地域企業の変革を、地域の力で動かす。エーシースタジオ・石田進さんが描く「時代を創る」挑戦

株式会社エーシースタジオ 代表取締役 石田 進 氏

株式会社エーシースタジオを立ち上げた石田進さんは、コンサルティング事業と、地域特化型サービス「LIFTO」の二つを軸に事業を展開しています。大企業で新規事業や戦略に携わってきた経験を持つ石田さんが、なぜ今、地域の中小企業に目を向けているのか。そこには、AIをはじめとする大きな時代の変化を前に、日本企業が変わりきれていないことへの危機感と、地域から変革を起こしたいという強い思いがありました。会社の理念、創業の背景、組織づくりの考え方、そしてこれから目指す未来について伺いました。

時代を創るために、企業が変革へ踏み出せる状態をつくる

——現在の事業内容について教えてください。

昨年8月に株式会社エーシースタジオを設立しました。まだ創業から1年は経っていません。現在は大きく二つの事業を進めています。

一つはコンサルティング事業です。主に私自身が動く形で、企業の新規事業や戦略に関する支援を行っています。企業がこれからどう変わっていくか、どういう方向に進んでいくべきかを整理し、前に進めるためのお手伝いをしている形です。

もう一つが「LIFTO」という事業です。こちらは年末から始めたばかりで、まだ立ち上がって間もない段階ですが、地域特化型のサービスとして進めています。地域の中小企業に対して、その地域にいるプロ人材が関われる仕組みをつくろうとしています。

大企業や金融機関で当たり前に実践されてきた仕事のやり方や考え方が、地域企業にとってはまさに目から鱗であることが少なくありません。そこで培われた経験やノウハウは、地域にとって非常に価値が高く、今まさに必要とされているものです。

——会社の理念やビジョンについて教えてください。

社名のエーシースタジオの「エ-シー」は、「Age Creator」という言葉から取っています。時代を創る、という意味を込めています。

ビジョンとして掲げているのは、「時代をつくる」ということです。ここでいう「つくる」は、創造の「創る」です。ミッションとしては、「企業が変革に踏み出せる状態をつくる」としています。

この言葉にした背景には、これまで会社員として大きな会社で新規事業や戦略に携わる中で感じてきたことがあります。多くの企業が変革という言葉を使いますし、資料にもその言葉は並びますが、本気で会社を変えていくことは簡単ではありません。変わらなければいけないと分かっていても、実際には動けない。その状況を強く感じてきました。

一方で、AIなどの登場によって世の中は大きく変わっています。変わらなければならないのに変われない企業が多い今、本気で変革に向き合う人や仕組みが必要だと思っています。

自分でサービスを一つ立ち上げるだけでは、自分の周囲でしか変化は起きません。そうではなく、社会の仕組みとして変革が起こるような状態をつくりたい。その考えが、今の事業と理念につながっています。

大企業での経験を経て、「今しかない」と独立を決めた

——これまでのキャリアについて教えてください。

これまで二社を経験しています。一社目はLIXILです。もともとは建築を学んでいて、最初は技術系の立場から入りました。その後、新規事業や戦略に関わるようになり、特に国内戦略を企画する部門を任されていました。

二社目はノムラアークスです。乃村工藝社グループの中で、複数あった子会社を一つにまとめた会社でしたが、統合した後もそれぞれの方向性がばらばらで、なかなかまとまっていかないという課題がありました。

そこをまとめていく手伝いをしてほしいということで参画し、ミッションづくりや新規事業、戦略の整理などに取り組んできました。

整理し、前に進める。強みは上流の思考を形にすること

——コンサルティング事業では、どのような価値を提供しているのでしょうか。

新規事業や戦略の支援が中心ですが、その中でも特に喜ばれるのは、会社の方向性や強み、トレンド、競合評価といった要素を整理し、一つの企画としてまとめ上げるところです。大きな会社ほど、優秀な人がたくさんいても、やりたいことがうまく整理されず、企画が通らない、まとまらないということが少なくありません。

新規事業は思いつきだけでは進みません。なぜそれをやるのか、本当に儲かるのか、社内でどう説明するのか。そうした問いに対して論理的に答えられる状態にしていく必要があります。そこを補完しながら整理して、一つの形にまとめてあげることは、毎回感謝される部分です。

もともとは企画から実装、ローンチまで伴走できることが自分の強みだと思っていましたが、実際には上流の企画整理の部分が最も喜ばれていると感じています。そのため、そこに特化したサービスにした方がいいのか、迷いながら考えているところです。

——地域特化型サービス「LIFTO」の手応えはいかがですか。

現時点では、人材側からの反応は強くあります。地域にいるプロの方たちからは、ぜひ成功してほしいという声をいただいていて、実際に登録も集まっています。能力があって本当は地域に貢献したいのに、お金の面や仕事内容の面で、地域にはその需要がなかった。その事業を掘り起こしてくれてうれしいという反応をいただいています。

一方で、企業側にはまだ十分に刺さっていない感覚があります。理想としてはいいと言っていただけるのですが、まだ切実な価値としては伝わりきっていない。そこが今、一番の課題です。

自由とモチベーションを大事にしながら、価値が固まれば組織を広げる

——現在の組織体制について教えてください。

今は基本的に一人でやっています。妻にも手伝ってもらっていますが、体制としては一人です。

コンサルティング事業については、今後も基本的には自分が中心になって進めていくイメージです。一方で、LIFTOの事業については、企業側が価値を明確に感じ、サービスとしての形が定まり、回り始めた段階で、人を入れて広げていきたいと思っています。

今はまだ、サービスの価値が完全に固まりきっているわけではありません。企業が十分に顧客になっていないということは、課題設定や価値の出し方にまだ改善の余地があるということだと捉えています。そこを調整しながら、固まったところに資源を投下していきたいと考えています。

——今後、どのような会社の文化をつくっていきたいですか。

会社員時代から、モチベーションはとても大事だと考えてきました。なので、できるだけそれを高められるような、自由度のある会社にしたいと思っています。基本的には任せる、というスタンスでやっていきたいです。

ただ、地域の会社は比較的かたいところも多いので、そのバランスは取っていく必要があるとも感じています。弾けすぎると引かれてしまうかもしれない。そのあたりは調整しながらになりますが、それでも、みんなが自由に、自分のやりたいことや思ったことを出しながら働ける会社にしていきたいと思っています。

地域から変革を当たり前にする未来へ。

——今後、どのような展望を描いていますか。

今、自分が取り組んでいる領域は、ある意味で空白地帯だと思っています。大企業が外部のプロフェッショナルを顧問のように迎えるサービスはすでにたくさんありますが、その一段下にある中小企業が、実際に動けるプロ人材を必要な形で活用する仕組みは、まだあまりないと感じています。

そこには大きなポテンシャルがあると思っているので、まずは埼玉のいち地域でしっかり成功事例をつくり、この領域にチャンスがあることを示したい。その後は資金調達も視野に入れながら、関東周辺、さらに全国へと広げていきたいと考えています。

——最後に、読者へ伝えたいことをお願いします。

変革とは何かを、ちゃんと真剣に考えたことがあるのか。それをいつも問いかけたいと思っています。

例えば、人材不足だから人を採ればいいのかというと、そう単純ではありません。これから先も人手不足は続きます。そのたびに人を採り続けるのでしょうか。それとも、人がいなくても回る仕組みをつくって、人手不足に悩まずに済む会社にするのか。

目の前の課題解決は確かに重要です。けれども、それが中長期的に見て本当に必要なことなのか、人がいないなら、いないことを強みに変えることはできないのか、それくらいの事を考える必要があると考えています。

私は、目先の改善ではなく、本気で長い目で見て変わりたい企業のお手伝いをしたいと思っています。

何かを変えたいと思ったときこそ、一番最初に何を考えるべきか。その段階から一緒に向き合っていきたいと思っています。

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