株式会社ヒンクス 代表取締役 佐伯友貴 氏
広告や撮影分野からスタートし、現在は生成AIとDXを軸に事業を展開する株式会社ヒンクス。代表の佐伯友貴氏は、不動産業界に特化したAIプラットフォーム「UCHICARI(ウチカリ)」を開発し、業界初の生成AI搭載型サービスをリリースしました。今回は、属人的な経営から一歩進み、業界の課題解決に挑む姿勢と、経営者としての歩みについて伺いました。
目次
生成AIとDXを武器に、不動産業界へ革新を仕掛ける
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
弊社は小規模ながら、現在は主に二つの軸に力を入れています。ひとつは自社の生成AIシステム開発、もうひとつはDXソリューションの提供です。直近では、不動産業界向けのAIプラットフォーム「UCHICARI(ウチカリ)」をリリースしました。賃貸物件の検索ポータルに生成AIを搭載し、ユーザーが自然な会話形式で物件情報を取得できる仕組みを導入しています。
従来の大手ポータルサイトと異なるのは、AIによって業務効率化や顧客対応の自動化が可能になる点です。まだベータ版ですが、不動産会社との提携やセミナーを通じて、地道に導入を広げている段階です。
モデルから経営者へ——信頼が導いた意外なキャリア
――経営者になられたきっかけを教えてください。
正直に申し上げますと、もともと経営者になりたいと考えていたわけではありません。学生時代はモデル活動をしており、先輩の立ち上げた事務所を手伝ったことが最初の経験です。当時は給与も契約もなく、純粋に「人に頼られたから」という理由で関わっていました。
やがて事務所を離れることになったものの、私を信頼してくださるお客様から直接相談が寄せられるようになりました。「だったら自分で責任を持ってやるしかない」と個人事業主として独立し、そこから株式会社ヒンクスを設立しました。
文私の原点にあるのは「人とのつながり」です。信頼を寄せていただいたお客様に誠実に応えることが、結果として事業を形作ってきたのだと思います。
社員ゼロでも強い組織に。業務委託とインターンで挑む柔軟経営
――現在の組織体制とコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
弊社には正社員はいません。業務委託メンバーと学生インターンを中心に、少人数で動いています。業務委託の方には、それぞれの得意分野に特化して仕事をお願いするスタイルです。マーケティングや広告運用、バックオフィス業務などを分担し、私はAIやシステム開発を自ら担当しています。
コミュニケーションでは「情報を多く、フェアに伝えること」を心がけています。依頼の背景や目的を明確に伝え、納得感を持って取り組んでもらうことが、信頼関係を築く上で大切だと考えています。主体性を発揮してもらえる環境づくりが、少人数組織においては特に重要だと思っています。
業界初プラットフォーム「UCHICARI(ウチカリ)」から広がる新たな市場
――今後の展望について教えてください。
当面の目標は、不動産業界向けAIプラットフォーム「UCHICARI(ウチカリ)」を広く浸透させることです。業界にはまだアナログな慣習が多く残っており、契約や業務フローも効率化の余地が大きいと感じています。そこにAIを導入することで、現場の負担を減らし、顧客体験を向上させたいと考えています。
同時に、クライアントワークとしてのシステム開発やDX支援も継続していきます。お客様の課題解決に直結するソリューションを提供しつつ、自社プロダクトの強化を進めていく。この二軸が、今後2〜3年の事業の柱です。将来的には不動産にとどまらず、幅広い業界のDX推進にも貢献していきたいと思います。
フットサルと仲間との時間が原動力。人とのつながりを大切に
――リフレッシュ方法や趣味について教えてください。
文章学生時代から続けているフットサルが一番の趣味です。今も週に一度は試合に出て体を動かしています。お酒はほとんど飲みませんが、飲みの席は好きなのでノンアルコールで参加し、仲間と語らう時間を大切にしています。また、整体や鍼治療で体をメンテナンスするのもリフレッシュのひとつです。
仕事においてもプライベートにおいても、「人とのつながり」が私にとっての軸です。これからもAIとDXという新しい技術を通じて、多くの人に価値を届けていきたいと考えています。

