日本を美しく、インフラを強く。「下地処理」で寿命を延ばす特殊塗装の現場

三光塗装工業株式会社 代表取締役 三浦 一章氏

橋梁やプラント、配管・タンクなど、鉄でできた構造物を長く安全に使い続けるために欠かせないのが「塗装」です。三光塗装工業株式会社は、鉄構造物の特殊塗装を主軸に、下地処理から一貫して品質を高めることで、耐久年数の延伸と美観の維持に取り組んできました。代表の三浦一章氏に、事業の強み、経営で譲れないこと、組織づくり、そして今後の展望を伺いました。

「下地処理」で差がつく、鋼構造物の特殊塗装

――まず、御社の事業内容を簡単に教えてください。

塗装全般を行っていますが、メインは鉄でできた構造物の特殊塗装です。橋梁や、各企業のプラント、工場内のタンクや配管などが中心になります。鉄の構造物を対象に、耐食性などが求められる塗装を手がけています。

――数ある塗装会社の中で、御社の強みはどこにありますか。

一番は下地処理です。鉄を塗る前の下地処理をしっかりやることが品質に直結します。うちは、そのための機械を自社で持っています。

また、塗装工場を構えている点も特徴です。塗装業は現地で施工することが一般的ですが、単独の塗装会社で、ここまで大規模な工場を持って対応しているところは多くないと思います。

トレーラーで運べるものなら持ち込めますし、船での搬入も可能なので、海外向けプラントにも対応できます。単体で30トンを超えるような品物でも受け入れて塗装できるのは、強みの一つです。

――理念についてもお聞かせください。

「日本を美しくする」という思いがあります。加えて「インフラを護る」というのも大きな軸です。

橋梁は国や県の資産ですし、上下水道の配管などもそうです。私たちが塗装をしっかり行うことで、同業他社なら5年10年でダメになるようなものでも、20年以上持つケースがあります。

塗り替えのスパンが長くなれば、結果として公共工事のコスト負担も抑えられます。美しさや美観を保てるという意味でも、社会に貢献できる仕事だと考えています。

家業から使命へ。品質で応えるという覚悟

――代表が事業を継がれた経緯を教えてください。

父が創業してやってきた仕事ですし、塗装は必要な仕事なので、いずれ自分がやるのだろうという思いは高校時代からありました。

家の仕事はちょくちょく手伝っていて、大学の春休みや夏休みの長い休みには、友人も連れて現場で一緒に塗装したこともあります。そういう積み重ねの中で、この道に入っていきました。

――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。

やはり値段ではなく、こちらが塗ったものが5年10年長持ちして、お客様にとって有益になる仕事をしたいということです。結果として長持ちすれば、お客様のメリットになります。

朝の挨拶と朝礼で整える、現場のリズム

――社員の皆さんとのコミュニケーションで工夫していることはありますか。

現場に出る時間が早いので、朝は6時半までに出社して、挨拶をしてから現場へ行ってもらうようにしています。それと、工場の朝礼は月曜日の朝に入れるようにしています。

――働く環境面では、課題や取り組みはありますか。

下地処理は厳しい環境で、日本人の若い担い手がなかなかいないという課題があります。技能実習生にも手伝ってもらっていますが、将来的にはロボットで自動化できないかと考えています。粉塵を吸うことによる健康面の問題もありますし、環境面でも改善が必要です。

受注拡大と省力化へ。現場の課題に技術で挑む

――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

1件でも多く受注して、塗ることでインフラを守っていきたいです。橋の塗り替え需要も増えてきていますし、現場作業も年に数件はやっています。これからは現場作業の受注を増やせるように、社員数も増やして、そちらにも力を入れていきたいと思っています。

――現場の課題に対して、具体的に検討していることはありますか。

現場で塗装する場合、粉塵を減らすために循環式のブラスト機械を導入しようと考えています。

回収して再利用できる仕組みで、作業者の負担軽減にもなりますし、環境にも良い。発注側の仕様として、その機械の使用が求められるケースもあるので、なるべく早く導入したいです。

仕事を支える余白。ゴルフ、登山、旅

――お仕事以外のリフレッシュ方法はありますか。

ゴルフが好きです。登山も3年ほど前から始めました。娘たちが富士山に登ろうと言ったのがきっかけで、山に登るようになりました。あとはバイクでツーリングに行ったりします。

海外旅行も好きで、まとまった休みが取れると出かけています。タイに事業所があるので年に何回か行きますし、ヨーロッパにも行きます。ゴルフが好きなので、スコットランドへゴルフをしに行ったこともあります。

――最後に、今後どのような姿を目指していきたいですか。

色のついているものには必ず塗り替え需要があります。少しでも多く塗って、長持ちさせていきたいです。技術を持っていれば食べていけるという実感もありますし、自分の仕事に誇りを持てる職人を育てていきたい。

高いところにある構造物などは、自分が塗ったものを10年20年と見続けられます。そうした誇りが持てる仕事を、これからも増やしていけたらと思います。

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