歳の子どもがいるので、最近ようやく少し時間を取って、一緒に遊べるようになりました。「遊んであげている」というより、むしろ私のほうが遊んでもらっています。
これからも外国人材と企業、そして地域をつなぎながら、それぞれが成長し、長く一緒に歩んでいける関係をつくっていきたいと思っています。