世界水準のリーダーシップで日本を、世界を輝かせる。40年の実践が生んだ「共鳴するリーダーシップ」の極意
スターリーダー合同会社 代表 中島 克紀氏
「人はもともと輝いている存在である」——。そう語る中島克紀氏は、日本におけるコーチングの草分け的存在であり、40年にわたり5万人以上のリーダーを育成してきた。一般社団法人日本能率協会での37年の勤務、立命館大学大学院客員教授としての教鞭、そして世界的なマスターコーチたちとの交流。アカデミックな理論と圧倒的な実践値を融合させた中島氏が今、見据えているのは、日本のリーダーを「世界水準」へと引き上げること、そして心身を整え未来を紡ぐ「コーチング・リトリート」の普及です。大手企業から自治体、大学機関の次世代リーダー育成も手掛ける中島氏に、組織運営の哲学から未来への展望までを伺いました。
目次
世界水準の知を日本へ。理論と実践が交差する「変容」のプラットフォーム
――現在の事業内容と、他社にはない強みを教えてください。
私たちは、リーダーシップ開発、コーチング、マネジメント研修を主軸とした企業研修と組織開発を支援しています。最大の強みは、私が40年間続けてきたリーダーシップ・コーチングの研究と、5万人を超える育成実績に基づく「アカデミックな理論」と「現場の実践地」の融合です。
単なる理論の提供にとどまらず、研修の後に必ずコーチングを組み合わせることで、行動の変容、つまり「習慣化」を徹底しています。20年以上、組織の推進役である次世代リーダー育成プログラムにも携わらせていただいています。世界で実証された「リーダーシップ・チャレンジ」というプログラムの日本初・日本唯一の認定マスターとして、世界水準のリーダーシップを日本に実装していくことが私たちの使命です。
――組織の「安全」や「変容」を非常に大切にされていますね。
まず一番に来るのは「セーフティ(安心安全)」です。安全が確保され、心理的安全性が担保されて初めて、人は高いパフォーマンスを発揮できます。そして、今の時代に求められているのは「リスキリング」や「トランスフォーメーション」です。人が理論だけで動かないことを私は大学院での教育や現場で痛感してきました。だからこそ、脳科学(ニューロサイエンス)や心理学、さらには演劇のメソッドなども取り入れ、五感と感情を揺さぶるアプローチを大切にしています。
日本の経営推進機関であり、松下幸之助氏の魂を継ぐ日本能率協会での37年
――経営者になられた経緯を教えてください。
私の原点は、新卒で入社した一般社団法人日本能率協会にあります。ここは松下幸之助氏をはじめとする日本経済の巨頭たちが関わってきた歴史ある団体です。そこで37年間、リーダーシップ開発部長やシニア講師として走り続けました。
当初は23歳、知識も経験もないゼロからのスタートでしたが、世界的なコーチであるロバート・ディルツ博士やティム・ホールバン先生から直接指導を受け、日本にコーチングを紹介したり、立命館大学院でコーチングの教鞭をとったのは、日本で一番早かったので、草分け的な役割を担ってきました。2018年にはアメリカでオバマ元大統領の講演を聴き、フィードバックの重要性や「ルールを破るのがリーダーシップだ」という気概に触れたことも大きな変化のきっかけです。常に世界のトレンドを学び続け、それを日本の土壌に合わせて翻訳し、届けてきた自負があります。
――大学院での教え方も高く評価されていたと伺いました。
立命館大学大学院での5年間は、私にとっても大きな学びでした。1400名いる教員の中で、教え方はエクセレントだと言われ、学生の方々から、感動した、行動変容への意欲が高まったとアンケートに書かれたのは、「人は理論だけでは動かない、感情が大事だ」という信念を貫いたからだと思います。プレゼンテーションの向上にも、演劇やコーチングの要素を取り入れることで学生たちの目の色が変わりました。その経験が、今の「中島メソッド」の基盤になっています。
「ねぎらい・感謝・承認」が循環する。自発性を引き出すサーバント・リーダーシップ
――組織の運営や、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションで工夫されていることはありますか?
現在のスターリーダーの特色は、クライアントと私の体感を融合したプロジェクト型の輝く組織づくりです。専門性を持つコーチ仲間とチームを組み、プロジェクトごとに最適な布陣で挑んでいます。そこで私が最も意識しているのは「グッドサイクル」を回すことです。
具体的には、関係の質を高め、思考の質を高め、行動の質を高める。そして結果の質につなげていく。そのために、怒る・叱る・批判するといったネガティブな要素は極力排除しています。まずは「ねぎらい」と「感謝」。そしていいところをポジティブにフィードバックし、「褒める(承認)」。これを徹底することで、メンバーは「やれ」と言われなくても自発的に動いてくれるようになります。
――まさに「サーバント・リーダーシップ(支援型)」ですね。
その通りです。これからの時代のリーダーは、昔のような「行け!やれ!」という強権的なスタイルだけでは通用しません。周囲と響き合う「共鳴」のリーダーシップが必要です。人は粒子であり、波動でできています。リーダーの放つエネルギー、つまり「振動」が周囲と共鳴し、自然といい形で響き合っていく。そんな「静かなるリーダーシップ」が組織を強くすると確信しています。
「伊勢・木曽路・宮島・宮古島」等を舞台に。五感を研ぎ澄ますコーチング・リトリートの事業を本格的に開始されたとのことですが、
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今、最も力を入れたいのが「コーチング・リトリート」の普及です。宮古島や伊勢志摩、そして歴史ある中山道木曽路(宿場町の馬籠・妻籠など)を舞台に、立ち止まってゆっくりと自分と向き合う時間を提供したいと考えています。
成功者がさらに次のステージへ向かうためには、一度日常を離れ、自然の中で五感を研ぎ澄ます「自問自答の時間」が絶対に必要です。例えば伊勢では、内宮・外宮への参拝とコーチングを組み合わせ、未来をイメージして神前で誓いを立てる。木曽路では、歴史の変革期に立ち会った志士たちのように自分の「天命」を再確認する。全国47都道府県温泉付きコーチングリトリート事業を展開していくのが私の夢です。
――日本人のリーダーシップを「世界水準」に引き上げるという目標も掲げられていますね。
世界水準のメソッドを、日本のリーダーたちにマスターしてほしい。そして、日本発のリーダーシップが世界を輝かせる。そんな未来を作りたいのです。私自身、この年齢になってもThreads、TikTokやInstagramなど新しい発信媒体に挑戦し続けています。「発信力」や「集客」は大きな課題ですが、こうしたメディアを通じて、一人でも多くのリーダーに光を届けたいと思っています。
答えは「Netflix」と「アニメ」の中にある。物語が人を動かすストーリーテリングの力
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
意外に思われるかもしれませんが、Netflixでドラマやアニメを見るのが大好きです。特に日本のアニメーションのクオリティとストーリー性は素晴らしい。私はラジオ番組も持っていますが、そこでは『鬼滅の刃』や『半沢直樹』などの登場人物が持つリーダーシップについて熱く語っています。
アニメの主人公たちは皆、過酷な修行を乗り越え、共通のビジョンを持ち、仲間を励ましながらプロセスに挑戦していきます。これこそが、私が提唱する「リーダーシップ・チャレンジの5つの実践」そのものなのです。
――ストーリーテリングも中島メソッドの重要な要素ですね。
人を動かす秘訣は「ストーリー」にあります。単に「数字」や「結果」だけを伝えるのではなく、「一緒にパリに行こう。なぜなら……」と、五感に訴える物語を語ること。未来の楽しい景色を共有し、リーダー自らがそのスポンサーになる。そうすれば、人は自然と一歩を踏み出したくなるものです。