「楽しくなければ、いいものは作れない」ゲームの世界観を形にする夢双合同会社の挑戦
夢双合同会社 代表 阿部 祐希 氏
ゲームのオフィシャルサイトやティザーサイト、LPなど、エンターテインメント領域に特化したWeb制作を手がける夢双合同会社。ディレクションからデザイン、サイト構築、システムの組み込み、運用管理までを一人で担い、ワンストップで制作を完結できる体制を強みとしています。会社設立の背景には、技術者として積み重ねてきた経験と、「自分が本当に取り組みたい仕事に絞りたい」という想いがありました。起業直後のコロナ禍や、案件獲得の難しさを乗り越えながら、現在は新たな事業にも挑戦しています。
目次
「楽しくなければ、いいものは作れない」
――現在の事業内容と、会社の強みについて教えてください。
Web制作を中心に事業を行っています。その中でも、ゲームのオフィシャルサイトやティザーサイト、LPなど、エンターテインメント分野、特にゲーム関連の制作に力を入れています。
自分自身がゲーム好きなので、一人のユーザーとして意見を持てることも強みです。ゲームの熱量や世界観を、どうすればユーザーに伝えられるのかを考えながら制作しています。
現在、夢双合同会社は自分一人で運営しています。ディレクション、デザイン、サイト構築、システムの組み込み、運用管理まで、すべて一人で対応できます。ワンストップで制作を進められる点も、当社の特徴だと考えています。
――会社の理念には、どのような想いが込められていますか。
「楽しくなければ、いいものは作れない」という考えを理念にしています。
以前、デザイン事務所に勤めていた頃は、コーポレートサイトをはじめ、さまざまな企業のWebサイトを制作していました。Webサイトを作ること自体は好きでしたが、扱う内容に面白さを感じられないこともあり、物足りなさがありました。
自分の会社をつくるのであれば、自分が本当にやりたい仕事に絞ろうと考えました。ゲームやアニメ、ゲーム実況や配信に関わる事業者のWebサイトを手がけたいと思い、ゲーム分野に特化。自分自身が楽しみ、熱量を持って向き合える仕事だからこそ、より良いものを作れると考えています。
美容師からWebデザイナーへ。技術を積み重ねた先の起業
――これまでのキャリアと、経営者になったきっかけを教えてください。
美容専門学校を卒業後、美容師として3〜4年働きましたが、けがを機に退職しました。座ってできる仕事を求め、資金を貯めてWebデザインスクールへ。
以降は複数のデザイン事務所で経験を積み、28歳でフリーランスとして独立しました。一方で、個人では信用やつながりがなければ案件獲得が難しいと痛感し、3年ほどで再就職。
その後、同僚2人との起業計画が考え方の違いから立ち消えになったことをきっかけに、自ら会社を設立しました。個人ではなく、一人でも法人として事業を始める道を選びました。
――経営を続ける中で、特に苦労したことは何ですか。
一番の悩みは営業です。自分は技術者で、話すことも得意ではありません。電話営業ではうまく話せないため、最初の4年から5年ほどは、企業に営業メールを送り続けましたね。そこから下請けとしてデザインやWebサイト構築の案件を受け、事業を続けてきました。
起業したのは、コロナ禍が始まる1、2か月前。コロナ禍の影響により起業直後に案件が一度すべて止まり、当時いた従業員も不安を感じて退職しました。それからは、自分一人で続けています。
ただ、その時期には、知り合いのデザイン会社を通じてコロナ関連のWeb制作に携わり、何とか事業を継続できました。
ここ数年は、メール営業だけでは難しいと考え、自社のWebサイトを作り直し、ブログ機能も追加しました。現在はWebサイトから問い合わせや相談をいただき、案件につながることも増えています。営業に波があることは今も課題ですが、自社サイトが主要な営業手段になりつつあります。
一人で担うからこそ、外部パートナーとの関係を丁寧に
――現在の組織体制について教えてください。
会社は自分一人で運営していますが、外部契約をしているパートナー企業があります。構築を中心に担当してもらう会社で、当社はエンターテインメント系のデザインを評価していただき、つながりが生まれました。現在は、お互いに案件を相談し合いながら進めています。
パートナー契約のきっかけをつくってくれたのは、昔からの友人です。もともとの関係があるため、コミュニケーション上の問題は特にありません。ただし、仕事の話をするときには、お互いに敬語を使うようにしています。友人としての関係と、仕事上の関係を分けることは意識しています。
Web制作の知見を生かし、ゲームTシャツ専門の古着店へ
――今後、挑戦していきたいことを教えてください。
2026年3月頃から、ゲームTシャツ専門の古着店をオンラインで始めました。2026年1月頃から古物商許可の取得を含めた準備を進め、現在はBASEを中心に販売しています。
この事業には、Web制作会社としての実験の場をつくりたいという目的もあります。オンラインストアの情報を自社サイトに取り込む仕組みを作るなど、Web制作やシステム面の検証にも活用しています。
ゲームを中心にWebサイトを制作してきたこと、もともとゲームと古着が好きだったこと、以前から古着店をやってみたいと思っていたことが重なり、今回の挑戦につながりました。将来的には、実店舗を持って運営できる状態まで育てていきたいです。
――事業を広げるうえで、現在の課題は何ですか。
課題は認知度です。InstagramなどのSNSを使って認知を広げようとしていますが、ゲームTシャツは対象が限られる商材でもあります。どの程度まで認知を高め、どれほどのお客様に来ていただければ事業として成り立つのかを考えながら取り組んでいます。
日本国内だけでなく、海外にも発信していきたいです。古着店のWebサイトは簡易的ではありますが、多言語に対応し、海外向けのCookie設定も組み込んでいます。また、為替レートの情報をAPIで取得し、翻訳と合わせて表示通貨が切り替わる仕組みも加えています。今後は海外向けのInstagram広告なども検討し、発信を広げていく考えです。
自然の中で過ごし、仕事から離れる時間をつくる
――仕事を離れた時間は、どのようにリフレッシュしていますか。
キャンプが好きで、先日も伊豆へキャンプに行きました。自然に触れることが好きです。
もともとは東京出身で、八王子で暮らしていました。自然のある環境が好きで、海への憧れもあったため、現在は鎌倉に住んでいます。鎌倉に移ってから5、6年ほどになります。
休みの日には、自転車で海の近くまで出かけることもあります。キャンプや海辺で過ごし、自然に触れる時間が、自分にとってのリフレッシュになっています。