時代に順応し、地域とともに歩む──再生可能エネルギーで北陸の未来を支える挑戦

株式会社ビズグリーン金沢 代表取締役 笠井秀行 氏

再生可能エネルギー設備の普及を通じて、地域に安心と持続可能な暮らしを届ける株式会社ビズグリーン金沢。太陽光発電や蓄電池の販売・施工を軸に、地元ビルダーとのアライアンス強化を進めながら、着実に成長を遂げています。本記事では、代表取締役の笠井秀行氏に、事業の現状や転機、組織づくりの考え方、そして未来への展望について伺いました。

地域密着で再生可能エネルギーを届ける

――御社の事業内容について教えてください。

私たちの事業の中心は、太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギー設備を、より身近な存在として一般住宅に普及させていくことです。かつては売電型が主流でしたが、今は自家消費型、いわゆる地産地消の時代に入っています。自分で電気をつくり、自分で使う。そういった生活環境を整えることが、これからのスタンダードになると感じています。

以前は「売ること」が目的になっていた時代もありました。でも今は違います。お客様の暮らしの中に自然に溶け込み、本当に役に立つ形で再生可能エネルギーを取り入れていただく。そのためにどうあるべきかを、常に考えています。

取り扱う製品も、国内メーカーの商品を中心に、常に新しいものをラインナップしています。日本製品は本当に品質が高い。私はその良さを心から信じています。だからこそ、それを扱う側がしっかりしていなければならない。良い製品を、正しい知識と責任を持って届ける。それが私たちの役割だと思っています。

――お客様は一般個人の方が多いのでしょうか。

最近では上場企業様の事務所や工場など、BtoBのお取引も増えてきました。ただ、基本は地元密着型で、新築住宅を中心とした個人のお客様がメインです。とはいえ、実際のご依頼の8〜9割はビルダー様や公務店様経由です。

私は、企業間の信頼関係こそが一番強い土台になると考えています。飛び込みで売るのではなく、まずはビルダー様や公務店様としっかり手を組む。その先にいるお客様へ、安心して任せていただける体制をつくる。それが結果的に一番健全で、長く続くやり方だと感じています。

GX志向型住宅が広がる中、太陽光は“あればよい”ものから“必須”に近い存在になっています。補助金制度や住宅性能基準の変化もあり、ビルダー様側も非常に重要視されています。そうした流れの中で、設計から申請、施工、メンテナンスまで一貫して対応できる体制を整えてきたことが、今の私たちの強みです。

時代は常に動いています。その変化を正面から受け止めながら、地域の暮らしに本当に必要とされる存在であり続けたい。それが、私たちの事業の根底にある思いです。

分社化と方針転換が生んだ成長

――代表に就任された背景を教えてください。

もともとはグループ母体があり、全国展開していましたが、経営者の事情により分社化することになりました。金沢は独立採算の企業として再出発し、私が代表を務めることになりました。代表になってからは4〜5年ほどになります。

正直に言えば、環境が大きく変わる中で、不安がなかったわけではありません。ただ、これまで自分が中心となって取り組んできた事業ですし、何よりお客様がいらっしゃる。BtoCのお客様が多い業界ですから、アフターメンテナンスやフォロー体制を止めるわけにはいきません。責任を持って続けていく。それが自然な選択でした。

代表になったからといって、急に立場が変わったという感覚はありません。ただ、最終的な判断を下す責任はすべて自分にある。その重みは強く感じました。だからこそ、方向性を明確にしなければならないと考えました。

――ターニングポイントは何でしたか。

代表就任と同時に、営業方針を大きく転換しました。それまでの訪問販売型から、アライアンス重視へと舵を切ったのです。時代背景を見れば、飛び込み営業や押し売りのような手法は長く続かないと感じていました。これからは企業間の信頼を軸にした形でなければ、本当の意味での継続は難しい。そう判断しました。

地元企業との協力体制を強化することで、企業信用を高める。その信用が、結果として個人のお客様の安心につながる。そう信じて方向転換をしました。

その決断が、最大の転機だったと思います。売上規模でいえば、就任以降で数倍に伸びています。もともと小さな規模でしたからこそ、やり方を変えた効果がはっきりと出ました。

私の中で一番大きかったのは、“売る”ことを追いかけるのではなく、“求められる存在になる”という発想に変わったことです。そこから会社の流れが変わったと、今振り返って感じています。

少数精鋭で経営意識を持つ組織へ

――現在の組織体制について教えてください。

現在は7名の少数精鋭体制です。人数としては決して多くはありませんが、その分、一人ひとりの役割は非常に大きい。私は、各個人が経営者意識を持ち、始まりから終わりまで責任を持てる組織でありたいと考えています。

例えば、営業だけ、施工だけ、申請だけといった“部分最適”ではなく、全体の流れを理解した上で動ける人材であってほしい。自分の仕事がどこにつながり、どんな影響を与えるのかを理解しているかどうかで、仕事の質は大きく変わります。

組織を拡大すると、どうしても分業型になりがちです。「ここまでが自分の仕事」という線引きができてしまう。でも私は、それぞれが全体を見渡し、最後まで責任を持つ体制を大切にしたいと思っています。

とはいえ、ガバナンスやコンプライアンスの強化を考えると、将来的な人員拡大は避けて通れません。拡大は視野に入れつつも、今のこの責任感ある体制を崩さない形を模索しています。

――経営で大切にしている哲学は何ですか。

一言で言えば、時代背景に順応することです。これが正しい、と決めつけてしまうと、企業はそこで止まってしまいます。太陽光業界も、売電中心の時代から自家消費型へと大きく変わりました。国策も市場環境も、常に動いています。

だからこそ、柔軟であること。そしてレスポンスの速さ。この二つが私たちの軸です。設計が早い、申請が早い、対応が早い。それだけで「任せて安心だ」と言っていただけるようになります。

企業も人も、年数を重ねるほど考えが固まりやすい。だからこそ、自分自身に対しても「固まるな」と言い聞かせています。変化を恐れず、むしろ変化を先回りする。その姿勢を持ち続けることが、経営者としての責任だと感じています。

北陸から全国へ、安心安全の基盤を築く

――今後の展望を教えてください。

まずは北陸エリアでの地元密着型の完成形を目指しています。現在、石川・富山の公務店様向けイベントで講師として登壇し、再エネ設備の知識やスキームをお伝えしています。建材会社様などが主催する勉強会やセミナーにお声がけいただき、その場で太陽光や蓄電池の役割、業務の流れ、補助金の仕組みなどを説明しています。

設計から申請、工事、そしてアフターメンテナンスまで一貫して対応できる体制は、この地域では非常に少ないと感じています。だからこそ、その強みを正しく伝え、地元ビルダー様と協力体制を築いていくことが最優先です。

今後5年で、北陸エリアのビルダー様との連携を完成形に近づける。それがまずの目標です。

――その先のビジョンについてはいかがでしょうか。

3年後の売上は、現在の倍を目指しています。ひとつの目安として掲げている数字がありますが、それは通過点に過ぎません。一定の売上規模に達すれば、できることが増えます。人材の強化、エリア拡大、新たな事業展開。その可能性が広がります。

新潟や長野といったエリアへの展開も視野には入れています。ただし、いきなり外へ広げるのではなく、まずは北陸での信用と信頼を確立することが先決です。地元で認められてこそ、次の展開が意味を持つと考えています。

最終的には、地域の安心安全を支える企業でありたい。再生可能エネルギー設備は、単なる設備ではなく、災害時の備えにもなります。BCP対策の一環として企業にも広がれば、地域全体の強さにつながるはずです。

全国展開という可能性もゼロではありませんが、それは目先の積み重ねがあってこその話です。一歩一歩、地に足をつけて成長していきたいと考えています。

仕事そのものが生きがい

――お休みの日の過ごし方や、リフレッシュ方法について教えてください。

正直なところ、私は仕事人間ですね。従業員にはしっかり休んでもらいたいと思っていますが、私は仕事を中心に動いています。ある意味、趣味みたいなものです。

休みの日であっても、会社のことを考えています。やることもありますし、考えることも尽きません。どこの経営者も同じかもしれませんが、完全に仕事と切り離すという感覚はあまりないですね。

ただ、それが苦ではないんです。会社をどう良くしていくか、次は何を仕掛けるか、どこを改善するか。そういったことを考える時間そのものが、自分にとっては前向きな時間です。

従業員にはしっかり休んでもらい、自分はその分、会社の未来を考える。そのバランスが、今の自分にとっては自然なスタイルだと思っています。

――最後に、これから起業する方へメッセージをお願いします。

非常に難しい質問ですね(笑)。あくまで私の考えですが、今の世代がこれからの日本を支える骨組みになると思っています。中小企業こそが、日本の力の源になる存在です。

グローバル化が進む中で、そういった意識が薄れている部分もあるかもしれません。ただ、子どもの世代、孫の世代へとつないでいく企業体制をつくることが、経営者の役割だと思っています。

私自身、アライアンスを大切にしてきました。企業間の取引は信頼につながりますし、その信頼が経済を動かします。これから起業される方も、ぜひ協力し合いながら、日本経済を支える一員になっていただければと思います。

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