中小企業と個人の未来を支える――Cheer upが実現する“寄り添う資産形成支援”
合同会社Cheer up 代表社員 黒木 るみ氏
合同会社Cheer upは、中小企業や個人事業主に向けて、資産形成や福利厚生制度の導入支援を行う企業です。金融商品を販売しない中立的な立場から、企業型DCやiDeCoプラスなどの制度活用を提案し、従業員の金融リテラシー向上にも取り組んでいます。代表の黒木氏は、保険営業や多様なキャリアを経て独立し、「本当に顧客のためになる支援」を追求してきました。本記事では、代表社員の黒木 るみ氏に事業の背景や特徴、経営における価値観、今後の展望について伺いました。
商品を売らない金融支援――制度を軸にした価値提供
――どのような想いで今の事業を始められたのか教えてください。
前職では法人向けの保険営業を5年ほど行っていました。お客様と話をする中で、保険によって保障が整った後、多くの方が次に考えるのは「お金を増やしたい」ということでした。しかし、当時はマイナス金利の影響もあり、保険商品だけではそのニーズに十分応えることができないと感じていました。
そのような中で、商品を販売することよりも、どのように資産を増やしていくのかという考え方や知識を伝えることの方が重要なのではないかと思うようになりました。FP協会のセミナーで、NISAやiDeCoといった制度を活用した資産形成の考え方に触れたことも大きなきっかけです。金融商品ではなく制度を活用し、正しい知識を届けることこそが、お客様のためになると考え、独立を決意しました。
また、飲食店を両親が経営しておりましたので、個人事業主の方々と接する機会が多くありました。年金が少なく、高齢になっても働き続けなければならない現実を目の当たりにし、現役時代から資産形成を行う重要性を強く感じていました。そうした経験も、この事業を始める動機の一つです。
――現在の事業の特徴や強みについて教えてください。
現在は、企業型DCやiDeCoプラスといった制度の導入支援を中心に行っています。特徴は、特定の金融機関に属さない中立的な立場で提案できる点です。
一般的には金融機関ごとに自社の商品を前提に提案が行われますが、私はまず「企業型DCとiDeCoプラスのどちらが適しているのか」という制度選定から支援します。その上で、複数の金融機関を比較しながら、企業にとって最適な選択をしていただくことが可能です。
また、導入後のサポートとして、従業員向けの投資教育研修にも力を入れています。制度を導入するだけでなく、実際に活用され、資産形成につながることが重要だと考えています。
――理念やビジョンについて教えてください。
社名の「Cheer up」には、「応援する」「元気にする」という意味を込めています。日本の企業の大半を占める中小企業が元気になることが、日本全体の活性化につながると考えています。
そのためには、従業員一人ひとりの金融リテラシーを高めることが重要です。企業型DCやiDeCoプラスは、福利厚生でありながら資産形成にもつながる制度であり、企業の魅力向上にも寄与します。
さらに、給与明細の見方や社会保険の仕組みといった基礎的な内容から研修を行い、働く人が自分の収入や制度を正しく理解できるよう支援しています。こうした取り組みを通じて、企業と従業員の双方にとって価値のある環境づくりに貢献したいと考えています。
多様なキャリアが形づくる「寄り添う経営」
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともと両親が自営業を営んでいたこともあり、若い頃から独立への意識はありました。ただ、具体的に何をするかは明確ではなく、さまざまな働き方を経験してきました。
派遣社員や契約社員など、異なる環境で働く中で、小規模な組織の方が自分の意見が反映されやすく、やりがいを感じることに気づきました。また、飲食店の立ち上げから閉店までを経験したことで、経営の難しさや責任の重さを実感しました。
その後、保険会社で法人営業を経験し、多くの経営者と接する中で、経営者の孤独や課題にも触れてきました。そうした経験を経て、自分も誰かの支えになれる存在になりたいと考え、現在の事業につながっています。
――経営判断の軸となる価値観は何でしょうか。
最も大切にしているのは、「お客様にとって本当に良い選択かどうか」です。私は金融商品を販売していないため、手数料に左右されることなく提案ができます。
だからこそ、企業や従業員にとって最適な制度や選択肢を一緒に考えることができる立場にあります。自分の利益ではなく、お客様の利益を最優先に考える。この姿勢はこれからも変えることはありません。
信頼を生むコミュニケーションと仕事への姿勢
――仕事をする上で意識していることを教えてください。
一つひとつの仕事に対して、「頼んでよかった」と思っていただけるように取り組むことです。そのためにも、コミュニケーションは非常に重要だと考えています。
特に、レスポンスの速さや情報共有の丁寧さは意識しています。コミュニケーション不足はトラブルの原因にもなりやすいため、小さなことでも密にやり取りすることを大切にしています。
制度普及と新たな支援領域への挑戦
――今後の展望について教えてください。
今後は、企業型DCやiDeCoプラスの普及をさらに進めていきたいと考えています。特に小規模な企業にとっては、導入のハードルが高いと感じられることも多いため、分かりやすく伝えていくことが重要です。
また、個人事業主向けの支援にも力を入れていきたいと考えています。働き方の自由度が高い一方で、資産形成やリスク管理が自己責任となるため、適切なサポートが必要です。
さらに、海外駐在経験を活かし、駐在前後の生活設計や資産管理に関する支援も視野に入れています。これまでの経験を活かしながら、新たなニーズにも応えていきたいと考えています。
「寄り添う姿勢」を貫く
――経営の中で譲れない想いを教えてください。
お客様に寄り添う姿勢です。どのような場面でも、この軸だけは変えることはありません。
その考え方は、これまで出会ってきた尊敬する方々からも大きな影響を受けています。FPとしての師匠である方は、知識や経験が豊富であるだけでなく、人としての在り方が非常に誠実で、常に相手の立場に立って物事を考える姿勢を持っていました。だからこそ、自分自身も知識やスキルの向上だけでなく、人として信頼される存在であり続けたいと考えています。
――リフレッシュ方法や仕事以外の取り組みについて教えてください。
筋力トレーニングやマシンピラティスなど、体を動かすことがリフレッシュになっています。健康は仕事を続ける上での基盤でもあり、日々意識して取り組んでいます。
また、書道にも長く取り組んでおり、作品制作や教室運営も行っています。大きな作品を制作するには集中力と体力が求められますが、その分やりがいも大きく、仕事とはまた違った充実感を得られています。
今後も、資産形成支援と教育の両面から、多くの人の人生に寄り添い続けていきたいと考えています。