株式会社contronym 代表取締役 藤田隆太 氏
スタートアップの採用課題を解決することを使命に掲げ、独自の人材マッチングプラットフォーム「METAWORKS」を展開する株式会社contronym。創業者である藤田隆太氏は、これまでのキャリアで得た知見をもとに、採用支援から組織づくりまで幅広く事業を展開している。人と企業の出会いを大切にしながら未来を切り拓く藤田氏に、事業の現状や理念、組織づくりへの思いを伺った。
スタートアップに特化した人材支援
――御社の事業内容と強みを教えてください。
METAWORKSは1.5万人ほどが登録しているプラットフォームで、CXOクラスやマネージャー以上といったハイレイヤー層や若手優秀層に特化しています。特徴はリファラル採用を重視していることです。優秀な人の周りには優秀な人が集まります。そのネットワークを活かし、信頼できる紹介を起点に人材が広がっていく仕組みを整えています。
また、人材コンサル事業も展開しています。求人票の作成から採用戦略の策定、評価制度の設計まで、スタートアップや中小企業の人事課題を幅広く支援しています。私たちの強みは「クライアントファースト」。1社ごとに向き合い、成果に直結する支援を提供している点です。
人材業界への道と起業のきっかけ
――経営者を志された経緯を教えてください。
私はマーケティング畑の出身で、独立当初はスタートアップ向けに販促支援をしていました。しかし、クライアントの多くが「人が足りない」「採用が難しい」という課題を抱えていたのです。私自身、人材業界での経験もあったため、スタートアップにコストパフォーマンス良く成果を出せる採用サービスが必要だと考えました。これがMETAWORKSを立ち上げた原点です。
思い出深い経験として、ソフトバンク在籍時にゼロから新しいプロダクトをマーケティングし、世の中に受け入れられた瞬間があります。大きな手応えと同時に「ゼロイチを作る面白さ」を実感しました。その経験が、今METAWORKSをゼロから作り、多くの人に利用されるまで育て上げる挑戦につながっています。
社員との関わりと組織づくり
――社内の雰囲気やコミュニケーションについて教えてください。
社員は現在10名ほどで、正社員と業務委託が混在しています。規模が小さいからこそ、私自身が全員と直接向き合い、コミュニケーションの齟齬をなくすよう意識しています。特にワンオンワンを重視し、日々のやり取りを通じて信頼関係を築いています。
社員に求めているのは「共感力」と「熱中できる力」です。スキルは後から身につきますが、何かに夢中になった経験がある人は、物事に深くコミットできる。その姿勢こそがスタートアップ支援の現場で力を発揮します。成果に応じて正当に評価される制度を整えることも大切にしています。
誠実さとリフレッシュの時間
――経営において大切にしていること、またリフレッシュ方法を教えてください。
経営で一番大切にしているのは「誠実であること」です。クライアント、社員、求職者、すべての人に対して誠実に向き合うことを心がけています。それが信頼を生み、事業の土台になると考えています。
リフレッシュ方法は旅行やサウナです。特に自然のある場所が好きで、フィリピンのエルニドのような手つかずの自然が残る場所に行くと心が洗われます。1人で旅をすることも多く、日常から離れて新しい発想を得る大切な時間になっています。
採用サービスが描く未来像
――今後の事業展開や目標を教えてください。
当面の目標はMETAWORKSの成長に集中することです。登録者数を増やし、スタートアップがもっと気軽にCXOクラスを採用できる環境を整えたいと考えています。従来は着手金や高額フィーがかかりがちな採用領域ですが、コストを抑えつつ優秀な人材にアクセスできる世界観を実現したい。
業界全体ではAIの進展が大きなテーマになるでしょう。スカウト文面の作成などAIに任せられる部分は積極的に取り入れ、人とAIのハイブリッドで新しい採用の形をつくっていきたいと考えています。
