「心のベル」「体のベル」「環のベル」を鳴らす。訪問マッサージと福祉の架け橋が拓く、次世代の「話し方教室」
合同会社ベルスリープラン 代表社員 遠間 亮平氏
高齢者や障害を持つ方々の生活を、マッサージで支える「訪問マッサージ事業」。そして、地域社会の福祉向上を目指す障害福祉事業。代表社員の遠間亮平氏は、かつて役者として舞台に立ち、シナリオを執筆していた異色のキャリアの持ち主。「自分のために生きる」ことから「人のために生きる」ことへ転換し、40歳から介護業界という新しい世界に飛び込んだ遠間氏に、その哲学と未来の展望を伺いました。
目次
利用者と地域に寄り添う「3つのベル」
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社の名称である「ベルスリー」には、「心のベル」「体のベル」「環(わ)のベル」という3つのベルを鳴らすという理念が込められています。
訪問マッサージの現場では、高い技術はもちろん必要ですが、それだけでは根本的な改善には至りません。心と体のバランスを整え、さらに利用者様を取り巻くご家族やケアマネジャー、地域の社会福祉といった「環境」までをトータルで捉える必要があります。
マッサージの際、ご家族への報告書を細やかに作成するのも、私たちの評価をいただいているポイントです。訪問マッサージは、医師の同意書があれば保険適用でサービスを受けられる非常に有用な手段です。通院が難しい方でも、必要なサービスを享受できるよう、私たちは現場で丁寧な対話を重ねています。何より大切にしているのは、介護福祉士や社会福祉士としての経験を活かした「地域との繋がり」です。利用者様が本当に求めていることは何かを、多角的な視点から見極めることを常に意識しています。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
投資するところと削減するところの見極めですね。予算を立てた時、その通りに進めるため努力することももちろん大切にしてます。
「自分のため」から「人のため」へ。40歳からの決断
――経営者になられた経緯を教えてください。
20代の頃は、とにかく役者として売れることだけを考えていました。脚本や演出にも挑戦し、夢中で舞台に打ち込んでいました。しかし、40歳になった頃、ふと「これは自分の名を売るためだけにやっているのではないか」という虚しさを感じたのです。
そんな時に、介護の現場へ飛び込みました。何の経験もなく、ただ本能的に興味があったからです。驚いたことに、高齢の利用者様と接するうちに、「あんたに言われるならしょうがないな」と信頼を寄せてもらえるようになり、入浴を拒否されていた方が心を開いてくれるような経験を何度もしました。このとき、「自分は人のために何かをすることで、こんなにもやりがいを感じるんだ」という確信を得ました。介護職を経て、「自分でも施設運営ができる」という確信が持てたため、資格を取得しながら独立を準備し、現在の訪問マッサージ事業を立ち上げました。
「人としての共感」を軸にしたチームビルディング
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在は、社員やパート、業務委託を含めて30名近いチームで運営しています。人材採用において重視しているのは、「弊社の理念に共感してくれるか」の一点です。
面接では、なぜ当社を選んだのかを必ず聞きます。「3つのベル」という理念や、私の経歴に興味を持ってくれた方にこそ、長く活躍していただきたいと考えています。一方で、あまりに自分のやり方に固執しすぎる方などの場合は少し慎重になることもあります。利用者様に真摯に向き合うという「柔軟性」と「共感」こそが、この仕事において最も重要な資質だからです。
職場環境については、ありがたいことにパートさんから「もっと働きたい」というお声をいただけることも多く、良い循環が生まれています。人件費は経営における最大の投資であり、現場をしっかり守ってくれるスタッフ一人ひとりが、私にとっての最大の財産です。
「人生の8割を左右する」話し方教室の開講へ
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今後の展望として、まずは現在取り組んでいる障害福祉事業を拡大させ、訪問看護や放課後等デイサービス、グループホームといった多様なサービスを一つに集約できる体制を目指しています。
そして、私が個人的に強い熱意を持って取り組みたいのが「話し方教室」です。かつて俳優として培った滑舌や呼吸法、また脚本家・演出家として養った指導内容、そして介護・経営の現場で磨いた対話術を活かし、多くの人に「伝える力」を伝授したいと考えています。
ビジネスでも日常会話でも、話し方一つで人生は大きく変わります。AIが台頭する時代だからこそ、対面で心を通わせるコミュニケーションの本質を広めていきたいと考えています。
表現者としての情熱と、自分を慈しむ時間
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
現在は、趣味のテニスとピアノ、そしてバンド活動でリフレッシュしています。今こうして音楽を楽しんでいる姿が誰かに届き、ポジティブな影響を与えられていると感じます。
実際に私のライブを見て、「楽しそうに生きている姿に感銘を受けた」と独立を決意された方もいらっしゃいました。私の活動が誰かの背中を押せるのであれば、これほど嬉しいことはありません。
ハンディのある方々を守って行くと決めたのでこれからも自分らしく感覚を信じて経営し、ブレずに突き進んで行きます。