不動産×金融の視点で「人生全体の100点」をデザインする――先義後利で築く紹介型ビジネス
株式会社セオリス 代表取締役 中塚 祐斗 氏
保険代理店と不動産業を展開し、広告に頼らない完全紹介制のビジネスモデルを築いている中塚氏。目指しているのは、不動産だけで理想を追求するのではなく、保険や税金、資産運用まで含めた総合的な提案によって、一人ひとりにとっての幸せを実現することです。会社の理念や組織づくり、今後の展望について伺いました。
目次
不動産だけで100点を目指さない。人生全体を支える事業へ
――現在の事業内容について教えてください。
保険代理店と不動産業を展開しています。保険は完全紹介制で、お客さまのライフプランに合った商品をご提案する形です。
不動産では、賃貸のお部屋探しからマイホームの購入・売却、投資用不動産の売却まで幅広く対応しています。もともとはグループ会社のFP事務所から他社へ依頼していた相談を内製化するため、2023年に両事業を立ち上げました。
事業の特徴は、口コミや紹介を中心に事業を運営している点です。一度きりの取引ではなく、お客さまの人生の節目ごとにご相談いただき、そこから新たな紹介が生まれる長期的な関係を大切にしています。
――事業を通じて、どのような価値を提供したいと考えていますか。
マイホームについて、100点満点の理想の家を買おうとすると、予算が際限なく上がってしまいます。一般的には自社の住宅を高く売ることが目的になりがちですが、マイホームという枠組みだけに囚われず、お金を総合的に捉えるべきだと考えています。
不動産だけで100点を目指すのではなく、保険や税金、資産運用などの知識を組み合わせ、人生全体で100点を目指す。そして、単なる知識の提供にとどまらず、家計の見直しや資産最適化といった「目に見える結果」にお客さま以上にコミットすることが重要です。
そこで生まれた余裕を、お子さまの教育費や自己投資、あるいは家族と過ごす豊かな時間に充てることができれば、より幸せな生活につながるのではないでしょうか。
お客さまが抱えている細かな悩みを拾い上げ、総合的な金融コンサルティングを行うことが、当社の役割だと考えています。
「圧倒的な信用の積み重ね」が第一。お客さまの人生のかかりつけ医に
――経営者になったきっかけを教えてください。
大学は経営学を専攻していましたが、当時は自分が経営者になるとは思っていませんでした。卒業後は電力会社やシステム会社の財務部で、数字を扱う経験を積みました。
その後、より個人の人生に直接貢献したいと考え、FPの世界へ飛び込み、プロとしての専門性を磨くなかでチャンスをいただき、社長に就任しました。
――経営するうえで大切にしている考え方は何ですか。
社員には「先義後利」という言葉を伝えています。中国の儒学者荀子の言葉で、「利益よりもまず「人として守るべき正しい道(義)」を優先させることで、結果として利益(利)は後からついてくるという考え方です。
お金や住まいという、人生の可能性を大きく左右する決断に携わっているからこそ、「目先の利益よりも圧倒的な信用の積み重ね」が第一です。
たとえ契約に至らなかったとしても、お客さまに役立つ情報があれば無料でお伝えする。そうした誠実な姿勢が、将来の紹介や、次の相談につながります。
私たちは、単に不動産や保険を売る一業者ではなく、お客さまにとっての「人生のかかりつけ医」のような、生涯にわたって頼れるパートナーでありたいと考えています。正解は一人ひとり異なりますが、幸せになりたいという思いは共通しています。お客さまと向き合い、その背景にある「思い」を丁寧に聞いていくことが、会社の存在意義だと考えています。
自分で顧客をつくり、感謝される喜びを知る組織
――社員の主体性を引き出すために、どのような取り組みをしていますか。
報酬体系として、自己集客に対する歩合率を高く設定しています。
会社から案件を紹介することもありますが、基本的には自分でお客さまを見つけるよう伝えています。過去の自分を信頼してくれたお客さまに全力で応え、感動していただき、そこから新たなご紹介が広がっていく。そのプロセスを通じて、顧客に深く感謝される醍醐味を味わってほしいからです。
会社から与えられた案件をただこなすのではなく、自ら築いた強固な信頼関係の中で仕事をするほうが圧倒的に楽しいということを、組織の共通認識として大切にしています。
――営業活動で、社員に意識してもらっていることはありますか。
「自分がされて嫌なことは、相手にしない」というシンプルなルールを徹底しています。目標数字ばかりに意識が向き、強引なクロージングをすることは理念に反します。
常に心に余裕を持ち、「私から買っても買わなくても構いません」というスタンスでお客さまと向き合うことが大切です。お願いをして契約をいただくのではなく、お客さま自らに「買いたい」と思っていただく必要があります。
その判断は、最後のクロージングだけで決まるものではありません。最初の自己紹介や事前の細かなやり取りなど、お会いする前の段階からすでに信頼形成は始まっています。日頃から自分自身を磨き、選ばれるに値する誠実な行動を積み重ねるよう伝えています。
人だけでなく、物件そのものにも付加価値を
――不動産価格が上昇する中で、どのような役割を担っていきますか。
全国的に不動産価格が上昇し、個人の方が家を購入しにくくなっていると感じています。ただ、リノベーション物件に目を向けたり、住宅ローンの組み方を工夫したり、無駄な保険など固定費を見直したりすることで、理想の家を購入できる可能性はあります。
特定の商材を押し付けるのではなく、家計全体を見直しながら、人生の選択肢を広げるための総合的な提案ができることが当社の強みです。
家を購入した後にローンの支払いが負担となり、家族と過ごす豊かな時間を諦めるようなことは絶対に避けなければなりません。住み始めてから後悔しない家を届け、お客さまの人生を豊かにすることを目指しています。
携帯電話から離れ、思考を整える時間
――仕事から離れて、リフレッシュするために行っていることはありますか。
サウナに行くことです。サウナでは物理的に携帯電話に触れられないため、日々入ってくる情報から一度離れることができます。
その時間を使って、自分の考えや会社の目指すべき方向性を整理しています。事業や組織について落ち着いて振り返り、経営者としてこれから取り組むべきことを考えるための大切な時間になっていますね。