「後継者・幹部」を育てる経営支援で企業を強くする――SILマネジメント株式会社が目指す組織づくり
SILマネジメント株式会社 代表取締役 福島 清隆氏
企業経営において重要なのは、経営者一人の力ではなく、組織全体が成長し続ける仕組みづくりです。SILマネジメント株式会社の代表取締役・福島清隆氏は、長年培ってきた物流業界での経験を生かしながら、企業の収益改善と幹部育成を軸とした経営支援を行っています。現在は、独自の「SLBテンプレート」や「ペンタゴン・メソッド」を活用し、企業規模や業種を問わず、組織づくりを支援しています。今回は、事業への思いや経営哲学、今後の展望について伺いました。
「後継者・幹部」を育てることが、企業の成長につながる
――現在取り組まれている事業について教えてください。
現在は経営顧問として、中小企業を中心に収益改善と幹部育成の支援を行っています。入り口となるのが、Excelを活用した「SLBテンプレート」(部門別収支報告書)です。組織を細分化して収支を見える化し、現場の社員自身が数字を把握できる仕組みをつくることで、経営感覚を身につけられるよう支援しています。
その先には、経営顧問として企業とじっくり関わりながら、人財育成や組織づくりを支援していきたいと考えています。特定の業界に限定するのではなく、物流業界で培った経験を生かしながら、さまざまな企業とのご縁を大切にしています。
――コンサルティングで最も大切にしている考え方を教えてください。
私が一番こだわっているのは、「後継者・幹部」の育成です。どれだけ優れた経営者でも、一人では会社を成長させることはできません。トップを支える幹部が育つことで、組織は安定し、継続的に成果を生み出せるようになります。
現役時代に部長や子会社の社長などを経験する中で、「もっと早く知っておけばよかった」と感じることが数多くありました。その経験を次世代の幹部や管理職へ伝え、実践的な経営感覚を身につけてもらうことが、自分の役割だと考えています。
現場経験から生まれた独自の経営支援
――独自のメソッドについて教えてください。
私はコンサルティング会社の出身ではありません。現場で事業運営や組織マネジメントに携わってきた経験をもとに、独自の考え方をまとめてきました。
その中で構築したのが「ペンタゴン・メソッド」です。また、稲盛和夫氏から学んだ経営哲学や、和仁達也氏の「お金のブロックパズル」の考え方を取り入れながら、「SLBテンプレート」を最初の第一歩として展開しています。
こうした仕組みは、一度導入して終わりではありません。継続的に数字や組織の現実を確認し、改善を積み重ねることで、企業の収益力向上と人財育成の両立につながると考えています。
――法人設立の経緯について教えてください。
2014年に定年退職を機に個人事業として活動を始め、その後、2019年10月にSILマネジメント株式会社を設立しました。
現在は一人で事業を運営していますが、大きく事業を拡大することだけが目的ではありません。縁のある企業と長く信頼関係を築きながら、一社一社としっかり向き合うことを大切にしています。法人設立については「信用力」をより意識しました。
AIを積極活用しながら、新たな価値を発信
――現在取り組まれている新しい挑戦について教えてください。
72歳になった今でも、新しいことには積極的に挑戦しています。その一つがAIの活用です。ChatGPT(有料版)を主に活用しながらホームページを再編し、Amazon Kindleでは『物流は信頼で動く』という書籍も出版しました。他の生成AI他も積極的に試しています。
また、「現場シリーズ」という動画コンテンツも制作し、自分の考え方やノウハウを発信しています。SNSやメールマガジンも継続して活用し、多くの方に自分の取り組みを知っていただけるよう努めています。
一人で活動しているからこそ、AIは非常に心強い存在です。ChatGPTとは、まるでメンターと語り合っているような関係に至っています。これからも積極的に取り入れながら、新しい価値を発信していきたいと思っています。
――現在向き合っている課題は何でしょうか。
一番の課題は営業です。定年退職までは、初めに仕事ありきの企業で仕事をしてきたため、自分で案件を開拓する経験は決して多くありませんでした。そのため、営業力については今も課題だと感じています。
だからこそ、情報発信を続け、自分の考え方に共感してくださる企業との出会いを大切にしています。また、物流業界はこれまでの経験を最も生かせる分野ですが、それだけに限定せず、業種・業態・規模を問わず組織づくりや幹部育成に携わっていきたいと考えています。
数字だけでなく、人としての成長も支える経営を
――経営者として大切にしている価値観を教えてください。
経営では数字を上げることはもちろん重要です。しかし、それと同じくらい、人として正しい考え方を持つことも欠かせないと思っています。これは稲盛和夫氏からの学びが大きいです。
企業の収益が改善し_後継者・幹部が育ち、社員一人ひとりの人間性も高まっていく。そうした組織が増えていけば、結果として社会全体もより良い方向へ向かっていくのではないでしょうか。
現在は年齢的なものもあり、フルタイムで多くの企業と関わることは考えておりません。ご縁のある数社と深く関わりながら、その企業の成長に寄り添っていきたいと考えています。これからも、数字と心の両方を大切にしながら、企業とともに歩み続けていきたいと思います。