高齢者の笑顔と社会の未来をつなぐ――シニアマーケットの総合商社を目指して
株式会社ソーシャルビューティーフォト 代表取締役社長 山田真由美氏
高齢化が進む日本社会において、高齢者の生きがいや健康寿命の延伸は重要なテーマとなっています。株式会社ソーシャルビューティーフォトは、写真と美容を掛け合わせた取り組みを軸に、高齢者の心や暮らしに前向きな変化を生み出す事業を展開しています。介護施設での豊富な経験を持つ山田真由美氏は、単なるサービス提供ではなく、その先にある人生の変化や社会課題の解決を見据えています。今回は、事業への想いや今後の展望について伺いました。
目次
高齢者に特化した事業で新たな価値を創出
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社の大きな特徴は、高齢者に特化していることです。写真撮影だけ、美容だけ、レクリエーションだけという形でサービスを提供している企業は数多くあります。しかし当社は、そうした単体サービスではなく、高齢者を中心に幅広く関わっている点に強みがあります。
写真と美容は私の中で切り離せない存在であり、どちらか一方ではなく掛け合わせながら取り組んでいます。高齢者の方々が自分らしく輝き、前向きな気持ちになれる機会をつくることが目的です。
一方で、写真や美容そのものが目的ではありません。大切なのは、その先に誰がいて、どのような変化が生まれるのかということです。撮影した写真を誰に見てもらうのか、その体験によってどのような気持ちの変化が起きるのかを重視しながらサービスを展開しています。
――他社にはない強みはどのような点にありますか。
高齢者の自立した生活から介護が必要な状態まで、幅広い立場を見てきた経験があることです。介護施設で長く働く中で、高齢者の考え方や興味関心、介護予防の重要性などを現場で学んできました。
また、多くの企業から相談を受ける機会があり、高齢者向け事業に関する知見を蓄積してきました。そのため、自社サービスだけでなく、企業同士をつなぐ役割も担えると考えています。私は「シニアマーケットの総合商社」のような存在を目指しており、高齢者のためになる取り組みであれば、さまざまな形で関わっていきたいと考えています。
サービスを広げるために選んだ経営の道
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともとカメラマンとして活動するのであれば、フリーランスという選択肢もありました。しかし、自分自身が有名になることよりも、このサービスや理念を広げていきたいという思いが強かったのです。
以前相談した方から、「自分が有名になりたいのか、それともサービスを広げたいのかで今後の方向性は変わる」と言われました。その言葉をきっかけに考えた結果、サービスや理念を社会に広げていくためには法人化した方が良いと判断し、会社を設立しました。
また、企業との連携を進める上でも法人化は大きな意味がありました。現在はさまざまな企業と連携していますが、個人では実現が難しかったことも多く、法人として活動することで新たな可能性が広がったと感じています。
――経営において大切にしている価値観は何でしょうか。
私が大切にしているのは、サービスや技術そのものではなく、その先にある変化です。
例えば、心の変化や家族とのつながり、自分自身の身体への意識など、前向きな変化を生み出すことを目的に事業を行っています。そのため、単なるサービス提供会社として見られるのではなく、人や社会をより良い方向へ変えていく存在でありたいと思っています。
利益を上げることは企業として必要ですが、それだけが目的ではありません。社会全体が少しでも良くなっていくことが、私にとっての大きな原動力です。
介護業界をもっと魅力ある仕事にしたい
――理念やビジョンに込めている思いを教えてください。
近年特に感じているのは、介護業界で働く人たちの負担の大きさです。介護施設では職員の離職も多く、意欲のある若い人材が疲弊して辞めてしまうケースも少なくありません。
私は介護施設で働きながら美容の資格取得を支援してもらい、そのスキルを施設で活かす機会もいただきました。その経験が仕事への大きなモチベーションになりました。
だからこそ、職員一人ひとりがやりたいことに挑戦できる環境が大切だと考えています。美容に限らず、それぞれの得意分野やアイデアを活かしながら働ける職場が増えれば、介護業界はもっと魅力的になるはずです。
高齢者だけでなく、そこで働く人たちも元気になれる環境づくりに貢献したいという思いがあります。
後継者育成とネットワークづくりで未来を広げる
――今後の展望について教えてください。
現在は一人で事業を運営していますが、将来的には後継者育成にさらに力を入れていきたいと考えています。
その一環として、シニア向け写真講座や、「「シニア専門ポートレート協会®️」の立ち上げにも取り組んでいます。また、美容分野では、「トータル・ケアビューティー協会」を通じた活動も行っています。
今後は私自身が現場だけでなく、人材育成や企業同士をつなぐ役割にも注力していきたいと思っています。写真や美容に携わる人たちが現場で活躍し、私はその人たちと企業を結び付ける存在になる。それが理想の形です。
目指しているのは「シニアマーケットの総合商社」です。高齢者が元気になり、その結果として社会全体の負担軽減にもつながるような取り組みであれば、これからもさまざまな挑戦を続けていきたいと思っています。
若い発想と共感が未来をつくる
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
この会社の理念やビジョンに共感してくれる若い世代に興味を持ってもらえたらうれしいです。
特に、業界の課題に気付き、自ら考えて行動できる人や、柔軟な発想を持っている人に魅力を感じます。大学で学生に授業をする機会もありますが、若い人たちの自由な発想には多くの可能性を感じています。
今後も新しいアイデアや価値観を取り入れながら、高齢者と社会の未来をより良くする活動を広げていきたいです。
ライフワークとして続ける挑戦
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
仕事とプライベートの境界はあまりありません。写真が趣味でもあり仕事でもあるため、休日にカメラを持って撮影に出かけることもあります。
また、友人と会う時間も大切ですが、その出会いが将来的に仕事につながることも少なくありません。Netflixを観ることもありますが、基本的には常に仕事と人生がつながっている感覚です。
好きなことを仕事にしているので、仕事というよりもライフワークに近いのかもしれません。これからも高齢者の笑顔と社会の未来につながる活動を、自分らしく続けていきたいと思っています。