ネパール人材の力で地域の人手不足を解決する――スクーデリアが描く“誇れる企業”への挑戦

スクーデリア株式会社 代表取締役 加納佑哲氏

深刻化する人手不足を背景に、外国人材の活躍がますます注目されています。スクーデリア株式会社は、外国人材の中でもネパール人材に特化した人材派遣事業を展開し、地域企業の人材課題解決に取り組んでいます。独自のユニット派遣モデルを強みに成長を続ける同社。本記事では、代表取締役の加納佑哲氏に、事業の特徴や起業の経緯、組織づくりへの考え方、そして今後の展望について伺いました。

ネパール人材に特化した独自の人材サービス

――現在の事業内容について教えてください。

当社は人材サービスを提供しており、主力事業は外国人材に特化した人材派遣です。特にネパール人材に強みを持ち、製造業を中心とした企業へ人材を派遣しています。

現在のお客様で最も多いのは製造業です。外国人材の特性として、黙々と作業に取り組む現場との相性が良く、製造業のニーズに応えています。そのほか、倉庫・物流業界やホテル・観光業界にも多くの人材を提供しています。ホテルではフロント業務ではなく、レストランでの配膳や洗い場などのバックヤード業務を担うケースが中心です。

――他社にはない強みを教えてください。

当社の特徴は、外国人材全般ではなくネパール人材に特化していることです。これまでさまざまな国籍の方々と仕事をしてきましたが、日本の職場環境との親和性という点で、ネパール人材が非常に高い適性を持っていると感じました。そこでネパール人材に特化する方針を選択しました。

もう一つの強みが、当社独自のユニット派遣モデルです。単に人材を派遣するだけではなく、日本語能力の高い管理社員をリーダーとして配置し、複数名の外国人材をユニット形式で派遣しています。 

さらに管理社員が送迎も担当します。地方の工場などは公共交通機関で通勤しにくい立地も多く、外国人材にとって通勤が課題になることがあります。そこで当社が車両を用意し、管理社員が送迎を行うことで、企業側はまとまった労働力を確保でき、外国人材も安心して働くことができます。こうした仕組みは業界でも珍しい取り組みだと考えています。

東日本大震災が経営者を志す原点になった

――経営者を目指したきっかけを教えてください。

私は理系大学を卒業後、飲食系のベンチャー企業に就職しました。しかし経営者を目指した原点は、大学時代に経験した東日本大震災にあります。

出身地である福島県が被災した際、私は東京で学生生活を送っていました。被災する故郷を見ながら何もできなかったことに無力感を覚えた一方で、社会に大きな影響を与える経営者や事業家の存在を知りました。

その経験から、自分も身近な人を幸せにできる影響力を持った人間になりたいと考えるようになりました。そして、その理想に最も近づける道が経営者になることだと考え、ベンチャー企業で経験を積んだ後、販売促進事業で起業しました。

――現在の事業に至るまでの経緯を教えてください。

その後、複数の事業経営に携わる中で、人材派遣会社の経営支援に関わる機会がありました。そこで強く感じたのが、日本人採用の難しさです。

深刻な人手不足が進む中で、日本人採用だけに依存することには限界があると考えました。そこで、将来的に大きな可能性を持つ外国人材市場に着目し、同じ志を持つメンバーとともに2022年にスクーデリアを立ち上げました。

「誇れる企業を作る」が採用と経営の軸

――採用や育成で大切にしていることは何でしょうか。

当社の企業理念は「誇れる企業を作る」です。採用において最も重視しているのは、この理念に共感してもらえるかどうかです。

事業内容そのものよりも、自分たちが暮らす地域に対して良い企業を作りたいという想いを共有できることを大切にしています。福島県、宮城県、岩手県など、事業を展開する地域に貢献したいという考えに共感できる方と一緒に働きたいと思っています。

――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。

私の判断基準も、すべて「誇れる企業を作る」に集約されています。

例えば、お客様を欺いて売上を上げることは誇れることではありません。また、お客様を優先しすぎて従業員の幸福を犠牲にすることも誇れる企業とは言えません。

お客様、従業員、取引先など、関わるすべてのステークホルダーが幸せになってこそ、本当に誇れる企業になると考えています。スクーデリアに関わって良かったと思ってもらえることが何より重要だと思っています。

人手不足解消と外国人材への理解促進を目指して

――今後の展望について教えてください。

まずは現在展開している独自のユニット派遣モデルをさらに拡大し、地域の人手不足解消に貢献していきたいと考えています。 

また、新たな事業として特定技能人材の紹介事業にも取り組んでいます。派遣だけでなく直接雇用につながる紹介サービスを充実させることで、企業の人材確保をより幅広く支援していきたいと思っています。

さらに、現在4期目で売上高約6億円規模ですが、将来的には大きな成長を実現し、株式上場も目指しています。

――現在向き合っている課題はありますか。

営業面が大きな課題です。特に大規模企業へのアプローチは簡単ではありません。これまでのテレアポや訪問営業を継続しながら、新しい営業手法も試行錯誤している段階です。まだ正解が見えていない部分だからこそ、さまざまな施策に挑戦しています。

地域から愛される企業を目指して

――将来的にどのような会社にしていきたいですか。

10年後、20年後には、地域の誰もが知っている企業になっていたいと思っています。そして「あの会社は本当に良い会社だよね」と言っていただける存在になりたいです。

また、従業員一人ひとりが「この会社で働けて良かった」と感じ、自分らしく輝きながら毎日を過ごせる組織にしたいと考えています。

――事業を通じて社会にどのような価値を提供したいと考えていますか。

人材サービスを通じて人手不足の解消に貢献したいという想いがあります。

それと同時に、外国人材に対する理解を深めていきたいとも考えています。外国人だからという理由だけで一括りに評価するのではなく、一人ひとりを正しく理解することが大切です。実際に働く外国人スタッフとともに、その魅力や可能性を社会へ発信し、多様な人材が活躍できる環境づくりにつなげていきたいと思っています。

――休日のリフレッシュ方法を教えてください。

温泉やサウナが趣味ですが、現在は10か月の子どもの育児に全力で向き合っています。休日は家族との時間を最優先にし、育児に集中することが何より大切な時間になっています。

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