株式会社MODELY 代表取締役 鈴木右子氏
女性のキャリアは「答え」よりも「共感」を必要としている。そう語るのは、株式会社MODELY代表取締役の鈴木右子氏。自身の体験から生まれた気づきをもとに、女性同士が安心してつながり合える場をつくり続けています。今回は事業内容や今後の展望について伺いました。
目次
共感ベースでキャリアをマッチング
—— まず御社のサービスについて教えてください。
私たちの事業は、キャリアに悩む女性と先輩世代をつなぐマッチングサービスです。最大の特徴は「共感」をベースにしている点です。相談者が求めているのは、専門家のアドバイスや一般的な正解ではなく、「私もそうだったよ」と寄り添ってくれる存在。そのニーズに応えるため、オンライン・オフラインの両方でイベントを開催し、同じ境遇を経験した方々を結びつけています。
個人向けのBtoCモデルは基本無料とし、誰でも参加できる仕組みを整えています。一方で、企業向けのBtoBモデルでは、社内の女性社員同士をつなぐプラットフォームとして導入が進んでいます。
共感を通じて支え合える仕組みづくりを
—— 創業のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
私自身、後輩から相談を受けたときに「分かってもらえなかった」と言われたことがありました。その瞬間、衝撃を受けました。自分ではアドバイスをしているつもりでしたが、本当に必要とされていたのは「共感」だった。そこに大きなギャップがあると気づきました。
しかし、同じ経験をした人に自然に出会える場はほとんど存在しませんでした。「ないなら自分でつくるしかない」と決意したのが、事業を始めたきっかけです。誰もが自分の人生の中で必ず直面する葛藤や不安に対して、共感を通じて支え合える環境を広げたい。そう思って立ち上げました。
イベントとWEB、BtoCとBtoBの二軸
—— 事業はどのように展開されているのですか。
会社を設立したのは2024年12月。半年間で3回のイベントを開催し、延べ100名以上の参加者に来ていただきました。イベントは20~50人規模ですが、そこで生まれる出会いの価値は非常に大きいと感じています。
収益構造は二軸です。BtoCは無料利用を基本としつつ、今後は有料会員制度を導入予定。特定の属性やニーズに応じたサービスを強化します。BtoBでは、企業内の女性同士をつなぐ仕組みを提供し、定額契約での収益化を目指しています。
不安げな表情が笑顔に変わった瞬間
—— これまでで特に印象に残っている出来事はありますか。
初めてのイベントを開催したときのことです。ある相談者の方が、ロールモデルと1対1で話した後の表情が、まるで別人のように変わっていたんです。会場に来たときは不安そうで、声も小さかった方が、帰るときには笑顔で「また来たい」と言ってくれました。その姿を見た瞬間、「やはりこのサービスは社会に必要だ」と強く確信しました。
3年後、女性の15%に届くプラットフォームへ
—— 今後の展望について教えてください。
直近は、まず企業向けのBtoB契約を拡大して安定的な収益基盤を築くことが大切だと考えています。その一方で、BtoCの利用者数を増やし、誰もが気軽にアクセスできる環境を整えていきたい。
3年後には、働く女性の15%に認知され、実際に利用されるプラットフォームへ成長させたいと思っています。売上で言えば5億円規模を目指します。決して簡単な道のりではありませんが、イベントを通じて得られる反応や企業からの期待を肌で感じるたびに、必ず実現できると確信しています。
共感し合うことで、次の一歩へと進む
—— 最後に、この記事を読む方へのメッセージをお願いします。
キャリアの悩みは、一人で抱え込むと出口が見えなくなります。でも同じ経験をした人と出会い、共感し合うだけで、不思議と次の一歩を踏み出せるものです。私たちはその「出会いの場」をつくり続けていきたいと思っています。もし悩みを抱えている方がいたら、ぜひ一度参加してみてください。きっと表情が変わる瞬間が訪れると思います。