スポーツと地域をつなぐ旅を創る――株式会社MY FOOTBALL TRAVELが描く新たな観光のかたち

株式会社MY FOOTBALL TRAVEL 代表取締役 吉田 眞彩氏

株式会社MY FOOTBALL TRAVELは、スポーツと旅行を掛け合わせた事業を展開する企業です。旅行事業を軸に、地域活性化事業やフットボール関連事業を手掛け、特にサッカー・フットサル分野に強みを持っています。代表の吉田眞彩氏は、旅行業界での経験と、長年フットボールに関わってきた自身の体験を生かしながら、地域とスポーツをつなぐ新しい価値づくりに挑戦しています。本記事では、吉田氏に創業の背景や事業への想い、今後の展望について伺いました。

フットボールへの情熱から生まれた旅行事業

――現在の事業内容について教えてください。

現在は大きく3つの事業を展開しています。旅行事業、地域活性化事業、そしてフットボール事業です。その中でも中心となっているのが旅行事業になります。

もともと私はサッカーやフットサルが大好きで、世界中へ試合観戦に行くような生活をしていました。専門学校卒業後は株式会社JTBに入社し、7年間、海外個人旅行パッケージ商品の企画・造成や航空手配などを担当していました。その後、茨城県鹿嶋市を中心とする鹿行地域のまちづくり会社を経て起業したのですが、自分の好きなフットボールと、これまで携わってきた旅行の仕事を掛け合わせられたら面白いと思ったのが、今の事業の原点です。

現在は、スポーツチームの遠征や合宿、サポーター向けの旅行など、スポーツ関連の案件を中心に手掛けています。一般旅行にも対応していますが、特にサッカーやフットサル領域に強みがあります。

――他社にはない強みはどのような点でしょうか。

趣味のフットボール観戦では自分自身で全国のスタジアムやアリーナへ足を運んできました。そのため、会場までの導線や地域の特徴を実体験として理解しています。

例えば、駅からスタジアムまでの距離感や、ホテルから会場へのアクセスなども、実際に現地へ行った経験をもとに提案できるのは強みだと思っています。

また、現在は子どもたちの遠征も手掛けています。私自身、中学生の頃からホームステイを経験し、高校時代にはオーストラリアへ3年間留学していました。子どもが親元を離れて遠征や留学へ行く際の不安や成長を、自分の経験として理解できるので、そうした部分のケアも大切にしています。

地域活性化への想いと起業の背景

――起業されたきっかけについて教えてください。

高校時代にオーストラリアへ留学し、その後は都内の専門学校を経て株式会社JTBへ入社しました。海外個人旅行のパッケージ商品の企画や航空手配を担当していましたが、コロナ禍で旅行業界が大きな影響を受け、転職を考えるようになりました。

その時に改めて、自分の人生の軸になっていたのがサッカーだと感じたんです。スポーツに関わる仕事がしたいと思い、茨城県鹿嶋市で鹿行地域の地域活性化事業を行っているまちづくり会社株式会社KXへ転職しました。

その会社では、3年間勤めましたが、地域に関わる幅広い業務を経験する中で、やはり自分は観光や旅行の分野から地域に貢献したいという想いが強くなり、起業を決意しました。

現在、会社を茨城県鹿嶋市に構えているのも、そうした経緯があります。

――今後力を入れていきたい取り組みを教えてください。

今後特に力を入れていきたいのが「着地型ツアー」です。これは、地域内を巡り、その地域で完結する旅行スタイルのことです。

鹿嶋市には、試合日に全国から多くのサポーターが訪れます。ただ、東京から高速バスで来て、試合を見たらすぐ帰ってしまう方も多く、地域での消費に繋がりにくいという課題があります。

そのため、試合観戦だけで終わるのではなく、地域の飲食店や観光地も楽しんでもらえるような仕組みを作りたいと考えています。地域の事業者の方々と一緒にツアーを作り、鹿嶋の魅力をもっと発信していきたいです。

スポーツに関わる人たちの“受け皿”になりたい

――現在の課題について教えてください。

今は1人で事業を運営しているため、人材面は大きな課題です。ただ、旅行業務は専門知識が必要ですし、鹿嶋という地域への理解も重要になるため、誰でも良いというわけではありません。

今年度中には1人採用したいと考えています。旅行経験者であれば企画や手配を担当してもらいたいですし、スポーツ経験者であれば、人脈を生かした営業活動などをお願いしたいと思っています。

また、スポーツ選手のデュアルキャリアやセカンドキャリアにも関心があります。特にフットサル選手などは、競技と仕事を両立している方も多くいます。引退後の進路に悩む選手も少なくありません。

そうした方々が、「ここで働いてみたい」と思えるような会社にしていきたいと考えています。遠征経験やスポーツ現場の知識を、旅行業の中で生かせる場を作れたらと思っています。

子どもたちの視野を広げるきっかけを作りたい

――5年後、どのような会社にしていきたいですか。

ただの旅行会社にはなりたくありません。スポーツに特化した旅行会社として認知され、「遠征ならここに頼めばいい」と言っていただける存在を目指しています。

また、スポーツ選手出身の方々の受け皿になれる会社にもなりたいですし、地域からも愛される企業になっていきたいと思っています。

――事業を通して実現したいことを教えてください。

私自身、幼少期から海外旅行や留学を経験したことで、外から日本を見る機会がありました。一度外に出ることで、日本の良さを改めて実感できると思っています。

だからこそ、多くの方に海外へ行ってほしいですし、特に子どもたちには、若いうちにさまざまな経験をしてほしいと思っています。子どもの頃の体験は、その後の人生に大きな影響を与えると思うんです。

また、地方では「留学に興味はあるけれど、相談できる人がいない」というケースも少なくありません。私自身も、留学当時は周囲に経験者がおらず、不安を抱えながら進めていました。

将来的には、鹿嶋地域で留学支援のような取り組みにも挑戦したいと考えています。子どもたちが視野を広げ、自分の可能性に気づくきっかけを作れる存在になれたら嬉しいです。

フットボールと共にある日常

――休日の過ごし方について教えてください。

休日は基本的に試合を見に行っています。JリーグやFリーグの試合観戦はもちろん、自分でもフットサルをしています。

鹿島アントラーズは特に大好きなチームで、応援を続けています。旅行を兼ねて遠征へ行くことも多く、休みの日もほとんどフットボール中心の生活ですね。

サッカーを見るきっかけになったのは内田篤人さんでした。地元が近かったこともあり、地元からプロ選手が出たことが嬉しくて応援するようになりました。

フットボールを通じて人と地域をつなぎ、新しい価値を生み出していく――。その想いを軸に、株式会社MY FOOTBALL TRAVELはこれからも挑戦を続けていきます。

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