「やればできる」を信じ、不登校の子どもたちの未来を支える――学校に代わる教育インフラを全国へ

株式会社明光みらい 代表取締役 小幡 和輝氏

「やればできる」という教育理念のもと、不登校の子どもたちの学びを支える株式会社明光みらい。同社はフリースクール事業を通じて、一人ひとりの個性を尊重しながら、学校に代わる教育インフラを目指しています。その背景には、自身も不登校を経験し、フリースクールでの経験を現在の事業へ生かしている代表・小幡和輝氏の原体験があります。 本記事では、会社設立の経緯や事業への想い、教育にかける信念について伺いました。 

「やればできる」の教育で、不登校の子どもたちを支える新たな選択肢をつくる

――株式会社明光みらい設立の経緯と、現在の事業について教えてください。

もともとは「クラスジャパン」というフリースクールを運営していました。2018年当時は創業メンバーの一人として携わり、途中から私が代表を引き継ぐ形になりました。その後、昨年から明光義塾と一緒に事業を進めることになり、新たに株式会社明光みらいを設立してグループへ参画しています。

私自身、不登校の当事者でもあります。これまで書籍の出版やテレビ出演などを通じて、不登校というテーマで情報発信を続けてきました。一方で、明光義塾は教育分野で長年実績を積み重ねてきた存在です。不登校支援に取り組んできた私たちの経験と、教育業界で培われた明光グループの基盤が組み合わさったことが、今の大きな強みだと考えています。

明光グループ全体の理念は「やればできる」の記憶をつくるです。そのうえで明光みらいでは、不登校の子どもたちを支える会社として「学校に代わるインフラをつくる」ことを目指しています。 不登校という状況になった時に、自分らしく過ごせる場所が当たり前に存在する社会を実現したい。その想いを軸に事業へ取り組んでいます。

自身の原体験が、今のフリースクールづくりにつながっている

――ご自身の経験は、現在の事業へどのようにつながっていますか。

私自身がフリースクールへ通っていた時、「ここに来て良かった」と思えた体験を、今の事業へそのまま詰め込んでいます。

学校では友達ができませんでしたが、フリースクールでは本当に良い仲間と出会えました。それだけではありません。「学校へ戻ること」や「普通になること」を目標にするのではなく、「その子が一番輝ける道は何か」を一緒に考えてくれる大人がいました。その姿勢が私にとって非常に大きな支えだったと感じています。

だからこそ、私たちが目指すフリースクールも、一人ひとりを型にはめる場所ではありません。それぞれの個性を認め、その子が一番輝ける道を一緒に見つけられる場所でありたいと思っています。子どもたちの可能性は一つではありません。誰かの価値観へ合わせるのではなく、一人ひとりが自分らしい未来を見つけられる場所であり続けたいと思っています。 

一人ひとりへ権限を委ね、自ら考えて行動できる組織を目指す

――組織づくりや社員との関わりで大切にしていることを教えてください。

私が組織運営で意識しているのは、できるだけ一人ひとりへ権限を委ねることです。細かく指示を出すのではなく、それぞれが責任を持って判断し、自分で考えながら仕事を進めてもらいたいと思っています。そのためにも、採用の段階で「任せられる人かどうか」をしっかり見極めています。現在は約100倍という倍率の中から採用しており、本当に一緒に挑戦したいと思える人だけを迎えています。

私が一緒に働きたいのは、一人でもやっていける力を持った人です。自分で起業しても活躍できる実力がありながら、「この環境を活用してもっと大きなことを実現したい」と考えられる人には、とても魅力を感じます。実は私自身も、フリースクールを一人で続ける道ではなく、明光義塾のブランドやリソースを活用することで、自分が目指す教育をより多くの子どもたちへ届けられると考え、この選択をしました。だからこそ、自分のやりたいことが明確で、その実現手段として会社を選んでくれる人と働きたいと思っています。

教育への熱意はもちろん大切です。ただ、教育は子どものためを思えば思うほど、いくらでも時間やコストをかけられてしまう仕事でもあります。だからこそ、「もっとしてあげたい」という気持ちだけではなく、限られたリソースの中で最大限の価値を届ける視点も欠かせません。教育への想いと事業として継続するための現実、その両方を見据えながら判断できるバランス感覚を持った人が、長く活躍できると考えています。

学校に代わる教育インフラを全国へ――必要な子どもへ支援を届けたい

――今後の展望について教えてください。

現在取り組んでいる明光フリースクールは、立ち上げたばかりの事業です。まずはより良いサービスづくりと広報戦略の両面でPDCAを回しながら、必要としている人へどう届けるかを一つずつ検証しています。

その勝ちパターンが見えたら、一気に全国へ広げていきたいと思っています。明光義塾には全国約1,600教室という基盤があります。このネットワークを生かしてフリースクールを展開できれば、日本における教育環境は大きく変わるはずです。現在、国内のフリースクールは400~500程度と言われていますが、それを大きく上回る規模で展開できれば、本当の意味で学校に代わる教育インフラを実現できると考えています。

広報についても、広告費をかけることを目的にはしていません。広告費が増えれば、その負担は利用する方へ返ってしまいます。まずは必要な人に見つけてもらえる環境を整え、良いサービスを提供し、その価値が口コミで自然に広がっていく形を目指しています。利用する子どもや保護者の負担をできるだけ抑えながら、本当に必要な支援を届けていきたいと思っています。

また、「不登校は不幸じゃない」という言葉を発信し続けてきたことで、一緒に活動したいという仲間が増えました。同じ想いを持ちながらも発信できなかった人や、不登校支援に関わりたいと考えていた人たちが集まってくれたことは、大きな財産です。批判を受けることもありましたが、10年近く発信を続ける中で少しずつ社会の理解も進んできたと感じています。これからも偏見をなくすための発信を続け、不登校の子どもたちが自分らしい未来を選べる社会を実現していきたいですね。 

「とりあえずやる」という姿勢が、新しい教育を切り拓く

――仕事以外では、どのようにリフレッシュされていますか。

休日はゲームをして過ごすことが多いですね。家で遊ぶこともあれば、外へ出かけて楽しむこともあります。

――明光グループという大きな組織に加わった今でも、変わらず大切にしている価値観を教えてください。

私が大切にしているのは、「とりあえずやる」という考え方です。まず挑戦し、そこから改善していく。この姿勢は、組織が大きくなっても変えたくありません。今も明光グループの中で自由に挑戦できる環境があります。その強みを生かしながらベンチャーマインドを発揮し、グループ全体にも良い刺激を与えていきたいと思っています。

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