「想いに寄り添い、想いをカタチに」――銀行グループ発の「泥臭い伴走」で、中小企業の背中を押す

みらいリーナルパートナーズ株式会社 代表取締役 近藤 雅裕氏

みらいリーナルパートナーズ株式会社は、銀行グループの非金融領域を担う戦略子会社として設立されました。従業員参加型のワークショップを軸にした伴走型コンサルティング、クラウドファンディングを活用したプロモーション・ブランディング支援、そしてデジタル化(DX)支援まで。中小企業が抱える「言語化しづらい悩み」に寄り添いながら、解決まで一緒に走るのが特徴です。代表の近藤雅裕さんに、事業の狙い、仕事観、組織づくり、そしてこれから描く未来についてうかがいました。

思いに寄り添い、経営課題を「一緒に解く」伴走を広げる

――御社の事業について教えてください。

当社は、いわゆる銀行グループに属する会社です。関西みらい銀行、みなと銀行という二つの銀行を株主に持ち、金融「以外」の非金融部門の取り組みを進めていく戦略的な意図を持った子会社として設立されました。堅苦しく聞こえるかもしれませんが、要は「銀行らしくない新しいチャレンジをしていこう」ということです。

組織は従業員12名で、全員が銀行員出身です。私自身も銀行の役職を兼務しています。

事業としては大きく三つあります。まず一つは、従業員参加型で経営課題を一緒に解決していくワークショップを企画しながら進める、伴走型のコンサルティングです。二つ目は、クラウドファンディングを活用したプロモーションやブランディングの支援。三つ目はDX支援で、クラウドサービスの代理店販売なども行っています。いわゆるマルチベンダー的な立ち位置ですね。

三つに共通しているのが、当社のコーポレートスローガンでもある「想いに寄り添い、想いをカタチに」です。お客様に寄り添って悩みを共有して、解決策を一緒に考え、理想に近づいていく。中小企業の経営者の方は孤独な方が多いと思っています。だからこそ寄り添い、形にしていく。ここにコミットしよう、という思いで取り組んでいます。

「銀行員のままで、役に立てているのか」――経営の道へ踏み出した転機

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

私はもともと、30代半ばまでは普通の銀行員でした。そこから、りそなグループの公募制度で「りそな総合研究所」に学びに行く機会を得たんです。1年間限定で勉強して帰るつもりで手を挙げました。

ところが、着任初日に言われたのが、「実は銀行グループで新しい会社を作るプロジェクトがあって、そのメンバーとして呼んでいる。勉強して帰れると思うなよ」という一言でした。正直「ええ?」という感じで、想定外のスタートでしたね。

ただ、公募制度に手を挙げた背景には、私の中での迷いがありました。ずっと銀行の営業マンとしてやってきた中で、「本当に中小企業の役に立てているのかな」と感じる場面が増えていったんです。

資金調達の提案をしても、「一回税理士に相談してみる」と返ってくることもある。長いお付き合いのお客様に「なぜうちの銀行と取引してくれているんですか」と聞くと、「昔の担当者で、●●さんという方がいてね。ウチの業績がしんどい時に寄り添ってくれて、助けてくれたんよ。」と言われることがある。そういうエピソードを聞くたびに、自分は「そういう関わり」ができていたのだろうか、と考えるようになりました。

その悩みの中で、学べる制度を見つけ、「変わるきっかけになるかもしれない」と手を挙げた。結果として、いまの事業につながっていったのだと思います。

「仕事は楽しい」から始まる、成長のサイクルを回し続ける

――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。

価値観と言われると難しいのですが、一つ強く思っているのは「仕事は楽しく」ですね。私は仕事には「5つのサイクル」があると思っています。

まず、仕事は楽しい。楽しいからこそ、「どうやったらもっと面白くなるかな、楽しくなるかな」と考えて、自分で勉強を始めたり、情報を積んだりしていく。そうすると成長していって、少しずつお客さまの役に立てるようになる。大げさに言えば、社会の役にも立てるようになる。そこまで来ると、仕事として結果が残る。結果が残ると、また仕事が楽しくなる。

「楽しい→成長→お客様の役に立つ→社会の役に立つ→結果が残る→また楽しい」。このサイクルを回していくことが大切だと思っています。そして社長という立場では、このサイクルが回るように、組織をどうデザインしていくかを日々考え続けています。

もう一つ、支えになっている言葉もあります。中学校まで野球をしていたのですが、当時の監督が部室に「しんどいときが勝負やで」という言葉を筆で書いて飾っていたんです。仕事をしているとサイクルが止まりそうになる瞬間はあります。そんなときに、どう捉え、どう行動するか。その積み重ねが人の価値をつくると、今も信じています。

フラットに言い合い、暗黙知を言語化する――人が育つ組織をつくる

――社員の皆さんが「考えて動ける」ようにする工夫はありますか。

組織づくりで強く意識しているのは、フラットな関係性です。私自身、コンサルタントとして活動している立場でもありますので、組織としてノウハウをどう高めていくかがすごく大事だと感じています。

社内には真面目な若いメンバーが多いので、「ちょっとふざけながら本気でやろうぜ」とよく言っています。空気が硬くなると、言いたいことも言いづらくなる。だからこそ、フラットで、前向きに、熱量を持って議論できる雰囲気をつくりたいんです。

また、仕事の中で生まれる「経験」や「感覚」を、できるだけ言葉にすることも大切にしています。現場で成果を出している人ほど、「なんとなく分かる」「感覚的にやっている」ことが多い。でも、それが言語化されないままだと、本人がいなくなった瞬間に組織の力は落ちてしまいます。

当社ではお客さまに対しても、そうした暗黙知を整理し、共有できる形にする支援をしていますが、それは自分たちの組織でも同じです。個人の頑張りに頼るのではなく、共有し、仕組みに落とし、組織として再現できる形にする。その積み重ねが、結果的に人を育て、組織を強くすると考えています。

採用については、最近たまに行っていますが、「前向きで熱い人」かどうかを見ています。面接の中で「この人と仕事したいな」と思えるかどうか。最後はそこですね。

AI時代だからこそ、人が人を動かす価値を大きくする

――今後、さらに取り組んでいきたい挑戦は何ですか。

今後の挑戦は、「新しいことを増やす」よりも、今やっていることを徹底的に磨き込むことだと考えています。私たちが一番大事にしてきたのは、伴走するという姿勢です。経営者の想いに寄り添い、従業員の皆さんと一緒に考え、動き、前に進めていく。この“人が人を動かすプロセス”こそ、私たちが一番大事にしてきた価値です。

生成AIの登場によって、答えを出すまでのプロセスは、以前より簡単になりました。ただ、答えが出たからといって、組織が動くわけではありません。実際に決断し、現場を巻き込み、やり切る。その部分は、今もこれからも人間の役割だと思っています。

DX支援やクラウドファンディングも、その延長線上にあります。新しいシステムを導入することが目的ではなく、どう現場に落とし込み、どう行動を変えていくか。事業を発展させるためには、資金調達がゴールではなく、企業の強みや存在意義を言語化し、社内外に伝えていくことが本質です。

AIが答えを教えてくれる時代だからこそ、良い問いを立て、言葉にし、人を巻き込んでいく力がより重要になる。私は、そこに私たちの価値があり、AI時代だからこそ、コンサルティングの可能性はむしろ広がっていくと感じています。

「銀行を変える」師匠の言葉を胸に、泥臭いプラットフォームへ

――尊敬する方や、影響を受けた存在はいますか。

尊敬する方、影響を受けた方は本当にたくさんいます。銀行の中にも優秀な先輩は多く、これまで多くのアドバイスをもらってきました。そのうえで、あえて一人挙げるとすれば、当社の取り組み、いわゆる「リーナル式」を一から教えてくださった、私の師匠です。

着任して間もない頃、その方がふと、「私のライフワークは、銀行を変えることです」と口にしたことがありました。

自分のライフワークをここまではっきり言葉にする人に、私はそれまでほとんど出会ったことがありませんでした。
その姿に強く惹かれましたし、「自分は何のために働くのか」を真剣に考えるようになった原点だと思っています。

――リフレッシュ方法について教えてください。

正直に言うと、今のところ明確なリフレッシュ方法はありません。仕事がそのまま趣味のような状態で、それ以外で情熱を持って取り組めることは、これから見つけていくところです。

ただ、仕事については、これからやるべきことははっきりしています。
地域密着型の伴走支援を、単なるサービスではなく、「プラットフォーム」として育てていきたい。

私が目指しているのは、格好だけの仕組みではありません。

経営者や従業員、業界、地域の人たちが、顔の見える関係性の中でつながっていく、めちゃめちゃ泥臭い「ヒューマンプラットフォーム」です。中小企業の経営者は孤独になりがちです。だからこそ、誠実に寄り添い、想いを言葉にし、形にしていく。「中小企業経営のかかりつけ医」のような存在として、これからも背中を押し続けていきたいと思っています。

当面は仕事が一番。
いつかは、仕事以外にも夢中になれるものを持った、かっこいい大人になれたらいいですね。

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